ロシア空軍スーホイ24型攻撃機が本州日本海沿岸に接近


2015-04-04 松尾芳郎

 

防衛省統合幕僚監部の発表(2015-04-02)によれば、同日ロシア空軍スーホイ24 (Su-24)型攻撃機が本州日本海沿岸の我国防空識別圏に侵入したため、空自戦闘機が緊急発進し、領空侵犯を防いだ。Su-24はシベリア東部より飛来、日本海を本州に沿って南下、その後能登半島沖で反転して北北東に退去した。

Su-24型攻撃機の日本近傍への飛来は昨年10月 6日以来のことで、飛行経路も今回とほぼ同じである。

Su-24は後述のように対地、対艦攻撃能力の高い攻撃機であり、ロシアは近代化改修を終えた400機を配備中。複数機による同時攻撃を受けた場合に備え、防衛能力の向上が喫緊の課題だ。

露軍機航跡

図:(統合幕僚本部)4月2日のロシア空軍Su-24型攻撃機の飛行経路。

SU-24

図:(統合幕僚本部)空自戦闘機撮影のスーホイ24(Su-24)、NATOでは「フェンサー(Fencer)」と呼ぶ超音速攻撃機。可変後退翼、双発、乗員2名で、昨年10月6日にも本州北部沿岸に飛来した。

1973年から1993年までに1,400機が作られ、現在はロシア空軍と同海軍で約400機を運用中。これ等Su-24は、新型の対地対艦攻撃用ミサイルKh-29の発射を可能とする近代化改修を実施済みである。全長22.5m、展張時の翼幅17.6m、最大離陸重量43.8㌧の大型機。エンジンはSaturn AL-21F-3A推力75kN (16,900lbs) を2基。最大速度は高空でマッハ1.35、航続距離はフェリーの場合3,000km。兵装は、8ヶ所のハードポイントにKh-29を含む各種ミサイル、誘導爆弾など合計8㌧を携行できる。

Kh-29ミサイルは、重量約700kg、射程10-30km、320kgの炸薬を搭載、原発を含む発電所、物資集積所、橋梁などの攻撃用として製造が続いている。

 

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