令和5年6月、我国周辺における中露両軍の活動と、我国および同盟諸国の動きに関し各方面から多くの発表があった。今月の注目すべきニュースは次の通り。
(Military threats from Chinese and Russian Forces are tensed up in July. Japan and Allies conducted multiple large scale exercises as retaliation. Following were major issues.)
投稿者: 松尾 芳郎
新型コロナ 「感染症とは何か」を考えるときだ
本稿は木村良一氏の寄稿です。 新型コロナウイルスによる未知の感染症が発生し、中国湖北省武漢市でアウトブレイク(地域的流行)が始まったのが2019年12月だった。それ以来3年半以上にわたってほぼ毎月毎回、新型コロナの問題点をこの「メッセージ@pen」に書いてきた。数え上げてみると、感染症に関係した筆者の記事は約40本になる。
この3年半という間に世界中に感染が拡大して多くの死者も出した。だが、幸いなことに画期的なmRNAワクチンが登場し、より多くの人々が免疫を獲得した。重症の新型肺炎に対する治療方法が確立し、治療薬の開発や後遺症治療の研究も進んでいる。
日本では5月8日に感染症法上の扱いが2類相当から5類に変わるなど、新型コロナと私たちとの関係、つまり防疫の態勢や感染した場合の対症方法は一般的なものになってきた。
ブーム、パリ航空ショーで超音速機“オーバーチェア”開発は順調、と発表
2023年6月20日、パリ航空ショーでブーム・スーパーソニック (Boom Supersonic)社は、超音速旅客機「オーバーチェア (Overture)」の開発は、エンジン「シンフォニー(Symphony)の開発を含めて著しく進捗、と発表した。「オーバーチェア」は現用のジェット旅客機の2倍の速度で飛行し、燃料は100 % 低公害航空燃料(SAF=sustainable aviation fuel)を使う。
(Boom Supersonic (Denver, Colorado) announced at the Paris Airshow, significant advances on the company’s supersonic airliner “Overture” program including development status of its engine “Symphony”. Overture will fly at twice the speed of today’s jetliners and run on 100% sustainable aviation fuel.)
2023年パリ航空ショー、歴史的な大量発注で開幕
第54回パリ航空ショーは、前回コロナの流行で中止された2021年のショーを引継ぎ、パリのル・ブレゲ空港(Paris Le Bourget Airport)で開催された。この航空ショーは1909年から隔年で開催されている。2017年のショーでは世界中から30万人以上が訪れ、1,226機の発注があり、それまでの記録を大きく更新した。
今年は初日(6月19日)にインドのLCCインデイゴ(IndiGo)が、エアバスA320neo系列機500機の発注を発表し、世界を驚かした。
(The world’s largest Paris Air Show, which alternates with Farnborough in Britain, is at Le Bourget for the first time in four years after the 2021 edition fell victim to the Corona pandemic. On the day one of the Airshow, Airbus announced a record-high 500 plane deal with Indian Airline IndiGo for attention.
P&W製ギヤード・ターボファン(GTF)エンジンの信頼性問題
2023年夏の旅行シーズンを前にして、航空各社は需要に対応できないトラブルに見舞われている。運賃は2019年より高くなり座席利用率は上昇し続けている。これらの環境に対応するには飛行機の稼働率を一層上げなくてはならない。しかし、プラット&ホイットニー(Pratt & Whitney/以下P&W)製エンジン装備のエアバスA220、A320neo系列機、およびエンブラエル(Embraer) E2機では「AOG=Aircraft On the Ground」、つまり“飛べない機体”が増加中で、航空各社は対応に追われている。
(At the 2023 travel peak coming, airlines are facing an almost unexpected surge in demand. Fares are substantially higher than were in 2019, and load factors are rising. Every aircraft needs to be in the air. Yet the airlines are facing an equally unprecedented “AOG” crisis, involving Pratt & Whitney powered Airbus A220, A320neo-family aircraft and the Embraer E2 jets.)
令和5年5月、我国周辺での中露両軍の活動と我国/同盟諸国の対応
これが新型コロナ対策の極意だ
米特殊作戦軍/SOCOM、C-130J水陸両用輸送機開発で新明和と提携を検討
米国特殊作戦司令部 (US SOCOM=Special Operations Command) は、長年使われてきた戦術輸送機「C-130J」の水上機型の開発計画を進めているが、これに日本からの助言を求めている。日本海上自衛隊は、水陸両用の探索・救難用飛行艇、新明和工業製の「US-2」を運用中である。
(US Special Operations Command (SOCOM) is seeking Japan’s assistance with a project to develop a seaplane variant of Lockheed Martin’s venerable C-130 tactical transport.)
フライング・ホエールス、新型飛行船を開発・2027年輸送事業に
「フライング・ホエールス (FLYING WHALES)」はフランスのスタートアップ企業で、2012年9月の創業、伐採木材、発電用風車のブレードなどの大型貨物を60 ton運べる環境に優しい新型飛行船「LCA60T」を開発している。原型機は2024年に地上試験を予定、飛行試験は2025年に行い、本格的な運用開始は2027年を目指している。
(Flying Whales is a French aviation start-up, founded September 20, 2012 by Sebastien Bougon. It develops an environmentally-friendly airship. LCA60T, designed to transport heavy loads as much as 60 tons, like wood logs and wind-turbine blades. the first prototype is expected ground test in 2024, and the first models will enter commercial operations in 2027.)
英国、 “ストーム・シャドウ” 巡航ミサイルをウクライナに供与
5月11日英国政府は、西側諸国としては最初の長距離巡航ミサイルをウクライナに供与する、と発表した。これでウクライナ軍は、対峙するロシア軍のはるか後方にあるロシア軍補給基地を攻撃できるようになる。ウクライナは西側諸国に対し、これまで数ヶ月間長射程ミサイルが必要だと訴え続けてきたが、米国および英国は短射程のミサイル・弾薬しか供与してこなかった。
(British Government on May 11 became the first country to supply Ukraine with long-range cruise missiles, which will allow Ukraine forces to hit Russian troops and supply depo far behind the front lines. Ukraine has been asking for months for long-range missiles, but support provided by U.K. and allies such as U.S,A, has previously been limited to shorter range weapons.)