南西諸島周辺で、中国の無人偵察機活動。自衛隊機スクランブル


ー初の無人機の投入。対日軍事脅威さらにエスカレートー

2013 09 09 小河正義

2013-09-10 Revised

中国無人機

図:(防衛省)中国空軍無人偵察機の飛行航跡

中国無人機_0001

図:(防衛省)南西諸島に接近した中国空軍無人機を空自機から撮影、やや不鮮明だがV字型テイルや機首部分の膨らみは読み取れる。

Pterodactyl I medium-extended long-endurance Predator-like armed Medium-Altitude Long-Endurance (MALE) unmanned aerial vehicle (UAV) UCAV  drone missile ar1  Chinese export pterosaur I Pakistan, plaaf (15)

図:(Chinese Military Review)領空接近の無人機に酷似した中国空軍無人機「プテロダクテイル(Pterodactyl)」(翼幅7mの翼竜)、本機は機首下面に赤外線センサー(FLIR)を装備、対戦車ミサイルなど200kgを携行して5,000mの高空を20時間に渡り飛行できる無人偵察機、航続距離は4,000km、速度は280km/h。全長9m、翼幅14m、離陸重量は1,100kgと云う。

中国側が発進させた無人偵察機が、9月9日、南西諸島周辺の空域に接近し、航空自衛隊がF-15戦闘機のスクランブル(緊急発進)で”要撃行動”に出たことが判った。爆撃機、駆逐艦等、同諸島近くでは過去24時間以内で、空、海ともに日中間の軍事的緊張がエスカレートしている。無人偵察機の投入は過去例がなく、中国軍の新たな動きに自衛隊は万全の体制で臨む。

防衛省統合幕僚監部は9月9日、東シナ海上空で、沖縄・南西諸島に接近する無人機(国籍不明)を確認したと公表した。レーダー航跡の解析等から中国大陸方面から発進したことはほぼ間違いない。スクランブル機が撮影した飛行物体の映像は中国が実用化を急ぐ、長距離無人偵察機『プテロダクテイル』の可能性が出てきた。中国軍部はは9月8日午前から、南西諸島周辺の空、海上で活動を活発化させている。主力爆撃機、H-6『轟』の飛行、初確認も重なり自衛隊が面食らう情勢になっている。

統合幕僚監部によると、航空自衛隊南西航空混成団のレーダーサイトが9月9日午前、東シナ海上空を南東方向に進む国籍不明の飛行物体に気ずいた。レーダーの反射映像が通常の航空機と異なり、防空識別圏にかかっていたため直ちに那覇基地の、要撃戦闘機F-15『イーグル』2機にスクランブル命令が下った。該当機に接近した、自衛隊パイロットの目視確認で所属国名を示す記号、数字は無かった。操縦席も見当たらないことで国籍不明の無人機と断定した。無人機は尖閣列島魚釣島の北東、約200キロ付近で旋回後、Uターンして大陸方面に飛び去った。

航空自衛隊が公表した無人機の写真はV字形の尾翼、機首部の膨らみ胴体部のサイズから中国空軍が開発中の無人偵察機『プテロダクテイル(翼竜)』に似ている。西側専門家の間では「プテロダクテイル」は米国ゼネラルアトミックス社製の「プリデータ(Predator)」あるいは「リーパー(Reaper)」の模造ではないか、と云われている。空幕関係者は中国が発進させた無人偵察機との関連性について分析に入った。在京、国際軍事筋は中国が無人偵察機をこの時期に敢えて投入した背景について

1)シリア情勢の緊迫化で、米第7艦隊が南西諸島の情勢変化で割ける戦力チェック

2)自衛隊の迎撃戦闘機が中国の放ったステルス偵察機へ追随能力があるか否か

ー等を試した疑いが濃厚と見る。

安倍内閣は国民への公約通り、我が国の領空、領海を脅かす如何なる国の行動に対しても断固たる姿勢を貫く姿勢から後退してはならない。

★無人機の所属について、NHKは9月10日未明のウェブニュースで『中国軍が最近東シナ海で定例の訓練を行なった。関連、国際法にかなうもので、関係国は大げさに騒ぐことが無いよう希望する』の中国・国防部の談話を報じた。

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