カテゴリー: 航空と宇宙

海上保安庁、 MQ-9B シー・ガーデイアン無人機の導入を検討

20-10-29 八戸共同

海上保安庁は2020年6月26日、海難救助、排他的経済水域(EEZ)および領海への侵犯監視、などに対処するため遠隔操縦無人機(RPA=Remotely Piloted Airplane)の導入を検討すると発表した。これに基づき海自八戸航空基地を拠点にして同年10月15日から11月10日の間、「MQ-9Bシー・ガーデイアン」の運用試験が行われた。「MQ-9Bシー・ガーデイアン」は、米空軍が配備する「MQ-9リーパー(Reaper)」多目的無人機を非武装化した派生型で、米国では国土安全保障省 の税関・国境警備局(CBP)が採用している。(Japan Coast Guard announced June 26, 2020, studying to obtain Remotely Piloted Airplane for search & rescue, reconnaissance, and surveillance purpose. According to the Agency, a General Atomics Aeronautical Systems MQ-9B Sea Guardian made demonstration flights for 25 days long periods in October thru November, 2020. MQ-9B Sea Guardian is a unarmed version of MQ-9A Reaper, deployed for US Air Force. The Customs and Border Protection, US DHS also operates MQ-9B Sea Guardians.)

スペースXスターシップ試作機SN15、着地に成功! ー有人月着陸へ一歩前進―

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2021年5月5日(水曜日)午後5時24分、スターシップ試作機SN15は高空飛行試験を終えてゆっくりと着地スポットに着陸した。これまでの試験でいずれも着地で失敗・爆発しているため、人々が固唾を呑んで見守る中での成功だった。これまでの4回の試験では、いずれも高度10 kmに上昇、ここで「ベリー・フロップ(bellyflop)」つまり”姿勢を垂直から水平に”する操作を行い、降下するのには成功したが、着地に失敗、爆発・炎上した。(On the afternoon of May 5th, 2021, at 05:24 PM local time, SpaceX made its fifth attempt at a high-altitude test flight and soft landing with a Starship prototype. Given the outcomes of the previous test, this event had many people on the edge of their seats. In all four attempts, the prototypes managed to reach their maximum altitude and pull off the bellyflop maneuver, but then exploded during landing (or shortly thereafter).)

スペースX、スターシップSN 15 高空試験/着陸に成功

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5月5日水曜日(現地時間)、スターシップSN15(15号機)は、スペースXの宇宙基地から5回目となる高度10 kmの高空飛行に挑戦、安全な着地を含め完全な成功を収めた。(On Wednesday, May 5. 2021, Starship prototype SN15 successfully completed SpaceX’s fifth high-altitude flight test with first safe return to a landing spot on Starport in Texas.)

水素エネルギー推進航空機開発の歴史と現状

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本稿は小林哲也氏の寄稿です。 脱炭素社会を目指す世界的な動きの中で、国際民間航空機構(ICAO)は2010年にカーボン・ニュートラル・グロース2020(CNG2020)を発表し、その中で二酸化炭素(CO2)削減目標として、2050年までに、燃料効率を毎年2%改善し、2020年以降、国際航空からのCO2排出を増さないことを掲げた。目標達成には航空機の電動化が必要で、大容量リチウム・イオン・バッテリーの開発が行われている。しかし、バッテリー技術だけではリージョナル航空機(50~100人乗り)を飛ばすことは難しく、水素燃料電池や水素エンジンなど、水素エネルギーを使った航空機の実用化が必須となる。水素エネルギーを利用した航空機の開発は、古くから行われてきているので、その歴史と現状についてここに纏めてみたい。

