マレーシア航空,B777-200型機行方不明(No25)。37.5㌔ヘルツを追え!4月4~5日にかけ"ブラックス・ボックス"の信号音を3回受信


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[(Royal Australian Navy)米海軍提供の曳航式特殊ソナー”TPL-25″で”ブラック・ボックス”探索に加わる豪州海軍、海洋観測艦”オーシャン・シールズ”]

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[(US NAVY)37.5㌔ヘルツの信号音キャッチの主役、TPL-25特殊ソナー]

2014年4月6日(JST.23:10)                       John Bosnitch & Aaron Terruli

乗客乗員239人が搭乗、行方不明のマレーシア航空、B777-200型機の機体発見に繋がる37.5㌔ヘルツのシグナルが3回、遭難想定海域で探知された。同シグナルは、航空機事故発生時、”ブラックボックス”の存在箇所を自動的に知らせる仕掛け。豪州政府の事故合同捜索調整本部が4月6日、発表した。キャッチしたのは4月4~5日で2回は中国の捜索船、1回は豪州の海洋観測艦だったという。シグナルの探知場所は同一ではなく90㌔の間隔があるが、同本部では遭難現場を特定する最有力の情報と睨み、英海軍の海洋観測艦『HMS ECHO』を現場海域に急行させ、シグナル音の確認に当たる。『ブラック・ボックス』のシグナル音の電源のタイムリミットが数日後に迫っている。時間との闘いに神の加護を祈りたい。

新華社通信や、合同捜索調整本部によると合計2回、『ブラック・ボックス』が発信する37.5㌔ヘルツの信号音を捉えたのは中国の捜索船『海巡01』(5,418㌧)。最初は4月4日、南緯25度、東経101度の地点。短時間で突然ソナーが捉えたため録音の余裕が無かったという。2回目は4月5日でさほど離れていない場所で90秒間、37.5㌔ヘルツのシグナルをキャッチした。

一方、豪州の海洋観測艦『ADV シールズ 』(6,500㌧)は4月5日、同周波数のシグナルをキャッチした。中国側と90㌔距離がある地点だった。捜索に参加している英海軍の海洋観測艦『HMS ECHO』(3,470㌧)がシグナル音確認のため現場へ急行中だ。

マレーシア航空機の『ブラック・ボックス』はB777−200型機の最後尾、垂直尾翼下部付近に装着している。事故の際の衝撃でも比較的損傷しにくい箇所だ。『ブラック・ボックス』はFDR(飛行記録計)、CVR(音声記録計)の2種類で構成されている。いずれも1,100℃の高温下で30分間、1,000Gの衝撃にも0.011秒間、耐える堅固な構造。

遭難想定海域の4,000㍍を超す深海でも回収に成功すれば、事故原因追及の決め手に迫れる。2009年 6月、南大西洋で墜落したエール・フランス、A330-200型機でも2000㍍を超す深海から2年を賭けて『ブラック・ボックス』に成功。データは事故当時の状況を知る上で決定打となった。