2026年10月14日(令和8年) 松尾芳郎
令和8年9月、我国および台湾周辺における中露軍の活動は8月に続いて活発。これに対し我国および同盟諸国は抑止力強化に努めている。
(China’s PLA and Russian Force’ s military drill near Japan and Taiwan’s territorial space , get higher as August. Japan and allies are putting defensive act against the hostiles. Following are the details of major issues.)
防衛省および各幕僚監部、米第7艦隊などが発表した9月における我国周辺の中露両軍の軍事活動および我国と同盟諸国軍の対応は以下の通り。
中露、北鮮軍の動向
- 9月3日 統合幕僚監部発表 中国軍情報収集機Y-9が5回に渡り沖縄本島へ接近
お月3日午後Y-9情報収集機が大陸から飛来、東シナ海上空で種子島・奄美大島・沖縄本島に沿い接近。沖縄本島付近で反転、立ち去った。
Y-9飛来が9月4日、9月7日午前と午後、9月9日、本件を含め連続して5回発生している。
ここでは9月3日の事案を代表として例示、他は省略する。
9月6日〜11日の間、日・米・韓3カ国軍による海上、航空、医療、サイバーに関わる共同訓練 [Freedom Edge 26]が行われていた。この共同訓練は、韓国南方の海空域・東シナ海の公海上、および日本国内の防衛基地・指揮施設を使って行われた。中国軍Y-9情報収集機の複数回に及ぶ飛行は、この訓練の偵察、情報収集のために行われた。

図1:(統合幕僚監部)9月3日午後、種子島・奄美大島・沖縄本島に接近したY-9情報収集機の航跡。

図2:(統合幕僚監部)Y-9情報収集機。8月飛来の機と同様、[Y-9DZ]で機首先端と下面のレドームを大きくしたELINT(electronic intelligence)機。胴体下部にSAR(合成開口レーダー)アンテナがある。
- 9月7日 統合幕僚監部発表 ロシア軍情報収集機IL-20が宮城県沖の太平洋まで南下
9月5日昼間ロシア IL-20情報収集機が北海道北東オホーツク海から国後島・択捉島を経て松島基地のある宮城県沖まで南下、反転して往路と同じ経路で立ち去った。宮城県には空自松島基地があり、第4航空団F-2戦闘機が常駐している。

図3:(統合幕僚監部)9月5日昼間、IL-20 情報収集機が宮城県沖に飛来した航跡。

図4:(統合幕僚監部)ロシア軍IL-20 情報収集機。情報・監視・偵察(ISR= intelligence, surveillance, reconnaissance)用の4発ターボプロップ機、1968年3月初飛行、19機が製造された。[ELINT] (electronic intelligence)および[COMINT] (communication intelligence)用電子機器を搭載する。
- 9月10日 統合幕僚監部発表 ロシア海軍ビシニア級情報収集艦が宮古海峡を経て東シナ海へ、および9月14日 統合幕僚監部発表 ロシア海軍ビシニア級情報収集艦が対馬海峡を経て日本海へ
9月9日早朝、ロシア海軍ビシニア級情報収集艦(208)が沖大東島の北の接続水域を経て10日に沖縄本島の南から久米島北の接続水域を通過、東シナ海に入った。同艦は去る6月27日に対馬海峡、6月30日に宮古海峡を抜け太平洋に出ている。

図5:(統合幕僚監部)ビシニア級情報収集艦(208) 「クリルイ」は満載排水量3,400 tom、全長84 m、同型は7隻、内2隻が太平洋艦隊所属。

図6:(統合幕僚監部)9月9日・10日のビシニア球情報収集艦(208)の航跡。
- 9月14日 統合幕僚監部発表 ロシア海軍駆逐艦など艦艇3隻が津軽海峡を経て太平洋へ
9月11日昼から12日にかけて、ロシア・ウダロイIII級駆逐艦(543)、ウダロイI級駆逐艦(564)およびドウブナ級補給艦の3隻が青森県竜飛岬から津軽海峡を経て太平洋に向け航行した。

図7:(統合幕僚監部)(543)は「マーシャル・シャポシニコフ」。「ウダロイ級1155型駆逐艦として1980年代に13隻建造された中の1隻。(543)は近代化改修が完了し太平洋艦隊に2019年に復帰、以後「ウダロイIII級」と呼ぶ。満載排水量8,900 tonに増え、兵装が主砲 AK-130 130 mm連装砲1基、コールチクCIWS 2基、P-270モスキート対艦ミサイル4連装発射筒 2基を装備する。

図8:(統合幕僚監部)ウダロイI級駆逐艦(564)は「アドミラル・トリプツ」。満載排水量8,500 ton、全長163.5 m、速力29 kts、100 mm単装砲2門、30 mm CIWS 2基、対潜ミサイル4連装発射筒2基などを備える。同型艦は13隻ある。

図9:(統合幕僚監部)
- 9月14日 統合幕僚監部発表 ロシア海軍フリゲート、対馬海峡を経て東シナ海へ
9月12日午後ステレグシチー級フリゲート(343)が日本海から対馬海峡を経て東シナ海に入った。

