露・国内線B737機事故で航空安全監察当局、緊急監査(その5)


2013-11-22    ジョン・ボスニッチ(ベオグラード)

乗客乗員50人が死亡した露国内線B737型機事故で、ロシア航空安全監察当局は22日までに事故の当事者、タタールスタン航空に緊急安全監査を実施した。パイロットが着陸時に通常通り対応できなかった疑いが強く、社内の運航監督、乗員訓練体制のあり方等にメスが入ったとみられる。早ければ今週末までに問題点をあぶり出し、今後の運航継続の是非等厳しい、処分が予想される。

連邦政府、タタールスタン共和国航空事故調査委員会の調査で事故は最初の着陸がうまくいかず進入復航を実施。2回目の着陸操作中、機首部分を真下に地上へ激突したことがほぼ判明した。FDR(飛行記録計)の解読結果からだ。

更に、操縦室内がパニックに近い状態で進入復航に対応していたことも明らかになったという。中堅のパイロットだったが、事故直前まで実飛行での進入復航経験が皆無だった。

このため、着陸をやり直す際、急な機首上げと慌て機首下げの操作等、標準からの逸脱や、自動操縦装置の解除措置等がみられたという。パイロットが恐怖に襲われていた状況もうかがわれるという。

IATA(国際運送協会)の調べで2011年のロシア・CIS域内の飛行安全性は世界で、最低クラス。運航、整備、地上の支援体制等早急な改善が求められる。

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