令和2年12月、我国周辺における中露両軍の活動と我国の対応


2020-12-31(令和2年) 松尾芳郎

 

令和2年12月、我国周辺における中露両軍の活動と、それに対する我国防衛省および同盟諸国軍の動きに関し、それぞれの公的部門から多くの発表があった。以下のその項目と内容を紹介する。一時期に比べると中露両軍の動きは静穏化しているが、両軍の連携は緊密化が進み、また尖閣諸島近辺での中国海警局艦艇の動きは活発に続いている。

(December 2020, the military threats in  Indo-Pacific region brought by Russo-Chinese forces were reported very busy. In particular, Russian air force joins the Chinese counterpart  for multinational exercise. Japan and its allied forces have executed counter measure in practical manners.)

 

防衛省

 

12月14日公表  日中防衛相テレビ会談について

 

12月18日公表  次期戦闘機(F-X)のインテグレーション支援に関わる情報集の結果および次期戦闘機の開発に関わる国際協力の方向性について

 

NASA/JAXA

 

11月28日公表  内閣衛星情報センターが所管する軍民両用の「光衛星間通信システム(LUCAS)の打上げに成功

 

統合幕僚監部

 

12月22日公表  ロシア艦艇の動向について

 

12月22日公表  中国機およびロシア機の東シナ海および日本海における飛行について

 

12月24日公表  中国海軍艦艇の動向について

 

12月28日公表  ロシア海軍艦艇の動向について

 

海上幕僚監部

 

12月18日公表  日米仏共同訓練について

 

航空幕僚監部

 

12月09日公表  米軍との共同訓練の実施について

 

12月17日公表  米軍との共同訓練の実施について

 

米第7艦隊ニュース

 

12月17日公表  米海軍ミサイル駆逐艦「John S. McCain /DDG 56」はフランス、日本海軍と共同訓練を実施

 

12月18日公表  米海軍ミサイル駆逐艦「Mustin/DDG 89」は台湾海峡を通過

 

12月22日公表  米海軍ミサイル駆逐艦「John S. McCain/DDG 56」は南シナ海で「航行の自由作戦」を実施

 

ロシア海軍情報管理局ニュース

 

12月29日公表  太平洋艦隊戦闘艦支隊はウラジオストクへ戻った

 

中国軍ニュース(China Military online)

 

12月14日公表  中国国防相、日本防衛大臣とTV会談

 

12月15日公表  中国国産空母「山東」、3度目の航海は対潜演習を含む

 

12月22日公表  中国海軍は南シナ海で不法侵入の米艦を追い出す

 

12月23日公表 中国・ロシア両空軍はアジア太平洋空域で共同で戦略訓練を実施

 

以下に各項目の詳細を紹介する。

 

  1. 防衛省

 

12月14日公表  日中防衛相テレビ会談について

12月14日午後5時から1時間半、岸信夫防衛大臣は中国魏鳳和国防大臣とテレビ会談を行った。岸大臣は、我国固有の領土である尖閣諸島周辺海域で、中国軍や中国海警局艦艇による力を背景とした現状変更の試みに対し、自制を求めた。また南シナ海情勢について懸念を表明、国際法の順守を求めた。

中国軍ニュースでは、魏鳳和国防大臣は、尖閣諸島は中国領土であり海上権益を守るのは当然の活動だ、と主張した上で、両国が問題を平和的に解決したい、と述べた。また南シナ海については、中国の主権が及ぶ海域であり、朝鮮半島と同じく現状を変える意思はない、と述べた。

12-14 中国国防相

図1:(China Military online)12月14日、日本・中国の国防相会談に臨む中国側魏鳳和国防大臣。尖閣諸島は中国の領土、南シナ海は中国の施政権下と繰り返した。

 

12月18日公表  次期戦闘機(F-X)のインテグレーション支援に関わる情報集の結果および次期戦闘機の開発に関わる国際協力の方向性について

次期戦闘機[ F-X ]の開発に際し、米企業ロッキード・マーチンを、①ミッション・システム・インテグレーション、②運動性能とステルス性の両立、③コンピューター・シミュレーションを使う設計作業、の3つの技術分野で支援を受ける企業として選定した。これから[ F-X ]開発担当の三菱重工とロッキード・マーチンと契約締結の作業に入る。

[ F-X ]は我国主導で開発に取り組むが、開発経費やリスク低減のため、搭載エンジン、アビオニクス等についても英米企業と協議を行い、協力の可能性を探る。

 

  1. NASA/JAXA

 