図10:(統合幕僚監部)ステイレグシチー級フリゲートは満載排水量2,200 ton、全長104.5 m、最大速力27 kts.。沿岸警備用の汎用艦で、同型は建造中3隻を含め20隻。(343)は「レーズキイ」2023年9月の就役。
- 9月14日 統合幕僚監部発表 中国軍ドンデイアオ級情報収集艦が奄美大島―横当島間の海峡を経て太平洋へ
9月13日早朝中国海軍ドンデイアオ級情報収集艦(799)が奄美大島―横当島間の海峡を抜け東シナ海から太平洋に向け航行した。

図11:(統合幕僚監部)「東調」級情報収集艦は、満載排水量6,000 ton、全長130 m、速力20 kts。同型は[815型]、「815A型」で9隻あり、「799」金星号は9番艦、2018年就役。

図12:(統合幕僚監部)9月13日、ドンデイアオ級情報収集艦(799)の航跡。
- 9月15日 統合幕僚監部発表 ロシア海軍駆逐艦など3隻が東京都御蔵島―八丈島の海峡を経て南西に向け航行 (12日(14日発表)に津軽海峡を東進したものと同じ)
9月14日夜間から15日にかけて、東京都 御蔵島―八丈島間の海峡を北東から南東に向け通過するロシア海軍・ウダロイIII級駆逐艦(543)、ウダロイI級駆逐艦(564)およびドウブナ級補給艦の3隻を発見した。これら3隻は9月12日に津軽海峡を経て日本海から太平洋に出た艦隊である。

図13:(統合幕僚監部)ウダロイIII級駆逐艦(543)、ウダロイI級駆逐艦(564)およびドウブナ級補給艦の3隻の航跡。
- 9月15日 統合幕僚監部発表 ロシア海軍フリゲート(343)、与那国島―西表島間の海峡を経て太平洋へ、9月28日発表 同艦は同じ経路で9月27日東シナ海に戻り対馬海峡を経て日本海に入る
9月15日早朝、ステレグシチー級フリゲート(343)が東シナ海から与那国島―西表島間の海峡を経て太平洋に進出。9月12日に対馬海峡を経て東シナ海に航行。9月25日に与那国島―西表島間海峡を経て東シナ海へ。そして9月27日には対馬海峡を北上、日本海へ入った。
まとめると同艦(343)は、9月12日から27日にかけて、「日本海―対馬海峡―東シナ海―与那国島―太平洋―与那国島―東シナ海―対馬海峡―日本海」と航行したことになる。

図14:(統合幕僚監部)ステレグシチー級フリゲート’(343)
9月16日 統合幕僚監部発表 中国海軍駆逐艦など2隻、大隈海峡を経て東シナ海へ
9月15日朝、中国艦ルーヤンIII級ミサイル駆逐艦(159)およびジャンカイII級フリゲート(537)が太平洋から大隈海峡を経て東シナ海に入った。

図15:(統合幕僚監部)ルーヤンIII級ミサイル駆逐艦(159) 「日喀則」。052D型駆逐艦/昆明級。38隻建造予定で現在33隻が就航中。満載排水量7,500 ton、全長161 m、速力32 kts、艦橋周辺には4面のフェーズドアレイ・レーダーアンテナ。兵装は、垂直ミサイル発射HT-1E型VLS 32セルを2箇所、64発の各種ミサイルを装備する。

図16:(統合幕僚監部)ジャンカイII級フリゲート(537)「冝興」。054A型/江凱II型(徐州級)満載排水量4,050 ton、同型 50隻の内の一つ。VLS 32セルを装備する。 搭載ヘリはZ-9C/Ka-28を1機。

図17:(統合幕僚監部)ルーヤンIII級ミサイル駆逐艦(159)およびジャンカイII級フリゲート(537)の航跡。
- 9月24日 統合幕僚監部発表 ロシア海軍太平洋艦隊旗艦スラバ級巡洋艦など2隻、宗谷海峡を経てオホーツク海へ
9月23日午前、ロシア太平洋艦隊旗艦スラバ級ミサイル巡洋艦(011)およびマルシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦(331)の2隻が日本海から宗谷海峡を経てオホーツク海に入った。

図18:(統合幕僚監部)毎月紹介するが、スラバ級ミサイル巡洋艦(011)「バリヤーク」。1万トンの大型でロシア太平洋艦隊の旗艦。両舷にP-1000 SSM(対艦ミサイル)連装発射機を計8基備え、艦首に[AK-130]口径130 mm連装速射砲1基を装備する。近接防御・対戦攻撃用装備も充実している。

図19:(統合幕僚監部)(331)は「マーシャル・クルイロフ」で太平洋艦隊に配備中。同型2隻建造されたが「マルシャル・ネデリン」は退役したので、本艦のみが現役。ミサイル追跡と宇宙船の回収を任務とする艦。満載排水量24,300 ton、全長211 m。前部マストに航海用レーダー、後部マストに捜索用レーダーを装備、中央のレドームは目標の追跡・測定用と思われる。後部甲板はKa-27PSヘリコプター離着艦用で隣接して2機収納用の格納庫がある。両舷側には大型密閉式救命ボート4隻を搭載する。

図20:(Wikipedia) 「マーシャル・クルイロフ」(331)の鮮明な写真。
- 9月25日 統合幕僚監部発表 ロシア軍の情報収集機IL-20、鳥取県沖に飛来
9月25日昼間ロシアIL-20情報収集機が日本海上空を北海道西岸・本州西岸を南下、鳥取県沖まで飛来、反転し、同じ航路で立ち去った。

