ロシア海軍艦艇3隻が宗谷海峡を通過、日本海に入る


2015-11-20(平成27年) 松尾芳郎

 

防衛省統合幕僚監部の発表(27-11-16)によれば、ロシア海軍の ウダロイI級ミサイル駆逐艦1隻、オスカーII級巡航ミサイル原子力潜水艦1隻、およびアムガ級ミサイル補給艦1隻の計3隻が、相次いで宗谷岬北東65 kmの海域を西進、日本海に入ったことを確認した。11月16日(月)午前5時頃、海上自衛隊八戸基地第2航空群所属のP-3C哨戒機および函館基地第45掃海隊所属の掃海艇「ゆげしま」が発見した。その後3隻はそのまま西に向かい日本海に入った。

以下にP-3C哨戒機が撮影した「ウダロイI級ミサイル駆逐艦」と「オスカーII級巡航ミサイル言志録潜水艦」の写真を添付する。

11-16ウダロイ級駆逐艦

図1:(統合幕僚監部)ウダロイ(Udaloy)級駆逐艦は、1155大型対潜艦とも呼ばれ、対潜、対空を主任務とする汎用艦で、ソブレメンヌイ級駆逐艦の後継の新型艦である。満載排水量8,500トン、最大速力約30 kt、AK-100 100 mm単装砲2門、対空機関砲30 mm CIWS 4基、対空ミサイルSA-N-9 8連装VLS 型8基、対潜ロケット12連装発射機2基などを装備する。太平洋艦隊には4隻が配備中。日米海軍のイージス艦に近い性能を持つ。本艦(艦番号543)は、去る7月11日に宗谷海峡を通過したロシア艦隊の一隻であった。

 11-16オスカー潜水艦

図2:(統合幕僚監部)オスカーII(Oscar II)巡航ミサイル原潜はProject 949Aとも呼ばれ、水中排水量19,400トン、全長155 mの巨大潜水艦。2基の原子炉、10万馬力の蒸気タービン2基を備え、最大水中速度32ノット、24基のP-700 Granit巡航ミサイルを搭載する。949A型原潜は4隻が北洋艦隊に、5隻が太平洋艦隊にそれぞれ配属されている。搭載するP-700巡航ミサイルは、ラムジェット推進で重量7トン、長さ10 m、炸薬750 kgまたは500 ktの核弾頭を搭載して、速度はマッハ1.6/低空または2.5/高空飛行時、射程は600 kmの性能。

11-16オスカー艦橋部分 

図3:(統合幕僚監部)オスカーII(Oscar II)巡航ミサイル原潜の艦橋部分。

−以上−