11月28/29日公表  内閣衛星情報センター所管の軍民両用衛星「光衛星間通信システム(LUCAS)」の打上げに成功

米国「Defense Industry Daily Nov. 30」、[NASA Nov. 28]、および我国「JAXA 11月30日」は相次いで我国が新型の「光衛星間通信システム (LUCAS=Laser Utilizing Communication System)」の打上げに成功したと報じた。所管官庁である内閣衛星情報センターからの発表はない。

[ LUCAS ]は、高度36,000 kmの静止軌道に打上げられ、高度1,000 kmの低軌道上の偵察衛星衛星と長時間高速通信が可能となる。これで偵察衛星の視野範囲が4倍以上に拡大され、アフリカの東半分・中国とロシアの全域・オーストラリアの全域の状況を監視できる。

11-30 LUCAS

図2:(NASA) 11月29日(日)午後4時25分(日本時間)、H-IIAロケット43号は、日本の偵察衛星および地球観測衛星の活動を支援する最高機密の通信衛星「光衛星間通信システム(LUCAS)」の打上げに成功した。

 

  1. 統合幕僚監部

 

12月22日公表  ロシア艦艇の動向について

12月22日(火)午前3時ロシア海軍ウダロイI級駆逐艦1隻が宗谷岬北東60 kmをオホーツク海から日本海に向けて西進するのを発見。発見・追尾したのは海自第2航空群八戸基地の[P-3C]哨戒機と大湊第15護衛隊所属の「ちくま」である。

12-22 ウダロイ564

図3:(海上幕僚監部)11月22日宗谷海峡を西に航行した「ウダロイI級」駆逐艦(564)「アドミラル・トリプツ」。ウダロイ級駆逐艦は、満載排水量7,500 ton、全長163 m、速度35 kt、強力なソナー、長射程の対潜ミサイル、ヘリコプター2機、SA-N-9型個艦防空ミサイルを装備。1980-1991年に作られ8隻が就役中で太平洋艦隊には内4隻を配備。イージス艦に近い性能を持つ。

 

12月22日公表  中国機およびロシア機の東シナ海および日本海における飛行について

12月22日(火)中国空軍[ H-6K ]爆撃機4機とロシア空軍[ Tu-95 ]爆撃機2機が、日本海竹島付近から対馬海峡南側、それに東シナ海から宮古海峡を往復する空域で共同偵察・示威飛行を行った。航空自衛隊では、西武航空方面隊および南西航空方面隊から戦闘機を発進、領空侵犯を防いだ。

本件について「中国軍ニュース(China Military online)」は「中国・ロシア両空軍はアジア太平洋空域で共同で戦略訓練を実施」と題して次のように報じている。

12月22日(火)、中露両空軍はアジア・太平洋空域で、2019年に続き2回目となる戦略パトロール飛行を実施した。

中国からは4機の[ H-6K ]爆撃機、ロシアからは2機の[ Tu-95 ]爆撃機参加して日本海から東シナ海空域で編隊を組みパトロール飛行を行った。飛行中は国際法に則り他国領空への侵犯は行わなかった。両国が2度にわたってこの空域をパトロールするのは、両国がこの地域の安定を重視していることの証拠である。

ロシアにとって長時間の洋上飛行は普通のことだが、これまで中国機は繰り返し行うことはなかった。しかし、中国機の練度が向上し今ではロシア機と同じ水準に達している。これからは給油機/タンカーの整備も進み、爆撃機のさらなる長時間飛行も可能になるだろう。

11-22

図4:(統合幕僚監部)12月22日(火)中国空軍[ H-6K ]爆撃機4機とロシア空軍爆撃機[ Tu-95 ] 2機による共同偵察・示威飛行の経路。

H-6爆撃機

図5:(統合幕僚監部)中国空軍[ H-6K ]爆撃機(機番20213)。H-6はロシアTu-16バジャー爆撃機を西安航空機でライセンス生産した機体。改良が重ねられ現在のH-6K型となり巡航ミサイル搭載機として対地・対艦用巡航ミサイルCJ-10Kを6基搭載する。乗員3名、全長35m、翼幅34.4m、最大離陸重量76 ton。複合材使用率を高め、エンジンは国産WP-8型からロシア製のD-30KP-2型に換装、推力を30 %アップし、燃費は20 %向上した。[ H-6K ]は2007年1月に初飛行、2011年5月から配備。巡航速度790 km/hr、戦闘行動半径3,500 km、兵装搭載量は9 ton。搭載するCJ-10K巡航ミサイルは、車載型DH-10の系列で、長さ約7 m、重さ1,350 kg、弾頭炸薬300 kg、速度マッハ0.9、射程は280 kmもしくは2,000 kmと言われる。米国のトマホークに匹敵する。

