カテゴリー: 航空と宇宙

電動小型旅客機の本格的就航は北欧から始まる

P-Volt 2

小型の電気動力で飛ぶ旅客機の計画が進んでいる。ノルウエーの企業だがスカンジナビア半島で最大のリージョナル航空「ウイデロー(Wideroe)」と、フィンランドの大手エアライン「フィンエア(Finnair)が計画している。「ウイデロー」はイタリアの小型機メーカー「テクナム航空機(Tecnam Aircraft)」が開発中の双発機[P-ボルト]を採用する。「フィンエア」はスエーデンに設立されたベンチャー企業「ハート・エアロスペース(Heart Aerospace)」が作る4発19人乗りの[ ES-19]を使う。両社とも2026年から就航する予定。(Small electric driven passenger aircraft projects are taking shape. Wideroe of Norway and Finnair of Finland are looking for remote short routes in their regions. Tecnam Aircraft of Italy will develop twin engine 9 passenger aircraft for Wideie, and start up Heart Aerospace in Sweden will provides four engine 19 passenger plane for Finnair. Both target 2026 service entry.)

令和2年度(2020)の緊急発進が減少、なぜ?

令和2年度緊急発進のコピー

防衛省統合幕僚監部は令和3年4月9日、「令和元年度の緊急発進実施状況について」として報道向け資料を発表した。周知の内容であるがここに整理して紹介する。
令和元年度の緊急発進回数は725回、前年度より222回減少した。内訳は対中国機が 63 %、他は対ロシア機であった。減少したのは中国機の飛行回数が減ったたためではなく、空自の対処方針が変わり、領空侵犯の恐れがある場合にのみ緊急発進をすることに改めたためとみられる。

令和3年3月、我国周辺における中露両軍の活動と我国/同盟国の対応(その1)

北線弾道ミサイル

令和3年3月、我国周辺における中露両軍、および北朝鮮の活動と、我国および同盟諸国の動きに関し、それぞれの公的部門から多くの発表があった。以下にその項目と内容を紹介する。今月の注目すべき事案は次の通り;―① 3月25日発表 北朝鮮による新型弾道ミサイルの発射 ② 3月19日発表 中国海軍055型レンハイ級ミサイル駆逐艦の出現  ③ 3月19日発表 米海兵隊EABO」ネットワークを通じ島嶼奪回訓練を実施  ④ 3月27日発表 ロシア海軍北方艦隊の原艦3隻が同時に北極の氷上に浮上  ⑤ 3月17日発表 中国海軍強襲揚陸艦「五指山」上陸用エアクッション艇で南シナ海で実戦演習

日本航空、コロナ対策で英国と米国の評価機関から最高評価を受賞

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日本航空は3月22日、同社の新型コロナ・ウイルス感染症対策が、英国および米国の航空会社評価機関から個別に世界一の評価を受けたと発表した。すなわち;―

英国の航空会社評価機関「SKYTRAX(スカイトラックス)」から「covid-19 Safety Rating」(コロナ対策に関わる安全度の比較)で、最高評価の5スターを獲得。
米国の非営利団体「APEX(エイペックス)」の監査「Health Safety Powered by Simpli Flying Audit」で、最高評価の「Diamond(ダイヤモンド)」を獲得。

ボーイング777エンジン大破3件は、いずれもファン・ブレードの疲労破壊が原因

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今年2月20日にユナイテッド航空ボーイング777-222型旅客機のプラット&ホイットニー製「PW4077」エンジンが大破したのは、ファンブレードに生じた疲労クラックが原因だった。これは同社機で2018年2月にホノルルで起きたケース、および日本航空の同型機で昨年12月4日に発生した大破に続く3件目である。(The February 20 inflight failure of a Pratt & Whitney PW4077 engine on a United 777-222 involving a cracked fan blade. This is the 3rdincident in past three years. following JAL’s on December 4, 2020 and United’s on February 13, 2018.

