英グラスゴー上空でUFOが旅客機と異常接近


−高度差僅か130mですれ違う、英当局『ニアミス報告』で公表—

作成: 2013-07-15 小河正義

本稿作成には”huffington Post 2013/05/01, Daily Mail 2013/05/01, BBC News 2013/05/01, Ghost Theory July 13, 2013などの記事を参照した。

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図:着陸灯を点灯し飛行中のA320の例、報告書ではUFOとのニアミスを通報した機の所属は明らかにしていない。

英国民間航空局の関係機関、”ニアミスの事実検証と原因究明および再発防止策を建議する組織”である「英国ニアミス調査委員会(UK Airpox Board)」は、昨年(2012)12月2日に起こったニアミスに付いて報告書を発表した。その内容はこうである。

パイロットが管制塔に「たった今自分の真下400 フィート(130m)を何かが通過した」と通報した。しかし管制官が調べても、また、それ以降詳細な調査を行っても、事件発生時に付近を飛行する物体は何も発見できなかった。

パイロット(2名)が乗務していたのはエアバスA320で乗客200名(180名との報道もある?)が搭乗、英国北部のグラスゴー(Glasgow, Scotland)空港に向け着陸のため最終進入に入るところだった。

同機は、晴天のゴラスゴー市ベイリストン(Baillieston)地区上空を高度4,000フィート(1,300m)で着陸灯を付けて飛行していた。パイロットの話では、UFOはかなりの高速で飛行していて黄色か青色(銀色との記述もある)で気球よりも大きく見えた、と云う。

しかし管制官等によると、当時レーダーには何も写っておらず、何であるか全く判らない、とのこと。ただ、プレストウイック(Prestwick)に設置してあるレーダーには、この通報の28秒前に同機の東1.3マイル(約2km)に正体不明の物体が飛んでいる痕跡があったが、この物体を確定する手掛かりにはならなかった。

無事に着陸したパイロットは、着陸後すぐに報告書で「衝突の危険性はかなり高かった」と云い、次ぎのように語っている:

「正体不明の物体は正面から近ずき、回避操作をする間もなく真下200フィート(70m)をすれ違ったように見えた。通報するまでほんの10秒ほどの間のことだった。」

「ニアミス委員会」は次ぎのように結論付けている:

「入手可能なあらゆるデータを調査したが、A320のパイロットが証言するような飛行物体の痕跡を見付けることはできなかった。さらに同空域で他の航空活動が行われていたと云う情報もなかった。」

「ニアミス委員会」が明らかにした関連する「パイロット–管制官の会話記録」は次ぎの通り:–

A320:『我々のすぐ下を何かが通過した、至近距離だ。[時刻は12時55分30秒]TCAS(空中衝突回避警報装置)の事前の警報はなかった。そちらで付近のトラフィック情報を把握していたか?』

グラスゴー管制塔:『エー、何もない。レーダーには何も写っていないし、他の航空機との交信もしてない。』

A320:『エー、はっきりしないが相手はかなり大きかった。[時刻は12時55分40秒]色は青と黄色だった。』

グラスゴー管制塔:『了解。すれ違った際のおよその高度は?』

A320:『[時刻は12時55分50秒]我々は相手の400~500フィート(130~160m)上だったと思う、だから相手の高度は3,500フィート(1,150m)位だ。』

「英国ニアミス調査委員会(UK Airprox Board)」では、この報告書の中で”当該未確認物体(UFO)はヘリコプタ−でも固定翼機でも気球でもない“と述べている。そして、グライダーだったかも知れないが、当日のように寒くて熱上昇気流が発生しない日にグライダーが飛ぶことは先ず考えられない”と云っている。

「同委員会」の結論は“原因を突き止めるに充分な情報を持ち合わせていない”。

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図:(英国ニアミス調査委員会(UK Airprox Board)/Ghost Theory)「調査委員会」が公表したA320パイロット証言の飛行経路。「グラスゴー空港の東方約11nm(20km)付近の上空4,000フィート(1,300m)『図ではA400と表示』、時刻は12時56分『図ではCPA1256と表示』に、A320がUFOと遭遇」の経路を示している。

−以上−