Tu-95爆撃機

図6:(統合幕僚監部)ロシア空軍[ Tu-95 ]爆撃機。改良型Tu-95MS「戦略ミサイル輸送機」の名称で63機が配備中。軸馬力14,800 hpのクズネツオフNK-12MAターボプロップを4基、最大離陸重量185㌧、最高速度925 km/hr、航続距離は6,400 km。海軍用に対潜哨戒機Tu-142がある。[ Tu-95MS ]は、超音速対地攻撃用ラドガ(Raduga) Kh-15巡航ミサイル(射程300 km) 6発を胴体内のドラムランチャーに搭載。派生型のTu-95MS-16は、ラドガ(Raduga) Kh-55亜音速・射程2,500 kmの巡航ミサイルを胴体内に6発と翼下面に10発、計16発搭載できる。従ってTu-95は、我国防空識別圏( ADIZ)の外から容易に目標を巡航ミサイルで攻撃できる。

H-6Kその2

図7:(統合幕僚監部)中国空軍[ H-6K ]爆撃機(機番20118)

 

12月24日公表  中国海軍艦艇の動向について

12月21日(日)午前9時下対馬南西200 kmの海域を東シナ海から北東に日本海に向け進むジャンカイII級フリゲート1隻を発見した。発見・追尾したのは佐世保基地第3ミサイル艇隊所属の「おおたか」、下関分遣隊第43掃海隊所属の「とよしま」、および鹿屋基地第1航空群所属の「P-1」哨戒機である。その後同艦は日本海に進んだが、23日(水)には対馬海峡を南下、東シナ海に戻った。

12-24 ジャンカイII級

図8:(統合幕僚監部)12月21日から同24日にかけて中国海軍ジャンカイII級フリゲート(529)が対馬海峡を往復した。「ジャンカイII/江凱II」型は「054A」フリゲート、2008年に1番艦「舟山・529」(写真)/東海艦隊所属が就役。満載排水量4,500 ton、全長137 m、速力27 kt、HQ-16対空ミサイルを米国のMk 41 VLSに似た32セルVLSに収めている。対艦ミサイルは艦中央部にYJ-83型を4連装発射機2基に格納している。[045A]型フリゲートは外洋艦隊用で防空能力を強化。同型艦は30隻が就役済み。

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図8A:(日本周辺国の軍事兵器)「江凱II級」フリゲートの前甲板、「PJ-26型60口径76.2 mm単装砲」の後ろに対空ミサイル「HQ-16/HQ-16C用AJK 16型VLS (8セル))が4基装備されている。

 

12月28日公表  ロシア海軍艦艇の動向について

12月25日(金)午前9時、ロシア海軍スラバ級ミサイル巡洋艦(太平洋艦隊旗艦)、ウダロイI級駆逐艦1隻、ドウブナ級補給艦1隻、が太平洋から宮古海峡を通過東シナ海に入り、北上対馬海峡を北東に進み、日本海に入った。発見・追尾したのは、佐世保基地の第1海上補給隊所属「はまな」、第2掃海隊所属「ひらしま」および「たかしま」、および鹿屋基地第1航空群所属「P-1」、那覇基地第5航空群所属「P-3C」哨戒機である。

ロシア海軍情報管理局ニュース(2020-12-29)は、本件に関し次のように報じている。

ロケット巡洋艦「ワリヤーグ(011)」、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ(549)」中型給油艦「ペチェンガ」で構成する支隊は2ヶ月間にわたる遠洋航海を終えてウラジオストクに帰還した。支隊は11月1日に出航、インド洋上の島国スリランカ、インドネシアのジャカルタ、を訪問、両国との海軍協力を発展させた。帰港後、接岸埠頭で盛大な歓迎式典が行われた。

12-25 011

図8B:(統合幕僚監部)ロシア太平洋艦隊旗艦・スラバ級ミサイル巡洋艦「ワリヤーグ (011)」。1989年就役、2008年近代化改修を完了。満載排水量11,300㌧、強力な防空力と打撃力で空母機動部隊攻撃が主任務。同級は3隻が配備中。両舷4本ずつの筒には、射程700 km、速度マッハ2「P-1000ブルカーン(Vulkan)」対艦ミサイルを各筒に2基ずつ計16基を搭載。