3月11日、ロシアTu-95MS戦略爆撃機を含む機9機、防空識別圏に侵入

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防衛省統合幕僚監部の3月11日発表によれば、ロシア空軍機9機が日本の防空識別圏(ADIZ)に侵入、航空自衛隊はF-15戦闘機を緊急発進させ領空侵犯を防ぐなどの対応をした。空自戦闘機が撮影したロシア機はA-50早期警戒監視機1機のみで、他の写真はない。これは同時期に飛行した2機のTu-95MS戦略爆撃機と、これを護衛するSu-35S戦闘機が3群に別れて飛行して空自機を牽制したため、撮影の機会を失したためと思われる。ロシア軍は、本件についてTu-95MS戦略爆撃機2機と護衛のSu-35S戦闘機が日本海と北西太平洋を飛行した、と報じた。また、途中で日本のF-15戦闘機が飛来した、と報じている。この日は東日本大震災発生から10年目、地震、津波による犠牲者2万人を追悼する行事が行われている最中に、プーチン大統領は空軍機9機を動員、我国を脅かす訓練を指令したと見られる。

スターシップ[SN 10]、高空飛行試験と着地に成功、しかし数分後に爆発炎上

発射

現地時間3月3日、スターシップ[SN 10]は、テキサス州キャメロン・カウンティ(Cameron County, Texas)のスペースX社基地から打上げられ、スターシップ原型機として3回目の高空飛行試験に成功した。しかし、着地後数分経過してから突然火炎に包まれ大破した。(On Wednesday, March 3rd, Starship SN 10 successfully completed SpaceX’s third high-altitude flight test of a Starship prototype from the launch site in Cameron County, Texas. The test was not enough, however, a few minutes later safely landing has made the craft was in fireball and destroyed.)

令和3年2月、中露両軍の我国周辺における活動と我国/同盟諸国の対応

ミスチーフ礁

令和3年2月、我が国周辺における中露両軍の活動と、我が国および同盟諸国の動きに関し、それぞれの公的部門等から発表があった。以下にその項目と内容を紹介する。中露両軍による我国防空識別圏(ADIZ)や領海侵犯事件はなかったが、中国軍傘下の海警局所属艦艇による尖閣諸島領海侵犯は連日のように続いている。今月の注目すべき事案は次の通り;―

① 2月26日発表 岸防衛大臣の記者会見・尖閣諸島防衛に関連した内容② 2月27日発表 令和2年度日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練/図上演習「レジリエント・シールド2021 (Resilient Shieled 2021/回復力の盾2021)」③ 2月4日発表 原子力潜水艦「オハイオ」、沖縄近海で海兵隊と共同演習

プラズマ・スラスターの実現で、宇宙飛行の時間が大幅に短縮

プラズマスラスター

米国の人気の科学フィクションTV番組「The Expanse (広大な宇宙)」で、太陽系の中を超高速で旅行するのに、光速の数分の一の超高速を出せる架空の推進装置「The Epstein Drive(エプスタイン・ドライブ)」を使うという話が出てくる。夢のような話で現実にはあり得ないが、プリンストン大学の最新の研究によると、理論的には「亜光速推進 (sublight propulsion)」、つまり光速の数分の一の超スピードを得る推進装置は将来実現し得る、と述べている。実現すればこれは「エプスタイン・ドライブ」ではなく、研究者の名前から「エブラヒミ・ドライブ (Ebrahimi Drive)」となるかも知れない。このエンジンは、太陽で起きている「コロナ質量放出 (CME=Coronal Mass Ejection)」の現象を「核融合炉 (Fusion Reactor)」を使って創り、推力を出そうと言うもの。(In The Expanse, spaceships use a fictional sublight propulsion “The Epstein Drive” to travel quickly through the Solar System at several fraction of light speed. We’re not nearly there yet, but we are getting closer with the announcement of a new theoretical sublight propulsion. It won’t be an Epstein drive, but it may come to be as the Ebrahimi Drive an engine inspired by fusion reactors and the power of Solar Coronal Mass Ejections.)