令和8年8月、我国周辺での中露軍活動と我国/同盟諸国の対応



2026年9月7日(令和8年) 松尾芳郎

令和8年8月、我国および台湾周辺における中露軍の活動は7月に続いて活発。これに対し我国および同盟諸国は、抑止力強化に努めている。

(China’s PLA and Russian Force’ s military drill near Japan and Taiwan territorial area in August, get higher as July. Japan and allies are putting defensive act against the hostiles. Following are the details of major issues.) 

防衛省および各幕僚監部、米第7艦隊などが発表した7月における我国周辺の中露両軍の軍事活動および我国と同盟諸国軍の対応は以下の通り。

中露、北鮮軍の動向

  • 7月12日NYタイムス/デイリー新潮が報道 日本はロシアスパイの活動拠点

これは7月に報道された件だが、1ヶ月経過しても日本政府の明確な対処策が報じられていないので、再度述べる。

ニューヨーク・タイムスは7月12日、「ウクライナ侵攻が始まった2022年以降、西側諸国から追放されたロシア・スパイが日本に流入、日本がその活動拠点となり、戦闘継続のために必要な半導体や電子部品を入手・大量にロシアに持ち出し、ウクライナを攻撃するミサイルやドローンに使っている」と報じた。

ところが日本政府は「天然ガスの不足」を理由に、2025年4月からロシアと取引が必要と判断、人的交流、経済的交流、文化的交流を促進し始めた。それ以降ロシアから多数の“観光客”が入国するようになった。これで2025年の訪日ロシア人は20万人近くに増え、これまでの最多となった。しかもビザ発給手数料は無料、日本人がロシアに行くのには約9,000円の手数料がかかると言うのにだ。

ロシアの航空会社エアロフロートは、ウクライナ侵攻後日本への乗入れが停止された。しかし4年後の現在もエアロフロートの日本支社が虎ノ門に置かれたまま。この支店長がロシアの大物スパイだ、とニューヨーク・タイムスが報じた(2026-07-12)。この支店長は日本政府が取り調べを始める前に、すぐに出国、ロシアに帰った。

正式なロシア・スパイでなくても、訪日ロシア民間人は、パソコンやハイテク電子機器を大量に買い漁り、帰国後、軍需工場に売却して利益を得ている。

ウクライナ政府は「ウクライナ攻撃に使うミサイルやドローンの殆ど(90%)には日本製部品が使われている」と報じている。つまり、正規の輸出でないにも関わらず日本は事実上ロシアに軍事支援を行っていると言うことだ。

日本政府は、輸出入管理をもっと厳格にし、ロシア入の入出国者の審査を厳重にすべきである。これをきちんとしていないため、欧米諸国から不興を買っている。西欧諸国がウクライナに対する軍事支援を強化している中で、日本が日本製のハイテク部品のロシアへの流入を黙認している現状に怒っている。

  • 8月5日 産経ニュース報道 ロシア、北方領土で大規模演習通告・実施

図1:左下が北海道・納沙布岬、この沖に広がる北方領土。手前が歯舞諸島と色丹島、奥に霞んで見えるのが国後島と択捉島。

図2:(外務省)北海道と北方4島の地図。

ロシアが、占拠している我国北方領土周辺で大規模な軍事演習を行うと通告してきた。8月5日から10日の間、択捉島・国後島の海域で実弾射撃訓練を行うため、ロシア太平洋艦隊が日本海・オホーツク海・太平洋北西部海域に大規模移動を開始した。合計60隻の艦艇、兵員15,000名を動員して行われる。プーチン大統領は8月13日に択捉島を訪問、学校や病院、それに水産加工工場などを視察した。9月には5年ぶりとなるロシア下院議員選挙を控えて、「領土問題では譲らない」と言う強い姿勢を国民にアピールする狙いがあると受け止められている。

我国外務省は抗議し、高市総理は「断じて許容できない」と語ったが所詮は「犬の遠吠え」に過ぎない。もっと実効性のある対策、輸出規制の厳格化、訪日ロシア人の入国制限、などを実施すべきと思う。

この演習には中国軍も一部参加していて両国が軍事的に協力関係にあることを内外に誇示している。以下に統合幕僚監部が発表した具体的な動向を示す。

  • 8月3日 統合幕僚監部発表 中国海軍艦艇、日本海から対馬海峡を経て東シナ海へ

8月2日夜、レンハイ級ミサイル駆逐艦(103)、ルーヤンIII級ミサイル駆逐艦(124)、フチ級補給艦(903)が対馬海峡を経て東シナ海に入った。これらは7月16日から27日にかけてロシア艦艇と合同して、宮古海峡を経て太平洋へ、沖ノ鳥島から硫黄島、千葉県犬吠埼沖、北上して北海道・納沙布岬からオホーツク海、そして宗谷海峡を通過して日本海に入った。

つまり中露艦隊が7月中旬からほぼ2週間をかけ日本一周の航海を行い我国に対し威圧を試みた訳だ。

図3:(日経)我が統合幕僚監部と中国軍発表を基に日経が描いた「7月での中露海軍の我が国周回のルート」。中露軍による我国への脅しである。我が海上自衛隊・航空自衛隊は艦艇・航空機を派遣、彼らの行動を逐一完全に把握・監視して万一の事態に備えた。

