全日空、エアバスの次世代省エネ単通路機材でA320neoファミリー30機を確定発注。エアバス日本市場開拓で新たな弾みを期待。


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[(AIRBUS)全日空の単通路機材の主力となるエアバスA320neoファミリー]

2014年7月31日(JST.20:00)                         小河正義

全日空ホールディングス(伊東信一郎社長)とエアバスは7月31日、次世代省エネ単通路機、A320neoファミリー、30機の確定発注に調印した。スカイマークがA380型機、6機の全キャンセルに踏み切った直後で、今回の全日空のA320neo型30機の購入正式契約発表は日仏間の航空分野での緊張関係をほぐす絶妙の効果をもたらした。

全日空が確定発注契約したA320neoファミリーの機種別内訳は、A320neoが7機、A321neoが23機。2016年から引き渡しが始まる。現在国内線で使用中のB737-500、A320型機を向こう数年で機材近代化更新、新機種導入に当てる。伊藤信一郎社長は『新機種導入は事業計画策定で柔軟性が増し、同時に高騰する航空燃料負担を軽くする事に繋がる。国際、国内線分野で需給適合の機材を配置する』。一方、エアバスのファブリス・ブレジェ社長兼CEOは『『かねてから進めてきた日本市場でのビジネス・チャンス拡大につなげたい』と今後、エアバス製機材売り込みの”弾み”に繋がる期待を表明した。前日のスカイマーク・ショックから少なからず、気分が和らいだようだ。

A320neoファミリーは米P&W社が開発したPW1100G-JM次世代エンジンを搭載、燃費の更なる改善が最大のセールスポイント。『3,000機以上を受注。該当市場の6割を制した』(エアバス広報部)。同エンジンの製造には日本からIHI、川崎重工、三菱重工の3社がJAEC(に本航空エンジン協会)の仲介で参画。全体の23%を受け持つ。具体的にはファン、低圧圧縮機、燃焼器、低圧シャフト部分等。製造比率に応じ出資分担が決定済み。A320neo初号機はツールーズ工場からロールアウトを完了、外部塗装も終え、地上でのテストを待つばかり。2014年第3四半期に本格的飛行テストを開始。航空会社への引き渡し開始は、2015年第4四半期を予定している。

全日空の単通路機の機種選定は3月に、ボーイング次世代省エネ広胴型、B777-X導入決定と同時発表がなされた。