ボンバルデアの次世代狭胴機CSeriesが初飛行に成功


2013-09-26  松尾芳郎

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図:(Bombardier)ボンバルデアの次世代狭胴型旅客機CSries CS100型初号機の初飛行の様子。CS100は110席型、135席クラスのCS300型も同時開発中。

全長はCS100/35m、CS300/38.7mで異なるが、翼幅は共に35.1m、最大離陸重量はCS100/59㌧、CS300/65㌧である。

 

ボンバルデアCSeries CS100型機の初号機[C-FBCS]は、2013-09-16(月)ケベック州モントリオール郊外のミラベル空港を午前10時前に離陸、約2時間半後の正午過ぎに着陸、初飛行を無事に終了した。初飛行担当のチャールス・エリス(Charles Ellis)機長は「これ以上の初飛行は望めない。最新型のフライトデッキは快適で操縦の感覚も優れ予想通りだった」と語っている。

初飛行は、離陸後12,500ft(3,800m)まで上昇し最大速度230kt(426km/hr)で行なわれ、その間、離着陸を模してランデイングギアの出し入れ、フラップ操作など基本的な操縦を行い正常であることが確認された。初飛行を収録した次ぎの動画にあるように、3,000人を超える従業員、役員、顧客エアラインの人々、それに多数のサプライヤーの代表が、ミラベル空港に着陸したCS100を祝福した。

 

http://www.youtube.com/watch?v=y5SBzdG3upw&feature=share&list=UUPvyf8tiq_GhyqqJJ8XuBaA 

 

CSeries CS100はボンバルデアが5年の歳月を掛けて開発している110席クラスの次世代狭胴型機で、135席のCS300と同時開発中。いずれもエアバスA320やボーイング737の新型機と競合関係にある。確定受注はCS100が63機、CS300が114機、CSeries合計で177機、やや出足が止まっているが初飛行の成功で今後の受注に弾みがつくだろう。

今回のCS100の初飛行までには、高速走行試験、アイアンバードを使う各システム試験など3000時間以上のあらゆる地上テストを行ってきた。

CS100はP&W製[PW1500G]ギヤード・ファンを備え複合材を多用しており、燃費は20%向上し騒音レベルは75%低減できる見込みと云う。燃費と騒音に優れたPWギヤード・ファンは、次ぎの5種の次世代狭胴機に採用が決まっている。すなわちエアバスA320neo、エンブラエルE-Jets E2、イルクーツクMS-21、三菱MRJだが、その先頭を切ってボンバルデアCSeriesが初飛行を達成したと云うことだ。

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