2014-08-15 松尾芳郎
図:(Honda Aircraft)ホンダジェット量産1号機の初飛行の姿。米国東部夏時間10:18 a.m.にピドモント・トリアド空港を離陸し、1時間24分の初飛行を行った。高度15,500ftまで上昇し速度348 ktで飛行し、設定された項目の試験を終え、着陸した。
すでに新聞等で報道済された“ホンダジェット量産型1号機初飛行”の初飛行時の動画が、ホンダジェットから公開されたので紹介する。
内容は3分弱で短いが、製造過程から離陸、パイロットの様子、そして着陸しホンダジェット1,000名の従業員からの祝福を受ける様子、などが纏められている。
http-//www.youtube.com/w#6A229C
ホンダジェットの量産1号機が完成、1時間24分に及ぶ初飛行に成功した(2014-06-27)ことで型式証明取得と2015年から始まる引渡しに向け一つの山を越した。初飛行はホンダ航空機のあるグリーンスボロ(Greensboro N.C)で行われた。
この飛行では、高速および低速での操縦性、アビオニクスの機能試験、さらにランデイングギア、フラップ、それにスピードブレーキの機能試験などが行われた。
量産1号機「N420EX」は、新しい“深緑パール(deep green pearl)”に金色の縁取りをした塗装で仕上げられている。顧客は、これまでの“銀色”、“赤”、“黄色”、“青”の4色に加え、今回発表された“深緑パール”を含む5色の中から好みを選ぶことができる。自動車を購入する時は、色の指定は普通に行われるが、飛行機の世界では初めての試みだ。
生産は順調に行われており、FAAの型式証明取得ができたら直ちに顧客に引渡せるよう準備が進められている。ホンダジェットは、パイロット1名乗務での型式証明を予定していて、北米とヨーロッパ地域での販売を進めている。
ホンダジェットは、小型ジェットの中でもユニークな設計で知られている。すなわち、特許を取得した“主翼上面にエンジン取付け”(Over-the-wing engine mount=OTWEM)、“層流翼の主翼”、”複合材製の胴体”などで、これ等により、同クラスの他機に比べ、最もスピードが出せ、最も室内が広く、そして最も燃費の少ない機体、を実現した。
ホンダジェットは、巡航速度420kt (777km/h)、上昇限度43,000ft(13,000m)、乗客5名を乗せ1,180 nm(2,180km)を飛行できる。
図:(Honda Aircraft)量産型1号機「N420EX」を中心にして、初飛行完了を祝う1,000名のチーム・メンバー。
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本稿の参考にした記事は次ぎの通り。
Honda Aircraft News 06.27.2014 “First Production HondaJet Takes to the Skies”