令和3年4月、我国周辺における中露両軍の活動と我国/同盟諸国の対応

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令和3年4月、我国周辺における中露両軍、および北朝鮮の活動と、我国および同盟諸国の動きに関し、それぞれの公的部門から多くの発表があった。以下にその項目と内容を紹介する。今月の注目すべきニュースは次の通り;― ① 4月17日大臣記者会見 電子戦部隊を全国に展開 ② 4月26日発表 英海軍空母打撃群が近く日本に寄港 ③ 4月03日、27日発表 中国海軍空母艦隊が宮古海峡を往復 ④ 4月05日発表 日仏米豪印合同訓練(ラ・べルーズ)を実施 ⑤ 4月02日発表 米空軍F-22戦闘機と空自F-35A戦闘機、日本海で共同訓練を実施.(The military threats from Russo-Chines Forces around Japanese Island and Taiwanese were reported active. Following five were noteworthy items ;- 1) Japan’s DOD announce to deploys the new electronics war system (NEWS) in six bases around Japan.. 2) UK’s HMS Queen Elizabeth Strike Group will visit Japan. 3) Chinese Aircraft Carrier strike group went and back through Miyako strait. and etc. )

NASA、有人月面着陸にスペースX・スターシップ宇宙機を選定

月面スターシップ

これまで月面に降り立った宇宙飛行士はアポロ計画でわずか27名、1972年以降は一人もいない。今年4月16日、NASAは有人月面着陸計画の再開のためスペースXのスターシップを選定し29億ドル(USD 2,900,000/約3,200億円)で契約した、と発表した。これでNASAはスターシップを使い新たな有人宇宙開発に乗り出すことになる。(Only 24 men have been to the Moon via Apollo program, and no one has been back since 1972. On April 16, NASA announced they have nominated SpaceX’s Starship spacecraft for the first astronauts on the lunar surface since Apollo era.)

電動小型旅客機の本格的就航は北欧から始まる

P-Volt 2

小型の電気動力で飛ぶ旅客機の計画が進んでいる。ノルウエーの企業だがスカンジナビア半島で最大のリージョナル航空「ウイデロー(Wideroe)」と、フィンランドの大手エアライン「フィンエア(Finnair)が計画している。「ウイデロー」はイタリアの小型機メーカー「テクナム航空機(Tecnam Aircraft)」が開発中の双発機[P-ボルト]を採用する。「フィンエア」はスエーデンに設立されたベンチャー企業「ハート・エアロスペース(Heart Aerospace)」が作る4発19人乗りの[ ES-19]を使う。両社とも2026年から就航する予定。(Small electric driven passenger aircraft projects are taking shape. Wideroe of Norway and Finnair of Finland are looking for remote short routes in their regions. Tecnam Aircraft of Italy will develop twin engine 9 passenger aircraft for Wideie, and start up Heart Aerospace in Sweden will provides four engine 19 passenger plane for Finnair. Both target 2026 service entry.)

令和2年度(2020)の緊急発進が減少、なぜ?

令和2年度緊急発進のコピー

防衛省統合幕僚監部は令和3年4月9日、「令和元年度の緊急発進実施状況について」として報道向け資料を発表した。周知の内容であるがここに整理して紹介する。
令和元年度の緊急発進回数は725回、前年度より222回減少した。内訳は対中国機が 63 %、他は対ロシア機であった。減少したのは中国機の飛行回数が減ったたためではなく、空自の対処方針が変わり、領空侵犯の恐れがある場合にのみ緊急発進をすることに改めたためとみられる。

令和3年3月、我国周辺における中露両軍の活動と我国/同盟国の対応(その1)

北線弾道ミサイル

令和3年3月、我国周辺における中露両軍、および北朝鮮の活動と、我国および同盟諸国の動きに関し、それぞれの公的部門から多くの発表があった。以下にその項目と内容を紹介する。今月の注目すべき事案は次の通り;―① 3月25日発表 北朝鮮による新型弾道ミサイルの発射 ② 3月19日発表 中国海軍055型レンハイ級ミサイル駆逐艦の出現  ③ 3月19日発表 米海兵隊EABO」ネットワークを通じ島嶼奪回訓練を実施  ④ 3月27日発表 ロシア海軍北方艦隊の原艦3隻が同時に北極の氷上に浮上  ⑤ 3月17日発表 中国海軍強襲揚陸艦「五指山」上陸用エアクッション艇で南シナ海で実戦演習