図21:(統合幕僚監部)9月25日におけるIL-20情報収集機の航跡。

図22:(統合幕僚監部)IL-20情報収集機。
我国、同盟諸国の対応
- 9月1日Yahooニュース報道 来年度防衛予算に、「敵の目」攻撃用ミサイルおよび輸送機から発射する安価な巡航ミサイルの取得費を計上
「敵の目」とは早期警戒管制機(AWACS)・情報収集機・防空レーダー等を指す。8月31日公表の来年度(2027)防衛予算に空自の戦闘方式を大きく変える2種類のミサイル取得費が盛り込まれた。国産の三菱重工製「空対艦/空対空ミサイル(ASM-3改)と米国製の「対レーダー・ミサイル(AARGM-ER)がそれだ。さらにC-2輸送機等から発射できる低コストの巡航ミサイル「バラクーダ500M」の導入費も計上された。
「ASM-3改」;―
「ASM-3改」は2021年度から配備が始まった対艦ミサイル「ASM-3A」のソフトを変更し長距離対空ミサイルとしても使えるようにした両用ミサイル。飛翔速度はマッハ3以上、射程は400 km以上、エンジンは固体燃料ブースター付き・ラムジェットロケットで飛ぶ。重量は約900 kg。空自F-2戦闘機の翼下に2基搭載して敵の攻撃射程圏外から発射、対艦・対地攻撃を出来る。また「高価値敵航空目標」であるAWACS、情報収集機、タンカー等を遠距離から攻撃・破壊する。

図23:(航空幕僚監部)空自F-2戦闘機から発射される「ASM-3改」対艦・対空両用ミサイル。
「対レーダー・ミサイル(AARGM-ER)」;―
「対レーダー・ミサイル(AARGM-ER)」はRTX傘下のレイセオン(Raytheon Technologies) が「AGM-88G AARGM -ER (Advanced Anti-Radiation Guided Missile-Extended Range)/先進対輻射源誘導ミサイル射程延長型」の主契約社として製造している。原型のAGM-88ミサイルは1983年から配備が始まり、多くの改良を経て最新型のAARGM-ERに進化している。
「AGM-88G AARGM-ER」は、敵の地対空ミサイルのレーダーから放射される電波を検知、発射・破壊するミサイル・システム。大きさは直径25.4 cm、長さ417 cm、重さ335 kg、弾頭は炸裂時に無数の金属片を散布する爆風破砕弾頭、射程は約150km、飛翔速度はマッハ2.0プラス、推進はThiokol固体燃料ロケット、誘導は、終末誘導用にGPS/IMUとアクテイブ・ミリメートル波画像(MMIWI)認識システムで行う、F-35戦闘機のウエポン・ベイに収納可能である。

図24:(Raytheon)対レーダー・ミサイル「AGM-88E AARGM-ER」。[E]と[G]では外観の差はない。弾体は先端から順に、誘導部、弾頭部、制御部、推進部で、中央に4枚の誘導翼、後端に4枚の固定翼がついている。
「バラクーダ500M」(Barracuda 500M);―
「バラクーダ500M」(Barracuda 500M)は、米防衛企業「アンドウリル(Anduril industries)」が開発・製造する低価格の巡航ミサイル「バラクーダ系列」の最新版。地上・空中いずれからでも発射可能、射程1,000 km、速度350~1000 km/hr、弾頭に45 kgの炸薬を搭載する。米陸軍から「地上発射型バラクーダ500M (SLB 500M= Surface-Launched Barracuda 500M)」を2027年上半期から1000機/年の割合で3年間、合計3000機を受注している(2026年5月)。「SLB 500M」は20 foot ISOコンテナに16発搭載・射撃地点に輸送し、目標設定のソフトで目標を決め発射する。
「SLB 500M」は、簡単な構造で、部品を揃え普通の工具で30時間で組立てが可能。部品は3-Dプリントで作り、70 %以上は民生品を使っている。昨年(2025)南カリフォルニアに115,000平方フートの専用工場を建設し生産に入っている。さらにオハイオ州コロンバス(Columbus, Ohio)に500万平方フートの工場を新設、需要に対応する。エンジンは固体燃料ロケット・ブースター(SRM=Solid rocket Motor)を使うが、空軍の支援を受けミシシッピ(Mississippi)に専用工場を建設中である。
単価は、「バラクーダ500M(Barracuda 500M)」は25万ドル、これに対しトマホーク(Tomahawk)は200万ドル、JASSM-ERは150万ドル、価格に相当の開きがある。
台湾政府は、「バラクーダ500M」の国内生産を2026年から開始する。部品はすべて国内生産で賄う。
詳しくは「TokyoExpress 2024年10月17日 “アンドリル、低価格巡航ミサイル・バラクーダを発表」を参照されたい。