12-25 548

図8C:(統合幕僚監部)大型対潜艦・ウダロイI級駆逐艦「アドミラル・バンテレーエフ (548)」。ウダロイ級駆逐艦は、満載排水量7,500 ton、全長163 m、速度35 kt、強力なソナー、長射程の対潜ミサイル、ヘリコプター2機、SA-N-9型個艦防空ミサイルを装備。1980-1991年に作られ8隻が就役中で太平洋艦隊には内4隻を配備。イージス艦に近い性能を持つ。

12-25 補給艦

図8D:(統合幕僚監部)中型給油船べチェンガ。ドウブナ級補給艦4隻の3番艦で1979年に完成、太平洋艦隊に編入。満載排水量11,500 ton、速力15 kt、燃料約4,000 tonなどを搭載する。

 

 

  1. 海上幕僚監部

 

12月18日公表  日米仏共同訓練について

12月15日〜同17日の間、海上自衛隊は沖ノ鳥島周辺で米海軍およびフランス海軍と戦技向上とれ円形強化のため共同訓練を実施した。参加したのは海自ヘリ空母「ひゅうが」、米海軍ミサイル駆逐艦「ジョン・S・マケイン」および対潜哨戒機「P-8A」、フランス海軍原子力潜水艦「エメロード」で、対潜水艦訓練を行なった。

12-18 日米仏訓練

図9:(海上幕僚監部)左から海自ヘリ空母「ひゅうが」、米ミサイル駆逐艦(イージス艦)「ジョンS.マケイン(DDG 56)」、先頭はフランス海軍原子力潜水艦「エメロード」。「マケイン」は第15駆逐艦隊(DESTRON 15 =Destroyer Squadron 15) に属し、第7艦隊の傘下にある。

 

「米第7艦隊ニュース」は、本件について次のように報じている。

アーレイバーク級ミサイル駆逐艦(イージス艦)[ジョンS.マケイン/ John S. McCain (DDG 56)]は、フィリピン海北方海域(沖ノ鳥島の南)で日仏両海軍と1週間ほど共同訓練を行なった。

フランス海軍からはリュビ(Rubis)級原子力潜水艦(SSN)「エメロード(Emeraude)」、日本からはひゅうが級ヘリ空母「ひゅうが」が参加した。訓練は3カ国海軍による対潜水艦戦闘に重点を置き、「自由で開かれたインド-太平洋」の安全確保を強化するために行われた。

フランス海軍「リュビ級」原潜は攻撃型原潜で、水中排水量2,700 ton、全長74 m、水中速力25 kt、533 mm魚雷発射管4門を備える。同型艦は6隻建造され、「エメロード」は4番艦[S604]で、1988年就役。海自の通常動力潜水艦「そうりゅう」型よりかなり小型である。

 

  1. 航空幕僚監部

 

12月09日公表  米軍との共同訓練の実施について

12月4日(金)、空自第2航空団(千歳基地)、第6航空団(小松基地)、第8航空団(築城基地)、第9航空団(那覇基地)所属の「F-2」,「F-15」戦闘機合計16機は米空軍「B-1」爆撃機と東シナ海および沖縄周辺空域で変態広報訓練を実施した。

12-09 B-1と f-15

図10:(航空幕僚監部)米空軍「B−1B」と編隊飛行をする空自「F-15戦闘機

 

12月17日公表  米軍との共同訓練の実施について

12月16日(水)空自第5航空団(新田原基地)、第7航空団(百里基地)、第9航空団(那覇基地)所属の「F-2」戦闘機4機と「F-15」戦闘機11機は米空軍「B-1」爆撃機2機と日本海、東シナ海および沖縄周辺の空域で共同訓練を行なった。訓練は編隊航法訓練と要撃戦闘訓練である。

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図11:(航空幕僚監部)米空軍「B-1B」と共同編隊飛行訓練および邀撃戦闘訓練を行う空自戦闘機。

 

  1. 米第7艦隊ニュース

 

12月17日公表  米海軍ミサイル駆逐艦「John S. McCain /DDG 56」はフランス、日本海軍と共同訓練を実施

「4. 海上幕僚監部12月18日公表・日米仏共同訓練について」に記述したのでこれを参照されたい。

 

12月18日公表  米海軍ミサイル駆逐艦「Mustin/DDG 89」は台湾海峡を通過

アーレイバーク級ミサイル駆逐艦(イージス艦)[マステイン(Mustin DDG 89)]は、12月19日(日本時間)に台湾海峡を通過して、米国は「自由で開かれたインド・太平洋」を守る決意を内外に示した。

