『弱腰すぎる尖閣諸島周辺の領海警備。海保強化前倒しせよ!』


ー日本は衝突を準備と、またも難癖。対話姿勢など皆無ー

2013-10-14    政治評論家、伊達 国重

産経新聞ネット版の記事を読み頭に血が昇る怒りを覚えた。『人民日報電子版』(10月14日付け)が、またも尖閣諸島関連記事で議論に値しない主張を報じた。共同通信がキャリーした。中国側の無謀な領海侵犯に対抗するため海上保安庁がヘリ搭載大型巡視船『おきなわ』(3,100㌧)を那覇の第11管区海上保安本部に10月11日、配備した事で『日本は衝突を準備』と噛み付いてきた。海軍の尹卓少将の発言だと言う。冗談言っちゃ困る。中国こそが、昨年来、尖閣諸島制圧へ領海侵犯を繰り返し、隙あらば軍事力の発動の機会を虎視眈々、狙っているのではないか。『中国は衝突を準備』が真相で、米国の議会、国務省、ペンタゴン高官が尖閣諸島情勢に『日米安保条約の対象』と明言、警告を発している事がはっきり裏付けている。

おさらいも兼ね、尖閣諸島周辺の中国側の領海侵犯は『やりたい放題に近い』(在京国際軍事筋)。海上保安庁が中国の艦船に向かって領海侵犯しても絶対発砲しないと読み切って、尖閣諸島周辺を好き勝手に遊弋している。我が国が領有権を主張する『北方4島周辺で日本漁船が1センチでも領海に踏み込めば、『ロシア警備艇は有無を言わせず銃撃を浴びせる。死傷者が出ようが出まいがおかまい無し』(公安関係者)。情け容赦ない国境警備行動だ。それが世界の現実だ。海上保安庁が中国の無法艦船へ続ける領海侵犯警告、監視活動は欧米先進国で”物笑いの種”と言ってもいい。

『領空、領海は断固守り抜く』と安倍ドクトリンで遅まきながら、尖閣諸島周辺の領海侵犯阻止のため海上保安庁はヘリ積載大型巡視船の増派準備が10月11日、整った。既に尖閣周辺で行動を開始した『おきなわ』は1983年竣工の老朽船。門司の第7管区海上保安本部所属だった『ちくぜん』を改修の上、配置転換させた応急策。対艦ミサイル装備など望むべくも無いのに、『おきなわ』の配備に中国海軍の意向を体し、尹卓海軍少将が人民日報ですぐ挑発攻撃を始めた。『船体を補強して戦闘能力を強化した』を理由に『日本は中国艦船と衝突する準備を整えた』と。

海上保安庁の尖閣周辺の領海警備の能力は著しく不足している。だから中国側の行動を阻止出来ないのだ。平成27年を目途に、安倍政権は『尖閣諸島警備専従部隊』の編成を決め、新造船10隻、改造船2隻の船体整備を決め来年度予算の概算求で128億円を要求する。少し悠長すぎはしないか。中国は海上保安庁の巡視船艇より武装、性能ともに勝る艦船の増強を進めている。安倍総理、交渉の扉を閉ざせとは言わぬが、中国等旧社会主義国家との交渉で弱みを見せたらつけあがるという歴史の事実をもう一度噛み締めてほしい。海上保安庁の領海警備能力強化を前倒しで実施しないと安倍政権は”張り子のトラ”になりかねない。