演習終了の中国艦艇、鹿児島県屋久島と奄美大島間を通過、東シナ海へ向かう


2015-03-06 松尾芳郎

 

防衛省統合幕僚監部3月2日発表によれば、去る2月13日(金)沖縄本島と宮古島海域を東進し太平洋に進出した中国艦艇は、射撃訓練を修了して、今度は鹿児島県屋久島と同奄美大島間の海峡を通り東シナ海方面に帰投した。

3月2日午前6時頃、海上自衛隊第12護衛隊呉基地所属の護衛艦「せんだい」と第1航空群鹿屋基地所属の「P-3C」哨戒機が確認した。これ等中国艦艇はソブレメンヌイII級ミサイル駆逐艦1隻とジャンカイ級フリゲート1隻である。

次ページに掲載の海自哨戒機が撮影した写真は、前回2月13日正午頃撮影の写真よりかなり鮮明に写っている。

中国艦艇を発見した護衛艦「せんだい」は、旧帝国海軍軽巡洋艦「川内」の名を次いだ2代目で、基準排水量2,000㌧「あぶくま」型の4番艦、1991年に就役した。発見した中国艦艇に比べ遥かに小型の艦である。

護衛艦せんだい

図:海上自衛隊)護衛艦「せんだい」艦番号232は満載排水量2,500㌧の昭和62年度計画の乙型護衛艦の一隻。最大速力27ノット、兵装は艦首から76mm単装速射砲、中央に74式アスロック対潜ロケット8連装発射機、後部にハープーン対艦ミサイル4連装発射機2基(斜めに見える)、後部甲板上に20mm対空CIWS 1基、を装備する。

ソブレメンヌイ駆逐艦138

図:(統合幕僚監部)ソブレメンヌイ級II型は満載排水量8,000㌧の大型艦。ロシ製で2隻を保有。艦番号138「泰州」は2005年末就役。後甲板にヘリを搭載する。対空ミサイルは射程25kmのSA-N-7が2基。艦橋の両舷にマッハ3の対艦ミサイルSS-N-22 4連装(斜めに見える)を搭載しているのが特徴。東海艦隊に所属。

ジャンカイ級フリゲート

図:(統合幕僚監部) 「江凱II」型フリゲートの一隻、「徐州」艦番号530、2008年就役、満載排水量約4,000㌧。現在同型艦は20隻が就役中で北海、東海、南海、の各艦隊に配備されている。対空ミサイル短SAM HHQ-16 は米海軍と似た32セルのVLSに納められている。この他にYJ-83対艦ミサイル4連装発射機2基を備える。

射撃訓練中

図:(統合幕僚監部)西太平洋上で射撃訓練中の中国艦艇を我が護衛艦「せんだい」が望遠レンズで撮影したものと思われる。真中がソブレメンヌイII級「泰州」で、射撃に伴う煙を捉えた写真

 

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