マレーシア航空、B777型機行方不明(第12報)="謎の人物"、意図的に空対地通信装置切断。飛行ルート逸脱後、7時間フライト継続?=


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[(防衛省、統合幕僚監部)南シナ海上空で行方不明のマレーシア航空機発見の手がかりを探す自衛隊捜索救難隊員]

3月15日(JST.22:10)            John Bosnitch & Aaron Terruli

239人を乗せ行方を絶ったマレーシア航空機が地上レーダー画面から消失後、7時間飛行を継続、インド洋方面かカザフスタン方向へ向かった可能性が出てきた。飛行経路の大幅逸脱を前に空対地通信システムを時間差を置いて人為的に切断した形跡も浮上、”謎の人物”が操縦室に存在し、機内でハジャック等サボタージュ行為発生の見方が強まってきた。3月15日、マレーシア政府のナジーブ・ラザック首相が記者会見でショッキングな事件の展開を示唆した。

日本を含む14ヶ国から出動した艦船43隻、航空機58機の合同捜索隊は、機体の手がかりを求めインド洋、ベンガル湾方向の2方面に捜索の重点を移す。

マレーシア航空、B777ー200ER型機の飛行ルートの大幅逸脱とハイジャック等違法行為が操縦室を巻き込んだ可能性は通信衛星に存在したデータ分析の結果。7時間、地上との交信を遮断。航行速度から逆算して同機がこの後たどった飛行ルートとして1)インドネシアから南インド洋方面の南部回廊。2)タイ北部からカザフスタン、トルクメニスタン方面の北部回廊ーが有力となっている。

静止衛星軌道に配備したインマルサット衛星が中継した飛行データを詳細に解析、導きだした確実性の高い推論だ。ラザック首相も記者会見で敢えて信憑性が高い情報と事実上、断言した。

マレーシア政府の捜索当局はマレーシア航空機が空路を大幅逸脱する前に意図的に航空機の安全運航確保に欠かせぬ2種類の空対地通信手段が意図的に遮断された形跡を捉えたとしている。それによるとエンジンや各種システムの作動状況をリアルタイムで自動データ送信する『ACARS』がマレーシア半島東部上空で突然機能をストップ。しばらくして同機がマレーシア、ベトナムFIR(飛行情報区)境界線付近にさしかかると、今度は陸上からはなれた遠距離でも機影を航空管制レーダーに提供する『トランスポンダー』(二次レーダーの機上応答機)のスイッチも切断されたという。

これらのスイッチは操縦室でパイロットが操作する意外、切断は出来ない。タイミングを計って停止スイッチが機能停止した事から、パイロット以外の”謎の人物”がコックピットに入り込み操作した可能性が一連の事態の展開で考えられる。『トランスポンダー』はハイジャックや機体トラブルでの緊急信号を管制当局に知らせる重要な対地シグナル発信装置。こうしたサボタージュ行為は、謎の人物がB777型機の操縦に精通していたと推論される。機長、副操縦士の何れかが関与していた可能性も完全に排除出来ない。

航空機の動きを追尾する空対地衛星通信システムや、マレーシア空軍の軍用レーダーの記録を総合するとマレーシア航空機は『トランスポンダー』が停止直後の3月8日午前1時20分直後、突然、Uターン。マレーシア半島方向に引き返しを開始。通信衛星の記録をたどった結果、7時間後の同日午前8時11分迄、飛行を継続したらしい。

南シナ海で展開した過去i週間の大掛かりな捜索で機体発見の手がかりが全く掴めない事から、飛行ルートの大幅逸脱を前提に捜索活動を組み直すべきとの空気が大勢を占めつつある。

B777ー200ER型機の巡航スピードで7時間のフライトで到達可能な範囲を想定すると南インド洋~トルクメニスタンにかけての空域が浮かび上がる。あまりに範囲が膨大で捜索活動は壁にぶち当たる。その中で北部回廊、南部回廊の2コースが有力視された。北部回廊はタイ北部を経由、カザフスタン、トルクメニスタン方面に向かう、南部回廊はマラッカ海峡からインドネシア領を通過、南インド洋方面に繋がる。

こうしたマレーシア当局の見解が事実だとすれば、民間航空史上例を見ない異常事態が、マレーシア航空機を襲った事になる。新たな事態の展開を受け早速、捜索活動の転換が求められる。