プーチン大統領、ロシア軍に有事即応態勢点検を命令


2014年2月6日      ジョン・ボスニッチ(ベオグラード)

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[(MoD,RF)セルゲイ・ショイグ国防相]

ロシア、ウクライナ国境周辺で緊張が高まっている。プーチン大統領が西部から中央部地域で、露軍に対し有事即応態勢を点検・演習するよう緊急命令を発出した事が判った。露の有力対外発進メディア『ロシア・ツディ(RT)』が2月26日午後零時35分(現地時間)報じた。

それによるとセルゲイ・ショイグ国防相は有事即応態勢チェック・演習の対象は地上部隊、空軍、空挺部隊、宇宙防衛軍に及ぶと示唆した。

有事即応態勢の緊急点検は2月26日午後2時(グリニッチ標準時)~3月3日迄を予定している。点検・演習は二段階に分かれ、 後半では北方艦隊、バルチック艦隊の参加、爆撃訓練も予定している。露軍の大半が動員される事になる。プーチン大統領はこの種の演習を20年ぶりに復活、昨年2月抜き打ち実施した。

今回はウクライナ情勢の急展開と密接な関係にあると西側軍事アナリストは分析する。事態の想定ではテロリストの脅威、安全保障体制への揺さぶりが上げられる。ロシア西部から中央部にかけての大規模演習で動員される軍の規模は兵員16万人以上、戦車、装甲車1,000両、航空機130機、幹線70機を超える可能性がある。

ウクライナの東部から南部にかけて居住するロシア系住民の安全確保、旧ソ連時代割譲したクリミア半島のセバストポリ軍港の権益確保で露軍が国境を越えて行動を起こすか否かは情勢の展開いかんだろう。