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図12:(7th Fleet, MS 3rd Class Arthur Rosen) 12月19日台湾海峡を通過する米第7艦隊傘下のイージス艦「マステインDDG 89」(2003年就役)。「マステイン」は「フライトIIA」型で、前甲板には62口径5 inch単装砲1基とその後ろにMk. 41 VLS (32セル)を装備する。艦後方には同じVLS( 64セル)を装備する。

 

12月22日公表  米海軍ミサイル駆逐艦「John S. McCain/DDG 56」は南シナ海で「航行の自由作戦」を実施

12月22日、米海軍ミサイル駆逐艦「ジョンS.マケイン/John S. McCain (DDG 56)」は、南シナ海「スプラトリー諸島 (Spratly Islands)」で「航行の自由作戦 ( FONOP=freedom of navigation operation)」を実施した。

南シナ海では、中国により国際法が無視され、軍事力で多くの島嶼に拠点が設置され、占領される状態が続いている。米国は同盟諸国と共にこの地域を周辺諸国が平和裡に利用していた状況に戻すべく努力を払っている。今回の「航行の自由作戦」は日常行われている自由航行の一つに過ぎない。

これに対し中国は「12月22日付けで「中国海軍は南シナ海で不法侵入の米艦を追い出す」と題し「中国軍ニュース(China Military online)」で次のように報じた。

中国南方戦区司令部配下の艦隊は、中国が支配する南沙諸島/スプラトリー諸島海域に無許可で侵入した(trespass)米駆逐艦「ジョンS.マケイン」を発見、警告を発し追い出した(expelled)。これで中国軍は同海域での支配権を改めて実証した。

米艦は、中国の国産空母「山東」が台湾海峡を通過して南シナ海に入り、そこで演習を行なった直後に同海域に侵入したもの。

米艦による頻繁な挑発行動は今年に入り9回目、これは中国が支配する地域の平和と安全を脅かすもので、断じて許すことはできない。

20-12 南シナ海中国軍事拠点

図13:(産経新聞)米ミサイル駆逐艦「ジョンS.マケイン」が「航行の自由作戦」を実施した「スプラトリー諸島(南沙諸島)」、ここには中国が多数の軍事拠点を設置している。

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図14:(7th fleet MCS 2nd class Markus Castaneda)12月22日、米ミサイル駆逐艦ジョンS.マッケインDDG 56は南シナ海スプラトリー諸島海域で「航行の自由作戦」を行なった。「マッケイン」は「フライトI」型で1994年就役、こちらは前甲板に54口径5 inch単装砲1基を装備、その後ろにMk. 41 VLS (29セル)が見える。艦後方には同じVLS (61セル)を装備する。

 

  1. 中国軍ニュース(China Military online)

 

12月14日公表  中国国防相、日本防衛大臣とTV会談

本件は「防衛省12月14日公表 日中防衛相テレビ会談について」に述べたのでこれを参照のこと。

 

12月15日公表  中国国産の空母「山東」、3度目の航海は対潜演習を含む

現在、空母「山東(Shandong)」は海南島南端の「三亜(Sanya)」軍港に配備中。11月末に出航、揚子江の河口近海で演習、それから渤海湾で搭載戦闘機の離着艦訓練を実施して大連に帰港、そして12月に出航、台湾海峡を通過して母港「三亜」に入った。この間潜水艦のと訓練を行なった。。

空母山東

図15(NHK/China Military)中国初の国産空母「山東(艦番号17)」、満載排水量7万トン、全長315 m、飛行甲板の最大幅75.5 m、速力30 ktプラス、搭載機は、J-15戦闘機最大36機とヘリコプター若干。飛行甲板はスキージャンプ方式とアングルド・デッキ。大連造船所で建造され2019年末に就役の新造艦。

 18-03 南支那海地図のコピー

図16:(Google)南シナ海の全体図。

 

12月22日公表  中国海軍は南シナ海で不法侵入の米艦を追い出す

本件は「米第7艦隊ニュース12月22日公表 米海軍ミサイル駆逐艦「John S. McCain/DDG 56」は南シナ海で「航行の自由作戦」を実施」に記載済みなのでそれを参照のこと。

 

12月23日公表 中国・ロシア両空軍はアジア太平洋空域で共同で戦略訓練を実施

本件は「統合幕僚監部12月22日公表・中国機およびロシア機の東シナ海および日本海における飛行について」に記載済みなのでこれを参照のこと。

 

―以上―