
8月27日〜9月1日の間モスクワ郊外のジューコフスキー(Zhukovsky)空軍基地で開かれた第11回のロシア航空ショウMAKS 2013のトピックスを紹介する。27日開会式当日はメドベジェーエフ(Medvedev)ロシア首相が出席、演説の後、各所の展示を視察、デモ飛行を観閲して、関係者を激励して回った。展示内容は期待を上回るものだったと云う。
中国を含む43ヶ国から1000の企業が集い、100機以上の地上展示が行われ、10以上のグループ100機による飛行演技が行なわれた。
以下はトピックス。

ボーイング社は9月12日、米空軍向け大型輸送機、C-17『グローブマスターⅢ』の最終号機を引き渡したと発表した。同型機の製造を担当した南カリフォルニア・ロングビーチ工場の生産ラインは海外からの受注残があり2014年迄、生産活動は継続する。同社はC-17型機の優れた短距離発着性能と60トンの戦略輸送能力にかなうライバル機が存在しないため、原油マネーで潤う中東市場等で改めてセールス攻勢をかける。米議会内には、日米同盟進化の具体的シンボルとして航空自衛隊へ20機程度の導入を打診する動きも出てきた。生産ラインの閉鎖となれば、4,000人の直接雇用が失われ、関連企業を含めると全米44州、3万人強の労働者が職場を失いかねない。ポストC-17問題は今後ワシントンでも政治問題化は必至だ。

Su-34や最新のT-50 PAK FAなどの戦闘機開発でロシア空軍を支えるスホーイ(Sukhoi)社は良く知られている。しかしその子会社スホーイ民間航空機(SCAC)が、2000年から100席クラスのリージョナル機を開発していることは、日本では余り話題にされていない。
スホーイ・スーパージェット100と呼ばれるこの機体は操縦系統にフライバイワイヤ(fly-by-wire)を採用し、欧米の技術を多く取入れ、西側への拡販を目指している。すでにロシア国内で数社に採用され、ラオスとインドネシアにも引渡しが始まっている。先月行なわれたメキシコのLCC(low cost carrier)インタージェット(intejet)社への2機の引渡しは、本格的な西側進出の始まりとして関係者の注目を集めている。