カテゴリー: 航空と宇宙

水素エネルギー推進航空機開発の歴史と現状

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本稿は小林哲也氏の寄稿です。 脱炭素社会を目指す世界的な動きの中で、国際民間航空機構(ICAO)は2010年にカーボン・ニュートラル・グロース2020(CNG2020)を発表し、その中で二酸化炭素(CO2)削減目標として、2050年までに、燃料効率を毎年2%改善し、2020年以降、国際航空からのCO2排出を増さないことを掲げた。目標達成には航空機の電動化が必要で、大容量リチウム・イオン・バッテリーの開発が行われている。しかし、バッテリー技術だけではリージョナル航空機(50~100人乗り)を飛ばすことは難しく、水素燃料電池や水素エンジンなど、水素エネルギーを使った航空機の実用化が必須となる。水素エネルギーを利用した航空機の開発は、古くから行われてきているので、その歴史と現状についてここに纏めてみたい。

令和3年4月、我国周辺における中露両軍の活動と我国/同盟諸国の対応

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令和3年4月、我国周辺における中露両軍、および北朝鮮の活動と、我国および同盟諸国の動きに関し、それぞれの公的部門から多くの発表があった。以下にその項目と内容を紹介する。今月の注目すべきニュースは次の通り;― ① 4月17日大臣記者会見 電子戦部隊を全国に展開 ② 4月26日発表 英海軍空母打撃群が近く日本に寄港 ③ 4月03日、27日発表 中国海軍空母艦隊が宮古海峡を往復 ④ 4月05日発表 日仏米豪印合同訓練(ラ・べルーズ)を実施 ⑤ 4月02日発表 米空軍F-22戦闘機と空自F-35A戦闘機、日本海で共同訓練を実施.(The military threats from Russo-Chines Forces around Japanese Island and Taiwanese were reported active. Following five were noteworthy items ;- 1) Japan’s DOD announce to deploys the new electronics war system (NEWS) in six bases around Japan.. 2) UK’s HMS Queen Elizabeth Strike Group will visit Japan. 3) Chinese Aircraft Carrier strike group went and back through Miyako strait. and etc. )

NASA、有人月面着陸にスペースX・スターシップ宇宙機を選定

月面スターシップ

これまで月面に降り立った宇宙飛行士はアポロ計画でわずか27名、1972年以降は一人もいない。今年4月16日、NASAは有人月面着陸計画の再開のためスペースXのスターシップを選定し29億ドル(USD 2,900,000/約3,200億円)で契約した、と発表した。これでNASAはスターシップを使い新たな有人宇宙開発に乗り出すことになる。(Only 24 men have been to the Moon via Apollo program, and no one has been back since 1972. On April 16, NASA announced they have nominated SpaceX’s Starship spacecraft for the first astronauts on the lunar surface since Apollo era.)

電動小型旅客機の本格的就航は北欧から始まる

P-Volt 2

小型の電気動力で飛ぶ旅客機の計画が進んでいる。ノルウエーの企業だがスカンジナビア半島で最大のリージョナル航空「ウイデロー(Wideroe)」と、フィンランドの大手エアライン「フィンエア(Finnair)が計画している。「ウイデロー」はイタリアの小型機メーカー「テクナム航空機(Tecnam Aircraft)」が開発中の双発機[P-ボルト]を採用する。「フィンエア」はスエーデンに設立されたベンチャー企業「ハート・エアロスペース(Heart Aerospace)」が作る4発19人乗りの[ ES-19]を使う。両社とも2026年から就航する予定。(Small electric driven passenger aircraft projects are taking shape. Wideroe of Norway and Finnair of Finland are looking for remote short routes in their regions. Tecnam Aircraft of Italy will develop twin engine 9 passenger aircraft for Wideie, and start up Heart Aerospace in Sweden will provides four engine 19 passenger plane for Finnair. Both target 2026 service entry.)

