令和4年11月、我国周辺における中露両軍、北朝鮮軍の活動と、我国および同盟諸国の動きに関し、各所から多くの発表があった。注目すべきニュースは次の通り。
1. 北朝鮮「火星17」ICBM発射、日本EEZ内に着弾、米本土が射程内の可能性
2. イージス艦「まや」および「はぐろ」、「SM-3 Block IIA」ミサイル発射試験に成功
3. 日米共同統合演習「キーン・ソード23(Keen Sword 23)」が終了
4. 中国海軍艦艇、対馬海峡を通過日本海へ航行
5. 中国およびロシアの戦略爆撃機編隊が日本海・東シナ海経由太平洋に進出し往復
6. 令和4年度国際観艦式実施と多国間共同演習(マラバール/Malabar 2022を含む)の実施
7. 中国海警局所属の76 mm砲搭載艦、尖閣諸島領海に侵入
8. 米国防総省「中国の軍事・安全保障に関する報告」発表、2027年までに台湾占領か
9. 日本、米政府とトマホーク巡航ミサイル500発の購入を協議
(Military threats of Russo-Chinese Forces and North Korea against Japan are active. Following nine were main issues in November.
1. North Korea launched Hwasong-17 ICBM on Nov. 18 to Japan’s EEZ off the coast of Hokkaido,
2. Japan’s latest guided missile destroyer Maya and Haguro launched successfully the next generation ICBM interceptor “SM-3 Block IIA”
3. Japan, Australia, Canada, and U.S. Naval Forces conducted military exercise Keen Sword 23(KS23) in Japan’s surrounding territorial and international waters.
4. Chinese naval vessels pass through Tsushima strait to Sea of Japan.
5. Chinese and Russian strategic bombers flew surroundings Japanese Islands to Pacific water, go back and forth.
6. International Fleet Week 2022, hosted by JMSDF, Oct 29 thru Nov 13, finished, following with multinational naval exercise Malabar 2022.
7. A Chinese Coast Guard vessel arming 5 inch gun, penetrates Japan’s territorial water off Senkaku islands.
8. The 2022 China Military Power Report published Nov 22 by U.S. DoD, says; could field 1,500 nuclear warheads by 2035, intensified military pressure against Taiwan and could seize by 2027.
9. Japan is to buy 500 U.S. Tomahawk cruise missiles, Japan’s Kishida and U.S. Biden discussed on Nov. 13 on Cambodia Meeting.)
「新型コロナ」が共存するとき
米英・NATO各國、ウクライナ支援を増強
米国防総省は11月23日に、ウクライナが緊急に必要とする装備、合計4億ドルの追加援助を決定した。これはバイデン政権が発足した2021年8月以降、26回目のウクライナ支援となる。英国政府は11月23日の発表で、就任間もないスナク首相がキーウを訪問、5,000万ポンドの追加援助を申し出た。
(On November 23, the U.S. Department of Defense announces the authorization of a Presidential Drawdown of security assistance valued at up to $400 million to meet Ukraine’s critical needs. This authorization is the Biden Administration’s twenty-sixth drawdown of equipment form DOD inventories for Ukraine since August 2021. U.K. announced additional military aid after new Prime Minister Rishi Sunak visited Kyiv at a few days ago, where announced 50 million Pound package aid.)
“反撃力のシンボル” BGM-109トマホーク巡航ミサイル
令和4年10月、我国周辺における中露両軍・北朝鮮の活動と我国/同盟諸国の対応
令和4年10月、我国周辺における中露両軍、北朝鮮の活動と、我国および同盟諸国の動きに関し、公的部門等から多くの発表があった。注目すべきニュースは次の通り。
1. 10月4日、6日、9日、12日、14日、28日、北朝鮮は弾道ミサイル、巡航ミサイルを発射
2. 10月4日、空自と米海兵隊航空軍は東シナ海で合同演習を実施
3. 10月6日、海自、米海軍、韓国海軍が日本海で共同訓練を実施
4. 10月12日、海自、リチウムイオン電池型潜水艦「じんげい」の命名式・進水式を挙行
5. 2022年度上半期の緊急発進実施状況
6. 10月11日、オーストラリア、カナダ、日本、米国4ヶ国海軍は南シナ海で合同演習「ノーブル・ミスト22」を実施
7. 10月18日、11~18日の間、スールー海で実施したフィリピン、米国、オーストラリア、フランス、日本、各國海軍の合同演習「サマ・サマ・ルンバス2022」が完了
8. 10月21日発表、令和4年度日米共同統合実動演習(Keen Sword 23)を11月中旬に実施
9. 10月27日発表、令和4年度国際観艦式を11月6日に実施
10. その他「SM6 Block 1の日本への売却決定」、「日本政府、トマホーク・ミサイル導入を検討」
存在感のない野党、安心して乱れる自民党
本稿は鳥居徹夫氏の寄稿である。政府は物価高やエネルギー対策など総合経済対策と補正予算案を決定し、国会に提出し年末の出に成立を目指す。
総合経済対策の予算規模を抑制したい財務省と、積極財政出動を求める自民党議員との間でバトルが繰り広げられた。
また来年度の防衛費をめぐっても、港湾整備費なども防衛費に含め水増ししたい財務省と、台湾有事や防衛力強化を目指す自民党議員とが火花を散らしている。来年度の当初予算の編成も大詰めを迎え、年末には「防衛3文書」が改訂される。
岸田首相は、ただでさえメディアに流され、世論調査に一喜一憂している。しかも官邸はリーダーシップを発揮せず、成り行き任せである。いま政府と与党が「安心して」乱れている。それは野党がだらしなく存在感がないからである。