米国防総省、海軍などの空中給油サービス業務を民間企業に委託


–委託先はオメガ空中給油サービス社で総額3,060万㌦–

 

2013-09-28  松尾芳郎

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図:(Wikipedia)オメガ空中給油サービス(Omega Aerial Refueling Services)のタンカー[KDC-10]、同社は[K-707]とあわせ3機を運用中。

 

Defense Industry Daily(2013-09-25)によると、米国防総省は海軍、国防省内の他部門、その他の政府機関、他国への航空機売却、等の場合に使う空中給油業務を「オメガ空中給油サービス」社に委託することを決め、総額3,060万㌦の契約を結んだ。

大量の人員物資を長距離輸送する場合や戦闘機などの長時間パトロールの場合には、空中給油が必要不可欠である。米空軍では給油専門の部門を持ち、多数の空中給油機/タンカーを保有しているが、海軍など他の政府機関には需要供給の関係で充分なタンカーを保有しておらず、そこに民間業者の参入の余地がある。

イギリスでは、空軍の給油と輸送業務にこれまでVC-10とロッキード・トライスターを使っていた。これらの更新のために設けた「将来戦略タンカー機計画」[FSTA=Future Strategic Tanker Aircraft]に基ずいて、エアバス[A330 MRTT]を 14機購入することを決めた。そして同時に運用を民間企業「エアタンカー(AirTanker)」社に委託することとした。[A330 MRTT]は2011年から引渡しが始まっている。「エアタンカー」社はEADS、RR、タレス、Cobhamなど有力防衛企業が協力して設立した企業。

同じ[A330 MRTT] 5機の導入を決めたオーストラリア空軍は、その初号機が運用できるまでの間、「オメガ空中給油」を使うことにしている。例えば、例年アラスカのイールソン空軍基地(Eielson AFB)で行なわれる演習「レッドフラグ」に参加するF/A-18C/Dスーパーホーネットに、飛行途中で給油サービスを提供する、と云った具合だ。余談だが、今年の「レッドフラグ」には、我が空自からC-130輸送機とF−15戦闘機6機が参加した。

「オメガ空中給油」は1999年に設立された企業で、2012年8月現在DC-10-40を改造したKC-10を1機、707-320を改造したK-707 を2機運用している。2001年に米海軍から給油サービスの契約を獲得、その後オーストラリア空軍、英国空軍、カナダ空軍などが顧客となっている。

米空軍は、タンカーとしてKC-135を417機、DC-10を改造したKC-10を59機、合計476機を保有しているが、製造後50年以上の機体が多く老朽化が著しい。このため紆余曲折があったが、空軍は2011-02-24にボーイング767-200を基本とする[KC-46]の採用を決定した。2028年までにKC-46を179機導入する計画だ。2013-08-21に「詳細設計審査[CDR=Critical Design Review]」をパスし、本格的生産が始まったところ。給油装置など一部を装備しない1号機は2014年中期に初飛行、完全装備の初号機の初飛行は2015年初頭に予定されている。ボーイングは2017年8月までに18機を納入する。

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