ボーイング、エアバス両社の最新鋭旅客機で発生した主翼の亀裂問題


2014年3月9日       John Bosnitch & Aaron Terruli

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[(Airbus)成層圏の覇者となった世界最大の旅客機、エアバスA380型機]

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[(Boeing)次世代省エネ広胴型機時代を先導するボーイングB787″ドリームライナー”製造ライン]

ボーイング、エアバス両社の最新鋭旅客機でほぼ同時に主翼の亀裂発生問題が浮上した。

ボーイングの該当機は発注をさばくため増産体制切り替えが進行中のB787『ドリームライナー』。一方、エアバスの対象機はじりじり市場を拡大する世界最大の旅客機A380型機。

ボーイングが明らかにしたところだと製造過程のB787型機40機の主翼でヘア・クラック(毛髪状の亀裂)が発生した恐れがあるという。主翼は日本最大の航空機メーカー、三菱重工が開発製造を担当。炭素繊維を使用した世界初の複合材で制作した野心的設計。

クラックが見つかったとの連絡は三菱重工から2月、ボーイング社に伝達されたという。亀裂発生箇所は『ウィング・リブ』。最近製造法を変更した結果生じたらしい。検査と補修で問題は解決可能と言い、”後遺症”とはならないと専門家がコメントした。ただ追加修復作業で数週間を要し、今年予定した同型機110機の出荷目標に影響が出る可能性がある。

既に航空会社に引き渡し済みの122機には全く影響はない。

一方、エアバスA380型機の主翼で発見されたクラックは製造工場で継続強度テスト中の機体で判明した。金属疲労が原因で発生したと解析された。スケールは想定を超えていた模様だ。

このためエアバスは同型機を運航中の航空会社に対し運航開始から6年後の重整備段階で『メイン・スパー』か『メイン・インターナルビーム』部分の点検を求め、12年後にも同様の検査実施を要求した。該当部分は主翼の重要構造部分だ。

今回、A380型機の主翼で見つかった新たなクラック発生は、カンタス航空のエンジン空中爆発事故後の主翼構造の見直し作業で浮上したという。