図25:(Router/Anduril)バラクーダ500Mは小型ジェットで自律飛行する低価格の巡航ミサイル。固体燃料ロケットで発射後、主翼、尾翼を展張し巡航飛行する。
- 9月1日 航空幕僚監部発表 空自戦闘機部隊等が百里基地・静岡県空域でフランス空軍部隊と共同訓練
9月15日〜18日の間、百里基地及び山梨県・静岡県空域で、空自百里基地第7航空団F-2A/B戦闘機8機と美保基地第3輸送航空隊KC-46A輸送給油機1機、及び入間基地中部航空警戒管制団は、訪日中のフランス空軍機と各種戦術訓練を実施した。
共同訓練は、戦術技量の向上と相互理解を深めるのが目的で、今回で3回目となる。
フランス航空宇宙軍の長距離展開ミッション「ペガサス(Pegase ) 2026」の一環で、訪日前はグリーンランド、カナダ、アラスカ、を経由。訪日後は韓国、インドネシア、インド、フランス領レ・ユニオン島、カタール、エジプトなどを訪問する。フランス空軍からの参加は次のとおり。
ラファールF-4戦闘機4機、MRTT輸送給油機3機、A400M輸送機2機。
「ラファール(Rafale)F-4」戦闘機はフランス・ダッソー(Dassault)が開発した多目的戦闘機、エンジンはスネクマ製M-88-2ターボファン推力17,000 lbs(A/B時)を2基装備する。最大離陸重量21.5 ton、最大速度マッハ2.0、兵装搭載量9.5 ton。空母離発着も可能。フランス空軍、海軍、とエジプト、インド・カタール・ギリシャが採用しており「ラファール」系列機全体として300機が使われている。

図26;(航空幕僚監部)百里基地空域で行われた日仏共同訓練「PEGASE2026」。「ラファールF-4」戦闘機を先頭に共同訓練参加機の編隊飛行。

図27;(航空幕僚監部)左はラファールF-4戦闘機、右は空自第7航空団F-2戦闘機。

図28:(航空自衛隊)駿河湾上空で富士山をバックに編隊飛行する左「ラファールF4」(疾風の意)戦闘機と空自F-2戦闘機。
- 9月1日 陸上幕僚監部発表 島嶼に対する揚陸用輸送艇MSV 1番艇が進水
自衛隊の陸海共用の輸送艦部隊「自衛隊海上輸送群」が2025年3月に発足した。この部隊が使う揚陸用輸送艇MSV (Maneuver Support Vessel)の1番艇「あかね」が2026年9月17日、横浜のジャパン・マリン・ユナイテッド(JMU)鶴見工場で進水した。「あかね」は2027年3月に艤装を終え、海自奄美大島・古仁屋港基地に新編される第3海上輸送隊に配備される、2027年度には追加3隻が加わり4隻体制となる。
揚陸用輸送艇MSVは、イギリスのBMT(British Maritime Technology)が建造する揚陸艇「Caimen」の設計を採用、これを基にJMUが建造中。基準排水量150 ton(満載排水量は400 ton ?)、全長35 m、最大幅8 m、推進はデイーゼル・エンジン主機3基とウオータージェット3基で出力7,600 hp、速力18 kts。乗員は10名。船体は「トライバウ・ハル」と呼ぶ「艦首が三胴で艦尾が単胴に近い形」の構造を採用。これで広い車両用デッキを確保している。アメリカ陸軍の揚陸艇MSV(L)も同様な設計になっている。

図29:(JMU・防衛省)2026-9-17、JMU鶴見工場で進水式を終えた揚陸用輸送艇 MSV 1番艇「あかね」。トライバウ・ハル艦首の扉はビーチング時に跳ね上げ、甲板に積載された大型車両が自力でランプから砂浜に上陸する。積載車両を増やすため艦橋は右舷に寄せている。

図30:(BMT / 防衛省) 揚陸用輸送艇 MSV 1番艇「あかね」の進水式はクレーンで行われた。艦首、底部、の形状がよくわかる。
- 9月2日 海上幕僚監部発表 IPD26部隊、マーシャル諸島警察と共同訓練
海自IPD26部隊は、太平洋島嶼国の一つ、マーシャル諸島警察部隊と首都マジュロ付近の海域で立入り検査などの訓練を行った。
- 9月3日 海上幕僚監部発表 海自潜水艦、ハワイ諸島周辺で米海軍と共同訓練
9月10日〜12月2日の間、海自潜水艦「はくげい」をハワイ諸島周辺海域に派遣、米国海軍と対潜水艦戦訓練及び施設利用訓練を実施する。潜水艦派遣訓練は昭和38年から毎年実施中で、RIMPACへの派遣を含め今回で91回目となる。「はくげい」は、川崎重工神戸工場で建造、2023年3月に就役、呉基地第1潜水隊群第1潜水隊に配属中。
「はくげい」は「たいげい」型潜水艦の2番艦。基準排水量3,000 ton (満載排水量は未公表だが4,200 ton以上)。全長84 m、機関はデイーゼル・エレクトリック方式エンジンとリチウム・イオン電池。乗員70名、兵装は艦首にHU-606 533 mm魚雷発射管6基を装備、18式魚雷やハープーン・ミサイルを発射できる。潜望鏡は非貫通式。船体は浮き架台(floating deck)構造で、騒音低減、衝撃緩和が図られている。同型艦は建造中を含めて10隻前後。

