英・スコットランド上空でジャンボ機同士が異常接近。管制指示を誤解


『英・スコットランド上空でジャンボ機同士が異常接近。管制指示を誤解』 ー双方で1千人近い乗客搭乗。最接近時の高度差、約30mー 2013-10-23      ジョン・ボスニッチ(ベオグラード) 合わせて1千人近い乗客、乗員が搭乗していたジャンボ機同士が英国北部、スコットランド上空で去る6月、異常接近(ニアミス)に巻き込まれた事が明らかになった。民間航空局付属の『英・異常接近調査委員会』(UK airprox board)が公表した報告書で明らかになった。欧州のメディアがこのほど大々的に報じた。最接近時の間隔は高度差30㍍だったという。双方のパイロットが衝突回避の管制指示を誤解、逆に危険な事態に陥ったという。

『英・異常接近調査委員会』の報告書によるとジャンボ機同士の異常接近(ニアミス)が発生したのは6月23日、午後零時58分頃。英北部グラスゴーの北、55キロ。高度1万㍍付近。ニアミスに遭遇したのはロンドン発カナダ・バンクーバー行き英国航空、BA87便(ボーイングB747-400型機)とフランクフルト発ワシントン・ダレス空港行きルフトハンザ航空LH418便(ボーイングB747-8)。乗客乗員合わせて1千人近くが搭乗していたと英国のデーリー・メール紙(電子版)が伝えた。

ルフトハンザ、英国航空とも当時プレストウィックの航空路管制センターのコントロール下でIFR (計器飛行方式)に従っていた。2機とも巡航高度34,000フィート(約1万㍍)へ向け順調に飛行していた。横方向の安全間隔が当初は十分だったが途中から狭まりニアミス発生の危険が察知され管制室の警報装置が作動。担当管制官は両機が交差しないよう左側を飛行していた英国航空機に左旋回、右側を飛行していたルフトハンザ航空機に対し右への旋回を指示。パイロットの復唱は正しく問題は起きないと判断された。ところが地上レーダー上では2機が逆の行動を取り驚いた管制官が英国航空機に緊急降下指示、ルトハンザ機はTCASの指示でに従い緊急上昇を実行。2機は交差したもの空中衝突の悲劇はギリギリで回避出来たという。

最接近時の間隔は高度差で30㍍、横間隔で数キロだったという。パイロットは接近する相手機を視界に捉えていた事が分かっている。

なぜジャンボ機がいずれも管制指示を誤解したのかは不明だ。コールサインは『スピードバード(BA)87』、『ルフトハンザ418』と紛らわしくはない。管制センターとの通信状況も極めて良好だったという。気象状況も特に問題は無かった。

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[ジャンボ機同士の異常接近を捉えたレーダー航跡図 。UK airprox board ]