次世代弾道弾迎撃ミサイル実験でイスラエル2回目の成功


2014年1月22日    ジョン・ボスニッチ(ベオグラード)

イスラエルが次世代弾道弾迎撃ミサイルとして開発中の『ARROW 3』の発射、迎撃実験にこのほど成功した。1回目の実験から10ヶ月後でこれで2回とも成功、実用に供する事が改めて証明された。同ミサイルの開発計画には米国のMDA(ミサイル防衛局)、ボーイングも共同参画している。

開発を主導するのはイスラエル最大の航空宇宙企業『IAI(イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ)』。同社、ボーイング等によると『ARROW 3』2回目の発射実験は1月3日午前7時58分。テルアビブ南方のミサイル発射テスト場で行なわれた。標的は地中海上空に設定され、予定通り命中した。最終弾頭が海上に落下するプログラムだった模様。

『ARROW 3』の最大の特徴は敵の弾頭部を大気圏外、100㌔以上で捉え、撃破する能力。これ迄より高高度迎撃能力の付与で進歩が見られる。これ迄以上の高高度迎撃能力で地上への被害は極めて限定的。

『ARROW 3』は弾道弾迎撃ミサイルと標的探知、ミサイル誘導のレーダー、指揮管制装置等で構成され、システム全体の開発でMDA、ボーイングが共同参画している。

『ARROW 3』の前身、『ARROW 2』は過去10年間、実戦配備中で撃墜率は9割。イラン、シリアからのミサイル先制攻撃への抑止力となってきた。

有力メディアは『ARROW 3』の実戦投入は2016年以内と想定している。イスラエル弾道ミサイル防衛網は3層。大気圏外の高高度が『ARROW 3』、中距離部分がDavid’s Sling』、近距離は『Iron  Dome 』。

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[(米MDA)発射台を離れたARROW 3迎撃ミサイル]

 

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