図31:(Military Report/海上自衛隊)潜水艦「はくげい (SS-514)」は「たいげい」型潜水艦の2番艦。内部構造のイラストを示す。
- 9月4日 海上幕僚監部発表 海自潜水艦、西太平洋海空域で米、豪、韓国海軍と共同訓練、および9月9日米第7艦隊発表 米・日・豪・韓国海軍が対潜水艦戦共同訓練を実施
8月25日~27日の間、海自潜水艦(名称不明)は、米海軍潜水艦(Submarine Group 7)、韓国海軍潜水艦、オーストラリア空軍P-8哨戒機と西太平洋海空域で共同訓練を実施した。訓練は海中での相互通信訓練、海中での会合訓練等で横須賀の指揮センターからの指令のもとで行われた。
- 9月7日 海上幕僚監部発表 海自遠洋練習航海部隊はマンサニージョ沖でメキシコ海軍と共同訓練
9月4日、メキシコを訪問中の海上自衛隊令和8年度遠洋練習航海部隊の練習艦「かしま(TV-3508)」、「やまぎり(TV-3515)」は、メキシコ太平洋岸マンサニージョ沖合でメキシコ海軍フリゲート「べニート・ファレス(Benito Juarez / POLA-101)」と親善訓練を行った。
「べニート・ファレス(Benito Juarez / POLA-101)」はオランダが輸出向けに開発したシグマ型フリゲート、満載排水量約2000 ton、最大速力28 kts、メキシコ海軍は同型艦2隻を運用している。

図32:(海上幕僚監部)海自練習艦「やまぎり(TV-3515)」満載排水量4,900 ton手前と、メキシコ海軍フリゲート「ベニート・ファレス(Benito Juarez / POLA-101)」奥。

図33:(旅行のもと)マンサニージョの位置。
9月8日 海上幕僚監部発表 関東南方太平洋上で海自護衛艦はニュージランド海軍と共同訓練
9月7日、8日、海自護衛艦「あまぎり(DD-154)」は関東南方の太平洋上でニュージランド海軍フリゲート「テ・マナ(HMNZS Te Mana / F111)」及び補給艦「アオテアロア(A11)」と、戦術運動、近接運動、通信訓練を行った。
「あまぎり(DD-154)」は「あさぎり」型の4番艦で1989年の就役、満載排水量4,900 ton、全長137 m、速力 30 kts、62口径5 inch速射砲1門、CIWS Mk.15対空機関砲2基、ハープーン対艦ミサイル4連装発射筒2基などを備える。同型艦は8隻だが来年(2027)には2隻が除籍される予定。
ニュージランド海軍フリゲート「テ・マナ(HMNZS Te Mana / F111)」は、ドイツのMEKO 200型フリゲートで、ニュージランド向けに2隻、オーストラリア向けに8隻建造された「アンザック級フリゲート(Anzac-class Frigate)の艦である。満載排水量3,600 ton、速力27 kts、兵装は62口径5 inch速射砲1門、対空機関砲CIWSが1基、その他となっている。就役は1999年末。
補給艦「アオテアロア(HMNZS Aotearoa / A11)」は韓国現代重工製で2020年就役、満載排水量26,000 ton、速力20 kts、補給艦として9,500 tonの燃料を搭載でき、大容量の真水生成装置を備えている。

図34:(海上幕僚監部)悪天候の中、海自護衛艦「あまぎり(DD-154」がニュージランド補給艦「アオテアロア(A11)」に接近、給油訓練をする様子。
- 9月8日 海上幕僚監部・航空幕僚監部発表 海自飛行艇・空自航空部隊は岩国基地周辺、四国南方の太平洋上で米空軍・海兵隊と共同救難訓練「Rescue Flag」を実施
8月24日〜9月4日の間岩国航空基地周辺、新潟県北方の日本海、および四国南方太平洋上で共同救難訓練(Rescue Flag)を実施した。
参加した機材は以下の通り;―
海自第31航空群US-2飛行艇、空自F-15J戦闘機、航空救難団U-125A救難捜索機、航空支援集団KC-46Aタンカー、UH-60J救難ヘリコプター、
米空軍第353特殊作戦航空団CV-22オスプレイ輸送機、HH-60W救難ヘリコプター、
海兵隊第12海兵航空群F-35B STOVL戦闘機及びKC-130J輸送機、、CH-53重量物輸送ヘリコプター、UH-1Yへリコプター(原型AH-1の近代化改修版で主翼は折畳み式)、MQ-9A無人攻撃・偵察機、TRAPチーム(航空機と人員の回収・救難をする役で第31海兵遠征部隊第2大隊上陸チームが必要に応じ編成する)。

図35:(海上幕僚監部、航空幕僚監部)空自UH-60J救難ヘリコプターから降下する隊員。

図36:(海上幕僚監部、航空幕僚監部)手前救助を待つ兵員と救難に向かう海自US-2飛行艇。

図37:(航空自衛隊)空自U-125A救難捜索機、米国ホーカー・ビーチクラフト(Hawker Beechcraft)製Hawker 800型機が原型、胴体下面に捜索用レーダー・アンテナ、機首下部に赤外線暗視装置を備える。空自国内11ヶ所の基地に配備中。
- 9月11日 航空幕僚監部発表 空自F-2戦闘機部隊がタイ経由インドを訪問、共同訓練
9月6日及び7日、築城基地・第8航空団のF-2戦闘機部隊は、インドで実施される共同訓練「ビーア・ガーデイアン26」に参加した。往路の途中タイに寄航、タイ空軍と部隊間交流及び基地指令を表敬訪問した。2027年日・タイ外交関係樹立140周年を控え、相互信頼醸成の促進を図った。

