中国海軍の南西諸島周辺での動静


2014年5月3日(JST.13:40)    小河正義

2014-05-04   Revised

中国海軍ジャンカイII

図:(防衛省)5月2日、同3日に沖縄本島ー宮古島間を南東進した中国海軍フィリゲート艦「江凱II」(ジャンカイII)型。艦番号550「維坊」(Weifang)は昨年就役した新造艦である。同型艦は、排水量4,000㌧、32セルVLS 1基、CIWS 2基、6連装対潜魚雷発射機 2基を備える最新鋭の艦で12隻が就役済み。

中国海軍練習艦

図:(防衛省)「江凱II」型フリゲート艦に同行した「大新」(ダシン/Daxin)級練習艦。1987年就役の士官候補生用練習艦で排水量5,600㌧、教官30名と候補生200名を収容する。

中国海軍の艦船が南西諸島周辺で動き始めた。防衛省統合幕僚監部が5月2日、および3日に公表した。

統合幕僚監部によると、5月2日、午後5時頃、沖縄県・宮古島北東、約130㌔の東シナ海で、中国の艦船が南東へ向け航行しているのを付近を警戒監視中の第13護衛隊群(佐世保基地)所属の護衛艦『じんつう』と第5航空群(那覇基地)対潜哨戒機、P3C『オライオン』が、それぞれ発見した。

 

中国艦船は識別の結果、ジャンカイⅡ級フリゲート艦、ダシン級練習艦、合計2隻と判明した。

☆その後、該当艦船の追跡監視で、両艦は5月3日、午後1時時点で、沖縄本島南西約650㌔の西太平洋を南西方向に航行中であることを確認した。

中国では先頃、イスラム系過激派の爆弾テロ事件が発生したばかり。国内情勢の不安定から国民の目をそらすため、対外的緊張を煽るのは、北京、中国人民解放軍の常套手段。日本での集団自衛権を巡る動きを睨んで南西諸島周辺で何らかの動きに出る可能性は十分、考えられる。

防衛省は4月20日に、那覇基地に航空自衛隊は、早期警戒機、E2C『ホークアイ』常駐部隊を展開。尖閣列島など南西諸島周辺での空中からの探知・策敵対策を講じた。

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