F-16『ファイティング・ファルコン』完全無人機、初飛行に成功。米空軍、ボーイング共同開発


ー空中標的機に本格活用。QF-16型機として6機製造ー

2013-09-24   マーク・デブリン(米フロリダ州マイアミ)

qf-16-no-pilot

図:(USAF)チンダル(Tyndall)空軍基地から飛び立ったボーイングQF-16無人標的機。本機は近くハロマン空軍基地(Holloman AFB, New Mexico)に移され、そこで有人のF-22かF-16戦闘機の標的にされ撃墜される予定。

F-16『ファイティング・ファルコン』戦闘機が完全無人の初飛行に成功した。米空軍、ボーイング社が同時公表した。世界の空軍では、F-22『ラプター』、F-35『ライトニングⅡ』に代表される第5世代戦闘機に時々刻々、転換中で無人空中標的機にそれに見合う性能の機種が求められてきた。今回実用化したF-16型機を母体にした、QF-16型無人機は第一線の訓練ニーズに応えるとされ、向こう20年間使用する。

米軍の発表によるとQF-16型無人標的機の初の飛行実験は9月19日午後、フロリダ州のチンダル空軍基地で実施した。テストには無人標的機を扱う米空軍の第82空中標的飛行中隊とボーイング・軍用機部門が加わった。QF−16型機は米空軍の主力戦闘機として活躍中のF-16『ファイティング・ファルコン』超音速戦闘機を母体に無人飛行が可能な機種に改修した。

同型機の初飛行当日は地上に陣取るパイロットが無線で遠隔操縦。離陸から、着陸や超音速飛行を含む空中での様々なフライトを約1時間、難なく成し遂げた。『空中標的に使用する初の第4世代無人機の誕生だ』と第82空中標的飛行中隊長、ライアン・インマン中佐は満足げ。之迄この種のミッションに使用したF-4『ファントム』戦闘機が母体の『QF-4』型機から2年をかけ機種転換を図る。米空軍は退役するF-16型機を活用し、来年から合計6機のボーイング社で製造を予定している。

米空軍を先頭に世界各国はステルス、空中戦の運動性能に秀でた第5世代の機種へ転換を急いでいる。空中戦の様相は革命的な、転換時期にさしかかっていると言える。米空軍は無人の空中標的機が時代遅れぬならぬよう体制刷新を急いできた。無人空中標的機、QF-16型の実用化で米空軍の空中戦能力向上、ミサイルの性能評価など多方面での軍事技術進歩、発展に期待が寄せられる。

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