投稿者: 松尾 芳郎

防衛装備庁、レーダー/赤外線複合センサー技術で探知距離を拡大

UP-3Cのコピー

防衛省・防衛装備庁は、開発中の複合センサー・システムを使うことで、来襲するステルス戦闘機、弾道ミサイル、巡航ミサイルなどの探知可能な距離を20 %拡大できる、と明らかにした。(The Defense Ministry of Japan has reported a 20 % improvement in detection range with a newly developed fused sensor system for use against stealth aircraft, ballistic missile and cruise missiles.)

初飛行から30年、ベル・ボーイング V-22 オスプレイの近況

マリーン

ベル・ボーイングが共同開発したV-22オスプレイ(Osprey)は、1989年3月19日の初飛行から30年経過したが、今でも世界で唯一の実用化に成功したテイルトローター機である。米海兵隊が制式化したのが最初、続いて空軍が採用し予定数の受領を完了、海軍が受領を開始したのは2020年、我が陸上自衛隊は2020年5月に初号機を受け取った。V-22はこれから一層の性能向上を目指して改修の段階に入る。

(The first, and only, operational military tiltrotor, the Bell-Boeing V-22 Osprey first flew more than 30 years ago, in March 19, 1989, in service with U.S. Marine Corps and U.S. Air Force, and to be deployed by U.S. Navy and Japanese Army. The V-22 is now entering a new phase of life with a series of significant upgrades.)

数奇な運命、「三菱MU-300」から「ホーカー400XPR」まで

FltGlobal 400XPR

「ホーカー400 (Hawker 400)」は双発ビジネスジェットで、原型は三菱重工が設計・製作した「MU-300 ダイヤモンド1」。1985年に三菱からビーチ・エアクラフト(Beech Aircraft)に製造権を移転、その後同社で改良・近代化が行われた機体である。ビーチ社は、数回の倒産の後、2014年からはテキストロン・エビエーション(Textron Aviation) の傘下にある。(The Hawker 400 is a twin engine business jet, developed by initially Mitsubishi, it has been further developed and updated by Beech Aircraft, now part of Textron Aviation.)

令和2年4月、我が国周辺における中露両軍の活動

04-06 ロシア艦

統合幕僚監部が発表した中露両軍の活動は6件で、その中に中国海軍空母「遼寧」を中心とする空母打撃群が宮古海峡を航行、往復した動きがある。さらに台湾南方上空で中国空軍爆撃機などによる編隊演習、南シナ海では中国支配に対抗し米海軍がイージス艦による “航行の自由作戦”を実施した。

なぜ、人は新型コロナウイルスに過剰反応してしまうのか

本稿は木村亮一氏の寄稿です。毎朝のウォーキングで立ち寄る東京・西新宿の熊野神社で、鈴緒(すずのお)が取り外された。手水鉢(ちょうずばち)の周囲には縄が掛けられ、使えないようになっている。鈴緒は拝殿の鈴を鳴らすための縄やひもで、多くの人がこれをつかむことによって感染が広まると神社は考えたのだろう。手水鉢は手や口中を清める水を溜めた石の鉢だ。これも感染源になる危険性があるとみなされたのだと思う。

ドルニエ「シースター」水陸両用機の最新型が初飛行

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ドルニエ・シーウイングス(Dornier Seawings)が作る小型飛行艇「シースター(Seastar)」の最新版SN1003が、2020年3月28日にドイツ、オベルファッフェンホーヘンEDMO空港を離陸31分間の初飛行を行った。(The prototype SN1003, a new generation of the Dornier Seaster amphibian aircraft successfully performed first flight, 28, March 2020, at Oberpfaffenhofen Airport, Germany.The flight was held by Dornier Seawings test pilot for 31 minutes.)

NASA・スペースX、国際宇宙ステーション有人飛行を再開

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NASAとスペースX社は共同で、2011年以来途絶えていた米国による国際宇宙ステーション (ISS) への有人宇宙飛行を再開する。これはNASAの「Commercial Crew Program・民間宇宙飛行計画」に基づくもので、米国製のロケットで米国製の宇宙船を打ち上げ、宇宙飛行士を[ISS]に送る。これでスペース・シャトル中断以来、ISSへの乗員輸送をロシアに頼っていたのを、米国に取り戻す。(A new era of human spaceflight is set to begin as American astronauts once again launch on American rocket from American soil to the ISS as part of NASA’s Commercial Crew Program.)

令和元年度(2019)の緊急発進について

領空侵犯関連図

防衛省統合幕僚監部は令和2年4月9日付けで「令和元年度の緊急発進実施状況について」と題して報道向け資料を発表した。すでに周知の内容だが、ここに整理、取りまとめて紹介しよう。令和元年度の緊急発進回数は947回、前年度より52回減少するものの、過去3番目の多さであった。内訳は対中国機が71 %、他は対ロシア機であった。

ハブル宇宙望遠鏡と電磁波について

電磁波説明図

人間の眼は、我々の周囲の物が出している電磁波の一部分の狭い領域、「可視光線」の部分だけを観ているに過ぎない。宇宙に存在する星々、星雲、多くの銀河、が出す電磁波には、可視光線以外の帯域で、大量の情報を含んでいる。宇宙を観測する天体望遠鏡は、可視光線以外の電磁波帯域も観測できる。ハブル宇宙望遠鏡は、可視光線帯域と赤外線と紫外線帯域の一部を観測できる。(Human eyes see only a small portion of the range of radiation from the objects around us. We call the radiation as electromagnetic spectrum, and the part we can see “visible light”. The radiation comes from cosmic objects, key information is revealed by different parts of the electromagnetic spectrum. Telescopes are designed to capture different parts of this spectrum, providing more information than the human eye could detect on, as like the Hubble Space Telescope can provides.)

LiDARの開発と応用(第2回)

概要

2020年1月22日の第1回で紹介した様に、LiDARは、Light Detection and Ranging (光検出と測距)もしくはLaser Imaging Detection and Ranging (レーザー画像検出と測距)の略で、光を用いたリモートセンシング技術の一つである。今回は、LiDAR技術の宇宙分野での応用に関して、NASAおよびJAXAの取組みを紹介する。宇宙分野への応用では50年以上の歴史がある。LiDARはこれまでに、距離測定、地球の大気および植生の観測、月面探査、小惑星への着陸時の支援(はやぶさ、はやぶさ2)等で大きな成果をあげている。尚、航空分野での応用および自動運転などの移動体への応用に関しては次回以降に紹介予定。

(As explained in the first report dated January 22, LiDAR, the acronym of Light Detection and Ranging or Laser Imaging Detection and Ranging, is one of remote-sensing technologies applying optics. In this report, the applications to space are introduced. There is a long history of 50 years for LiDAR in the space arena. LiDAR has achieved in ranging, measurement of atmosphere and vegetation of the earth, exploration of moon surface, support for landing to asteroids (such as Hayabusa and Hayabusa-2) and so forth. Regarding the applications to aviation and vehicles including automatic driving are reported in the next report.)