図38:(航空幕僚監部)タイ空軍基地を訪問した空自第8航空団F-2戦闘機部隊。
- 9月8日 海上幕僚監部発表 海自護衛艦が関東南方太平洋でイタリア海軍と共同訓練
9月7日、関東南方の太平洋上で海自フリゲート「もがみ(FFM-1)」はイタリア海軍哨戒艦「ジョバンニ・デレ・バンデネーレ」と共同訓練を実施した。
「もがみ(FFM-1)」は満載排水量5,500 ton、全長133 m、速力30 kts以上、兵装は62口径5 inch砲1門、Mk.41 VLS 16セル1基、Sea RAM対空ロケット砲1基、対艦ミサイル17式SSM4連装発射筒2基などを装備する。同型艦は10隻が就役、2隻建造中。
イタリア海軍の多目的海洋哨戒艦「ジョバンニ・デレ・バンデネーレ(Giovanni delle Bande Nere / P434」は、インド太平洋での作戦拡大の一環として9月2日から同7日まで横須賀基地に寄港した。北朝鮮籍の船舶の違法な海上活動を監視するために来日したもので今回が3回目となる。
同艦は、「タオン・デイ・レベル」級哨戒艦の4番艦で2024年に完成、満載排水量6,000 ton、全長133 m、速力32 kts、兵装は64口径5inch砲1門、対艦ミサイル、対空ミサイルを装備する。

図39:(海上幕僚監部)イタリア海軍哨戒艦「ジョバンニ・デレ・バンデネーレ」を見送る海自フリゲート「もがみ(FFM-1)」の兵員。

図40:イタリア海軍哨戒艦「ジョバンニ・デレ・バンデネーレ(P434)」の鮮明な写真。
- 9月9日 海自護衛艦が北海道西の日本海で海保巡視船と共同訓練
9月8日、海自舞鶴基地・第4哨戒防備隊フリゲート「あがの(FFM-6)」は、北海道西方の日本海で、海上保安庁の第1管区海上保安本部巡視船「しれとこ」、「さろべつ」、及び固定翼機MA727と共同訓練を行った。訓練は、護衛艦と巡視船の運動要領等に関わる訓練、さらに重要施設等に向かう不審船を想定した訓練である。
哨戒防備群麾下の舞鶴基地・第4哨戒防備隊には、フリゲート「やはぎ(FFM-5)」、「あがの(FFM-6)」、と汎用護衛艦「せんだい(DE-232)」2,500 ton、それにミサイル艇「はやぶさ(PG-842)」、「うみたか(PG-828)」、いずれも満載240 ton型、が配備されている。これで日本列島の日本海側の防備を担当している。

図41:(海上保安庁)左が海上保安庁巡視船「さろべつ(PS18)」、総トン数195 ton、全長46 m、速力35 kts、JM61-RFS 20 mm多銃身機関砲1基を備える。右は海自フリゲート「あがの(FFM-6)」、これは「もがみ型」の6番艦、満載排水量5,500 ton、長さ133 m、速力30 kts。
- 9月11日 第7艦隊発表 日・米・韓共同訓練「Freedom Edge 26」完了
5日間にわたって行われた日・米・韓共同訓練「Freedom Edge 26」は9月11日に終了した。この訓練は、海、空、医療救難、サイバー攻撃に対応する3カ国間の連絡、素早い対処、即応体制の向上を目指す訓練で、韓国の南西空域・東シナ海と日本の各基地、指揮中枢を含む海空域で実施された。
- 9月15日海上幕僚監部発表 海自IPD 26部隊は、パラオ共和国ぺリリユー島で米海軍および海兵隊の建設部隊と施設補修共同訓練を実施
9月7日〜11日の間、海自令和8年度インド太平洋方面派遣部隊(IPD 26)は、パラオ共和国ペリリュー島(Peleliu Island)で、米海軍第5機動建設大隊及び米海兵隊第7海兵建設支援大隊と施設補習訓練を実施した。

図42:(海上幕僚監部)ペリリユー島で行う施設補修訓練に参加する日米担当部隊。

図43:(産経新聞)パラオ共和国ペリリュー島の位置。フィリピン・ミンダナオ島の東1000 kmの太平洋にある。

図44:(Wikipedia)ペリリュー島(Peleliu Island)の全景。パラオ諸島の主要な島の一つ。大東亜戦争・マリアナ・パラオを巡る日米両軍の戦いで、ペリリュー島の守備についていた日本陸軍・歩兵第2連隊、同第15連隊の将兵約10,000名が激戦の末全滅した。だが密林の洞窟内で戦いを続けていた34名は全滅したことを知らず抵抗を続け、昭和22年(1947年)になってやっと投降し帰国した。戦後70年の2015年4月、当時の昭仁天皇・美智子皇后両陛下は、現地に日本政府が建立(1985年)した慰霊碑に参拝され、戦没将兵の英霊を弔われた。米軍の死傷者は8,800人以上。(詳細は早坂隆著「ペリリュー玉砕 南洋のサムライ中川州男の戦い」文春文庫2019 を参照)