令和2年度(2020)の緊急発進が減少、なぜ?

令和2年度緊急発進のコピー

防衛省統合幕僚監部は令和3年4月9日、「令和元年度の緊急発進実施状況について」として報道向け資料を発表した。周知の内容であるがここに整理して紹介する。
令和元年度の緊急発進回数は725回、前年度より222回減少した。内訳は対中国機が 63 %、他は対ロシア機であった。減少したのは中国機の飛行回数が減ったたためではなく、空自の対処方針が変わり、領空侵犯の恐れがある場合にのみ緊急発進をすることに改めたためとみられる。

令和3年3月、我国周辺における中露両軍の活動と我国/同盟国の対応(その1)

北線弾道ミサイル

令和3年3月、我国周辺における中露両軍、および北朝鮮の活動と、我国および同盟諸国の動きに関し、それぞれの公的部門から多くの発表があった。以下にその項目と内容を紹介する。今月の注目すべき事案は次の通り;―① 3月25日発表 北朝鮮による新型弾道ミサイルの発射 ② 3月19日発表 中国海軍055型レンハイ級ミサイル駆逐艦の出現  ③ 3月19日発表 米海兵隊EABO」ネットワークを通じ島嶼奪回訓練を実施  ④ 3月27日発表 ロシア海軍北方艦隊の原艦3隻が同時に北極の氷上に浮上  ⑤ 3月17日発表 中国海軍強襲揚陸艦「五指山」上陸用エアクッション艇で南シナ海で実戦演習

日本航空、コロナ対策で英国と米国の評価機関から最高評価を受賞

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日本航空は3月22日、同社の新型コロナ・ウイルス感染症対策が、英国および米国の航空会社評価機関から個別に世界一の評価を受けたと発表した。すなわち;―

英国の航空会社評価機関「SKYTRAX(スカイトラックス)」から「covid-19 Safety Rating」(コロナ対策に関わる安全度の比較)で、最高評価の5スターを獲得。
米国の非営利団体「APEX(エイペックス)」の監査「Health Safety Powered by Simpli Flying Audit」で、最高評価の「Diamond(ダイヤモンド)」を獲得。

ボーイング777エンジン大破3件は、いずれもファン・ブレードの疲労破壊が原因

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今年2月20日にユナイテッド航空ボーイング777-222型旅客機のプラット&ホイットニー製「PW4077」エンジンが大破したのは、ファンブレードに生じた疲労クラックが原因だった。これは同社機で2018年2月にホノルルで起きたケース、および日本航空の同型機で昨年12月4日に発生した大破に続く3件目である。(The February 20 inflight failure of a Pratt & Whitney PW4077 engine on a United 777-222 involving a cracked fan blade. This is the 3rdincident in past three years. following JAL’s on December 4, 2020 and United’s on February 13, 2018.

3月11日、ロシアTu-95MS戦略爆撃機を含む機9機、防空識別圏に侵入

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防衛省統合幕僚監部の3月11日発表によれば、ロシア空軍機9機が日本の防空識別圏(ADIZ)に侵入、航空自衛隊はF-15戦闘機を緊急発進させ領空侵犯を防ぐなどの対応をした。空自戦闘機が撮影したロシア機はA-50早期警戒監視機1機のみで、他の写真はない。これは同時期に飛行した2機のTu-95MS戦略爆撃機と、これを護衛するSu-35S戦闘機が3群に別れて飛行して空自機を牽制したため、撮影の機会を失したためと思われる。ロシア軍は、本件についてTu-95MS戦略爆撃機2機と護衛のSu-35S戦闘機が日本海と北西太平洋を飛行した、と報じた。また、途中で日本のF-15戦闘機が飛来した、と報じている。この日は東日本大震災発生から10年目、地震、津波による犠牲者2万人を追悼する行事が行われている最中に、プーチン大統領は空軍機9機を動員、我国を脅かす訓練を指令したと見られる。