ロシア太平洋艦隊、旗艦を含む艦艇が日本海から対馬海峡を南下


2015-11-07 (平成27年) 松尾芳郎

 

防衛省統合幕僚監部の発表(平成27-11-05)によれば、11月4日(水)午前10時半頃、ロシア太平洋艦隊所属の「スラバ」級ミサイル巡洋艦1隻、「ソブレメンヌイ」級ミサイル駆逐艦1隻、「ボリスチリキン」級補給艦1隻、「イングル」級救難曳船1隻、の合計4隻が、日本海から南下東シナ海に入った。同艦隊は、上対馬の北東75 kmの海域を南西に進み、対馬海峡を抜け南へ航行した。発見したのは海上自衛隊鹿屋基地第1航空群所属のP-3C哨戒機と佐世保基地第3ミサイル艇隊所属の「おおたか」である。

ロシア艦隊は、太平洋艦隊旗艦の「スラバ」級ミサイル巡洋艦「バリヤーク」艦番号011を中心とし、補給艦まで伴っている。今後東シナ海あるいは南シナ海に進出し、中国海軍を支援しながら、日本やアメリカ海軍に威圧を加える行動に出るのかも知れない。

以下に今回海自P-3C哨戒機が撮影したとされる写真を掲載する。いずれも低速で航行している様子がうかがえる。

スラバ011

図1:(統合幕僚監部)艦番号011は1989年就役の「バリヤーク」と呼ばれロシア海軍太平洋艦隊旗艦で、2008年にオーバーホールを完了。満載排水量11,300㌧、強力な防空力と打撃力で空母機動部隊攻撃を主任務とする。3隻が現役配備中。両舷4個の筒は、射程距離700km、速度マッハ2の「P-1000ブルカーン」対艦ミサイル発射機、各機に2基ずつ、合計16基を搭載している。昨年10月2日、に続き今年7月10日、にも宗谷海峡を通過している。また昨年10月から12月11日に掛けて対馬海峡を往復している。

 

ソブレメンヌイ715

図2:(統合幕僚監部)満載排水量8,000㌧、17隻竣工したが現役は9隻、ほかに4隻を建造、中国海軍に売却「杭州」級として運用中。対空、対艦戦闘に主眼を置いた艦で、24連装対空ミサイル1基と両舷に4連装対艦ミサイルKT-190を装備する。昨年10月2日、今年7月10日にも「バリヤーク」と行動を共にしている。

ボリスチリキン

図3;(統合幕僚監部)ボリスチリキン級補給艦、昨年10月から12月11日に掛けて旗艦「バリヤーク」と行動している。

イングル曳船 

図4:(統合幕僚監部)

 

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