自衛隊の対中機スクランブルは"紳士的"


2014年6月20日(JST.15:50)      外交・政治評論家 伊達国重

鬼の首でも掴んだ様に中国軍が公開した航空自衛隊F15『イーグル』戦闘機の中国空軍電子偵察機トゥポレフTu154型機への異常接近写真。一見、中国側の主張に歩がありそうにも見えるが、決してはそうではない事が、6月17日、バルト海上空で発生した英空軍機の露軍機編隊へのスクランブル写真で判明した。

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[(UK MOD)露空軍戦闘機の編隊へ緊急発進した英空軍”タイフーン”戦闘機]

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[(中国国防部)中国機への異常接近証拠に中国側が公開した写真]

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[(UK MOD)英空軍”タイフーン “戦闘機に空対空ミサイルのフル装備を見せる露軍スホーイSu27″フランカー”]

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[(UK MOD)露空軍スホーイSu27″のクローズアップ画像]

中国国防部は航空自衛隊、F15『イーグル』戦闘機が6月、東シナ海公海上で、中国の

トゥポレフTu154電子偵察機に30㍍まで異常接近した”証拠写真”を公表、日本側が威嚇異常接近を受けたとの抗議に逆襲してきた。

しかし、英空軍”タイフーン”戦闘機がバルト海でのNATO軍演習空域に近づく露軍機へのスクランブル写真と比較すると、自衛隊機の様子はパイロットが中国機との安全間隔を測り飛行しているように見える。

『YOUTUBE』の米空軍機の国籍不明機へのスクランブル映像を見ても、相手機の周囲を複数機で追尾。自衛隊機はその意味で国籍不明機への国際接近ルールを遵守している。

中国軍機の前方横断等、危険極まりない操縦法とは訳が違う。小野寺防衛相は事実そのものを否定しており、別途、追ううちをかける事も無かろう。

今後、中国機の自衛隊機に対する危険なフライトを知らしめるため、一刻も早く、操縦室のビデオ装置設置や、英国防省の様に詳細な画像を躊躇無く対外公表する姿勢が求められる。

それでこそ、自衛隊の日常の行動が如何に真剣かを国民各層に知らせる手段となる。自衛隊諸兄、今後ともひるんだり、手を抜く事無く頑張ってほしい。