図45:(宮内庁)平成27年4月9日、天皇皇后両陛下はペリリュー島を御訪問、日本政府が建立した「西太平洋戦没者の碑」に参拝され、戦没日本軍将兵の英霊を弔われた。この後、両陛下は「米陸軍第81歩兵師団慰霊碑」にも参拝された。
- 9月15日 海上幕僚監部発表 海自護衛艦は、西太平洋でオーストラリア海軍と共同訓練 「Trident 25-2」を実施
9月12日〜14日の間、西太平洋城で海自護衛艦「ふゆづき」はオーストラリア海軍駆逐艦「シドニー」と共同訓練を行い、対潜水艦戦、ドローン対処訓練、通信訓練などを行い技量の向上を図った。
「ふゆづき(DD-118)」は、「あきづき(DD-115)」型4隻のの4番艦で2014年就役、舞鶴基地第3水上戦群・第3水上戦隊に所属する汎用護衛艦。満載排水量6,800 ton、全長150.5 m、最大速力30 kts、兵装は62口径5 inch砲1門、対空機関砲CIWS 2基、Mk.41 VLS 32セルにESSM短SUM、07式SUMなどを搭載、対艦攻撃ミサイル90式・後に25式の4連装発射筒2基、などを備える。レーダーはFCS-3A多機能型で捜索用アンテナを艦橋4面に装備する。
「シドニー(HNAS Sydney / DDG 42)」は、「ホバート(Hobart)」級防空駆逐艦3隻のうちの一隻で2020年就役。スペイン海軍のフリゲート「アルバロ・デ・バサン(Alvaro de Bazan)を原型とし改良した艦で、満載排水量6,350 ton、全長147.5 m、速力28 kts、兵装は、62口径127 mm砲1門、対空機関砲Mk,15 CIWS 1基、対空ミサイルSM-2R、SM-6、等を発射するMk.41 VLS 48セル1基、対艦ミサイル・ハープーン4連装発射筒2基、などを備える。レーダーはAN/SPY-1D(V)。

図46:(海上幕僚監部)西太平洋城で共同訓練をする、左が海自「ふゆづき(DD-118)」、右がオーストラリア海軍防空駆逐艦「シドニー(HNAS Sydney / DDG 42)」。
- 9月15日 海上幕僚監部発表 海自水陸両用機雷戦群はグアム島周辺で米海軍水中処分隊と掃海特別訓練を実施
9月22日〜30日の間グアム島及び周辺海域で、海自「水陸両用機雷戦群」の水中処分員は、米海軍「第5機動水中処分隊」の水中処分員と対機雷戦及び水中処分」訓練を行った。グアムでの掃海特別訓練は令和6年から毎年実施、今回は3回目。

図47:(海上自衛隊)処分員2名だけで潜り、お互いの手信号と目だけで判り合い、70年来培ってきたやり方で機雷を処分する。
9月16日 海上幕僚監部発表 海自電子戦機部隊は東シナ海空域で米海軍電子戦機と共同訓練を実施
9月15日東シナ海空域で、海上自衛隊の電子情報偵察機「EP-3」、画像情報収集機「OP-3C」は米海軍電子戦機MQ-4Cと情報交換訓練を実施した。
「EP-3」は「P-3C」哨戒機を基本に川崎重工で開発された電子線情報偵察機、岩国基地・第31航空群・第81航空隊に5機配備されている。第81航空隊にはこのほかに画像情報収集機「UP-3C」と電子戦訓練機「UP-3D」が配備されている。
「EP-3C」は、離陸重量56 ton、翼幅30.4 m、全長32.7 m、エンジンはアリソンT-56A-IHI 14ターボプロップ出力4,900 HP,、乗員11名。
「OP-3C」は、「EP^3C」と同様、5機あり、尾部のMADブームを取外し胴体前部下面にレドームを増設、SLAR/側方監視レーダーまたはLOROP長距離監視センサーを装備する。
米海軍電子戦機「MQ-4C」トライトン(Triton)は、ノースロップ・グラマン(Northrop Grumman)が開発した無人偵察機「RQ-4」グローバル・ホーク(Global Hawk)の洋上監視型機。2018年から運用開始、最終的には5箇所に68機を配備する予定。低空での飛行に備え構造強化と防氷対策が行われている。電子機器は、XバンドAESAレーダーAN/ZPY-3 MFAS(多機能アクテイブ・センサー)を搭載する。2022年5月から岩国基地に、2025年4月から嘉手納基地に数機配備中。地上人員4名で運用される。全長14.5 m、翼幅39.9 m、長さ14.5 m、離陸重量14.6 ton、最大速度575 km/hr、飛行時間24時間、エンジンはRR AE 3007Hターボファン40 kNを1基。

