マレーシア航空撃墜事件で、大型国際調査団が初めて墜落現場入り。数人の遺体収容するも、80人近い犠牲者が未収容。


2014年8月1日(JST.23:30)                            John Bosnitch

乗客乗員298人が犠牲となったマレーシア航空、B777型機撃墜事件で原因究明等にあたる大規模国際調査団が8月1日、ようやく墜落現場に到達した。先遣隊が現地へのアクセス確保を含め事前の周到な準備作業の成果だ。一行は、墜落現場で遺体収容にあたり数体を収容したものの、80人に近い犠牲者の遺体が未収容のままだと言う。

国際調査団は搭乗乗客数が全体の6割以上を占めたオランダがリーダーを務めた。現地入りしたチームは『ICAO(国際民間航空機関)、EUROCONTROL(欧州高高度管制機関)、米NTSB(国家運輸安全委員会)、オランダ政府、マレーシア政府、自国民が乗客だった関係外国当局の民間航空局、ボーイング、ECAC(欧州航空安全庁)が主要メンバーで約80人。いずれもエキスパート』(現地情報)。これほどの規模の国際調査団が墜落現場に立ち入ったこれが初めてだ。

早速事故機の残骸調査、原因究明に繋がる証拠品の回収にくわえ、犠牲者の遺体捜索を同時並行で実施した。その結果、数人の遺体が収容されたが、なお80人相当の遺体が未発見、未収容のまま。

オランダ、豪州両政府は現地へ非武装の警官それぞれ40人を派遣、戦闘地域での調査団の安全確保を背後から支えたという。政府軍と親露派反政府組織との戦闘の隙間をとらえ、7月28日から小規模の先遣隊が現場へのアクセス確保の大役を果たした。

親露派反政府組織が回収、マレーシアのナジーブ首相の仲介でICAOへ引き渡されたブラックボックス”のうちFDR(飛行記録計)は英国航空事故調査委員会(UK AAIB)に解読が委ねられた。ウクライナ政府は、暫定の解読作業で、地対空ミサイルがマレーシア航空機の近傍で炸裂。無数の破片が機体に多数の貫通孔をしょうじさせ、爆発的急減圧でそのまま墜落したとの情報を流した。しかし、オランダ政府等はそうした事実を確認していないと、情報の無許可流出に厳しく警告した。

ロシアの航空事故調査を統括する政府機関、MAKも代表を派遣し国際調査団を支援する態勢だと言う。墜落現場になんとか、国際調査団が到達、原因の本格調査に着手した意義は大だ。