米GE製エンジン搭載のB787型機等に耐空性改善命令発出へ


2013-11-27            マーク・デブリン(米フロリダ州マイアミ)

積乱雲に接近飛行時発生するB787型機など米GE製エンジン異常振動問題で、FAA(米連邦航空局)は近く耐空性改善命令(AD)を発出する。有力メディアが11月27日迄に相次いで報じた。機体メーカーのボーイングは日航等、同種エンジンを使用中の航空会社へ事前に積乱雲回避の指示を連絡した。

『USAツディ』等によると積乱雲に接近しすぎるとエンジンの異常振動が発生するのは米GE社が開発製造中のGEnxエンジン。ボーイング787型機と最新ジャンボ機シリーズ、B747-8型機に搭載されている。

FAAの調査では2013年に入り積乱雲に接近飛行した際、エンジンに異常振動が発生。9件のトラブル(ボーイング、GEは6件と発表)発生が報告されている。推力の喪失はなかったが、急遽飛行ルート変更を余儀なくされる事態に追い込まれたといわれる。

積乱雲に接近して飛行する際に氷塊(icy crystal)がエンジンに吸い込まれエンジン内部部品、コンプレッサーブレード、を損傷する恐れが指摘されている。

日本航空のB787型機のエンジンはすべてGEnXで、B787型機を使用中か使用予定のニューデリー、シンガポール、シドニーの各路線ですべて他機種へ変更済み。そしてボーイング、GEに対し早急に恒久対策を採るよう要請したという。全日空は英ロールス・ロイス製TRENTエンジンで今回のトラブルとは無関係だ。

FAAの耐空性改善命令は積乱雲を発見した際、最低50海里の安全間隔を確保するよう指示すると見られる。ボーイングは同内容の勧告を関連航空会社へ通告済み。

新型エンジンの安全性を担保するため、FAAは厳しい気象条件下でのエンジンの作動状況を徹底検査するよう義務づけている。アイシング等の状況を人工的に発生させ、これに耐えられねばエンジンは商業運航の用に供せない。

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