図48:(海上自衛隊)海自電子情報偵察機「EP-3」を背景に記念撮影。薄色服2名は米無人機「MQ-9C」の地上操縦要員、濃い服は海自「EP-3C」の操縦要員。

図49:(海上自衛隊)海自「EP-3C」、米海軍の同じELINT機EP-3Cとは搭載機器が国産なので外観はかなり違う。

図50:(海上自衛隊)画像情報収集機「OP-3C」は、機首下面にレドームを増設、尾部のMADブームはない。

図51:(読売新聞)三沢基地に到着した米海軍電子戦機「MQ-4C」トライトン(2021年5月撮影)。米海軍では68機導入を計画している。
- 9月19日 統合幕僚監部発表 沖縄本島東方の太平洋で空自第9航空団と米空軍F-22戦闘機部隊が共同訓練を実施
9月18日、沖縄本島の東の太平洋上で、空自第9航空団(那覇基地)F-15戦闘機4機は米空軍が沖縄にローテーション配備するF-22戦闘機9機と各種戦術訓練を実施した。これには米空軍のKC-135給油機が参加した。
- 9月25日 航空幕僚監部発表 空自戦闘機部隊、インドでインド空軍と共同訓練を実施
9月20日、インド北西部のラジャスターン州(Rajasthan state)にある[ジョードブル空軍基地(Jodhpur Air Force Station)]で、航空自衛隊築城基地の第8航空団F-2戦闘機部隊3機はインド空軍戦闘機と共同訓練「ビーア・ガーデイアン26 (Veer Guardian 26)」を行った。派遣部隊は110名で、C-2輸送機2機(58-1219および38-1217)が支援のため同行した。今回は空自戦闘機部隊の最初のインド展開であり、5,600 km離れたインドへの長距離飛行は、空自機の遠方展開能力を高める良い機会となった。また日印空軍の協力を新たな段階へ発展させる重要な節目となった。

図52:(航空幕僚監部)両側はインド空軍Su-30MKI戦闘機2機、中央の前後2機はフランス製ラファールEH戦闘機、その両側の空自F-2戦闘機2機の編隊飛行。

図53:(航空幕僚監部)米空軍のKC-135タンカーから給油を受ける空自F-2A戦闘機。

図54:(航空幕僚監部)インドへ展開した空自第8航空団F-2戦闘機
- 9月28日 海上幕僚監部発表 海自P-3C哨戒機、米海軍P-8Aと西太平洋で対潜水艦戦の共同訓練を実施
9月24日・25日、西太平洋城で三沢基地を拠点にした海自「第2航空群」P-3C哨戒機と米海軍第7艦隊を支援する「CTF 72(第72巡回・偵察・監視 任務群)」のP-8Aポセイドン哨戒機は、対潜水艦訓練を行った。

図55:(海上幕僚監部)三沢基地で海自P-3C哨戒機を背景に対潜訓練に参加した両海軍の兵士集合写真。
- 9月29日 統合幕僚監部発表 日米共同統合演習「キーン・ソード27 (Keen Sword 27)」
10月19日〜29日の間、日米両国軍は我が国全域の軍事施設、民間空港及び港湾施設、我が国周辺の海空域で日米共同統合演習を実施する。これで統合運用能力の向上を図り、地域の平和と安全に積極的に貢献する。
参加は;―
自衛隊:統合作戦司令官 俵 千城 海将
米軍 :太平洋艦隊司令官 ステファン・ケーラー(Stefan T. Koehler)海軍大将 (F-14 Tomcat戦闘機パイロット出身)
主要訓練項目は;―
防空ミサイル訓練、対艦戦闘訓練、水陸両用訓練、サイバー攻撃対処訓練、情報線訓練、統合通信訓練、宇宙状況把握等に関する訓練、統合電磁波作戦訓練、統合後方運用訓練、機動分散運用訓練、重要施設防御訓練、等
実施部隊は;―
自衛隊:3軍幕僚監部、陸自各方面隊等、海自 自衛艦隊、各地方隊等、空自 航空総隊、航空支援集団等、共同部隊(情報保全隊、サイバー防衛隊、海上輸送隊)
米軍:太平洋陸軍、太平洋海軍、太平洋空軍、太平洋海兵隊、在日米軍等で人員約12,000名が参加
同盟国軍:カナダ軍、フランス軍、オランダ軍、ニュージランド軍、フィリピン軍、
演習参加規模は:―
自衛隊:兵員45,000名、車両6,100両、艦艇40隻、航空機260機等
「キーン・ソード27 (Keen Sword 27)」で、陸自は最新型の長距離地対艦ミサイル「25式地対艦誘導弾」を熊本県建軍駐屯地から長崎・佐賀両県にまたがる大野原演習場に展開する。実射はせず発射訓練を行う。
米軍は、最新鋭の対艦ミサイル「ネメシス」を与那国島に展開、中国軍の台湾侵攻に備える。
「25式地対艦誘導弾」は三菱重工が主契約となり開発した射程1,000 km を遥かに超えるスタンド・オフ巡航ミサイル。最初に陸自第2特科団の「第5地対艦ミサイルに連隊」(建軍駐屯地)に配備された(2026年3月)。中国本土東海岸の軍事施設の多くは射程内にある。
「対艦ミサイル「ネメシス(NEMESIS=Navy Marine Expeditionary Ship Interdiction System/海軍・海兵隊遠征対艦ミサイル)」は、遠征前進基地作戦を任務とする海兵隊沿岸連隊が使う「無人地対艦ミサイル・システム」である。ノルウエイのコングスベルグ社(Kongsberg Defense and Aerospace)が開発した「NSM=Naval Strike Missile」重量400 kg、射程200 km以上、をL-ATVを無人化した車両に2連装N S M発射機を搭載したシステム。L-ATV(Light Combat Tactical All-terrain Vehicle)は4輪駆動の装輪多目的軍用車両でオシュコシュ(Oshkosh Corp)製、2019年から陸軍向け49,000両、海兵隊向け5,500両が作られた。

図56:(陸上自衛隊)「25式地対艦誘導弾」4発を搭載した発射車両。

図57:沖縄県キャンプ・ハンセン(Camp Hansen) 海兵隊基地で公開された第3海兵師団のネメシス(NMESIS)。無人化したL-ATV車両にNSM対艦ミサイル2発を搭載している。
―以上―