中国空軍戦闘機が、2機の自衛隊情報収集機に異常接近。東シナ海公海上空


24a [(防衛省)自衛隊機2機に東シナ海公海上で異常接近した中国空軍スホーイSu-27″フランカー”]

2014年5月25日(JST.08:30)    小河正義

東シナ海の公海上空で、5月24日午前、2機の自衛隊情報収集機が、中国空軍の主力超音速戦闘機、スホーイSu-27『フランカー』に相次いで異常接近されたことが明らかになった。防衛省が25日、緊急発表した。最接近時の距離は30~50㍍と推定されるという。未経験の至近距離でのニアミスだった。小野寺五典防衛相は『中国軍機の行動は不測の事故を招く』と外交ルートで正式に抗議する。東シナ海上空では、尖閣列島の領有権で中国軍が空、海の双方で日本側に軍事プレッシャーをエスカレートさせている。日本と同盟関係の米海軍の制服組トップ、ジョナサン・グリーナート海軍作戦部長兼海軍大将が5月26日、防衛省を訪問予定で、早速、今回の出来事で協議が行われよう。 防衛省の発表だと中国空軍機と自衛隊情報収集機との異常接近が発生したのは5月24日、午前11時頃~正午にかけて。日本と中国側が一方的に定めた防空識別圏(ADIZ)の重なる東シナ海、公海上空。 一回目の異常接近は午前11時頃発生。海上自衛隊の岩国基地所属、第81航空隊のOP-3C『オライオン改修型』画像情報収集機。中国空軍のスホーイSu-27『フランカー』2機が後方から海自機に接近、50㍍の至近距離だったという。これ迄経験したことのない中国軍機とのニアミスだった。2回目は一時間後。航空自衛隊のYS-11EB電子情報収集機に中国空軍のスホーイSu-20『フランカー』2機が同様に異常接近した。 最接近時の間隔は30~50㍍で空中衝突の危険をはらむニアミスだったという。 自衛隊機は5月20日から始った中露海軍合同軍事演習『NAVAL INTERACTION-14(海上連合2014)』関連の情報収集活動の任務に就いていた。 戦闘機を含む中国軍機に対する空自機のスクランブルの個別ケースは非公表で、特異なケースのみ公表している。今回は”逆スクランブル”のケースだが、『中国側がこうした行動をエスカレートさせるのは必至』と在京国際軍事筋は分析している。 防衛省は4月20日、航空自衛隊の早期警戒機、E2C『ホークアイ』4機でなる飛行隊を那覇基地にで発足させ、南西諸島周辺での低空を含む監視警戒態勢を着々整備している。F-15『イーグル』1個飛行隊の那覇への追加配備も予定している。 中国側が誤算しないよう、空自機の機種近代化の加速が求められる。再度こうした事態が武力衝突に発展しないよう協議中断中の日中間の”軍事ホットライン”開設を防衛省は粘り強く要請する。 onodera_itunori [(内閣HP)小野寺五典防衛相] 54 [(Sukhoi)旧ソ連が開発、中国空軍も導入したスホーイSu-27″フランカー”]