図4:(統合幕僚監部)レンハイ級ミサイル駆逐艦(103)「鞍山」、「055型」南昌級で、満載排水量13,000 ton、全長183 m、速力30 kts、対空・対艦ミサイル等の垂直発射装置VLS 112セル備える。兵装が充実している大型艦。同型は10隻が就役中で4隻が2027年に完成する。

図5:(統合幕僚監部)ルーヤン(旅洋)III級ミサイル駆逐艦(124)「開封」、「052D型」と呼ばれ、満載排水量7,500 ton、全長156 m30 kts、対空・対艦ミサイル用VLS 64セル備える。同型艦は33隻が就役中。

図6:(統合幕僚監部)フチ級補給艦(903)可可西里湖」は「903A型」、満載排水量23,000 ton、全長178.5 m、速力20 kts、同型艦は10隻が就役。

  • 8月5日 統合幕僚監部発表 ロシア海軍艦艇5隻が宗谷海峡を経てオホーツク海へ

8月4日午前から5日にかけて、ロシア海軍スラバ級ミサイル巡洋艦(011(、ウダロイI級駆逐艦(548)、ステレグシチー級フリゲート(333)(335)(339)の3隻、の合計5隻が、宗谷海峡を経てオホーツク海へ入った。

図7:(統合幕僚監部)スラバ級ミサイル巡洋艦(011)「バリヤーク」。1万トンの大型でロシア太平洋艦隊の旗艦。両舷にP-1000 SSM(対艦ミサイル)連装発射機を計8基備え、艦首に[AK-130]口径130 mm連装速射砲1基を装備する。近接防御・対戦攻撃用装備も充実している。

図8:(統合幕僚監部)(548)は「アドミラル・パンテレーエフ」1991年の就役、満載排水量8,500 ton、全長163.5 m、速力29 kts、100 mm単装砲2門、30 mm CIWS 2基、対潜ミサイル4連装発射筒2基などを備える。同型艦は13隻ある。

図9:(統合幕僚監部)満載排水量2,200 ton、全長104.5 m、最大速力27 kts.。沿岸警備用の汎用艦で、同型は建造中3隻を含め20隻。(339)は2020年就役の「アルダー・ツイデンジャポフ」。

  • 8月6日 防衛省発表 北朝鮮弾道ミサイル発射

8月6日午後5時過ぎに北朝鮮が弾道ミサイル1発を日本海に向け発射、北朝鮮北東部付近に着弾した。

  • 8月10日 統合幕僚監部発表 ロシア海軍ミサイル護衛哨戒艇4隻が宗谷海峡を経てオホーツク海へ

8月9日午前ロシア海軍タランタルIII級ミサイル護衛哨戒艇4隻、(916)(946)(971) (978)、が宗谷海峡を経てオホーツク海に向かった。また10日早朝2時頃に同じタランタルIII級ミサイル護衛哨戒艇2隻(921) (924)およびアムガ級ミサイル補給艦の計3隻が宗谷海峡を経てオホーツク海に向かった。

図10:(統合幕僚監部)タランタル(Tarantul) III級ミサイル護衛哨戒艇[1241 1]型。沿岸警備を任務とする500 ton級・長さ56 m、速力40 ktsの艇。主にハバロフスク造船工場などで34隻が建造された。対艦ミサイル「P-270型3M80・モスキート」(射程90-250 km)連装発射筒2基を搭載する。また対空ミサイル「9K38イグラ」と「AK-630 M」防空システム2基を搭載する。主砲は [AK-176M]  76 mm単装砲を1門。

図11:(統合幕僚監部)アガム級ミサイル補給艦。デルタ級戦略原潜に搭載するR-29 大陸間弾道弾(ICBM) 16発を運搬する補給艦。

  • 8月10日 統合幕僚監部発表 ロシアIL-20情報収集機が京都府の沖・日本海に飛来

8月10日昼間ロシア軍IL-20情報収集機が日本海上空を南に飛行、京都府経ヶ崎沖に飛来、反転して大陸方面に去った。

図12:(統合幕僚監部)8月10日の[IL-20] 情報収集機の飛行経路

図13:(統合幕僚監部)「Il-20」は、監視・偵察(surveillance, reconnaissance)用の4発ターボプロップ機、1968年3月初飛行、19機が製造された。[ELINT] (electronic intelligence)および[COMINT] (communication intelligence)用電子機器を搭載する。

  • 8月12日 統合幕僚監部発表 中国軍Y-9 情報収集機が長崎県沖から沖縄本島付近に飛来

8月12日午後、中国軍Y-9情報収集機が大陸方面から飛来、長崎県男女群島南から沖縄本島沖に飛来、反転して大陸方面に去った。

図14:(統合幕僚監部)8月12日沖縄本島沖に飛来した [Y-9] 情報収集機の航跡。

図15:(統合幕僚監部)Y-9情報収集機。これは[Y-9DZ]で機首先端と下面のレドームを大きくしたELINT(electronic intelligence)機。胴体下部にSAR(合成開口レーダー)アンテナがある。

  • 8月14日 統合幕僚監部発表 ロシア海軍キロ級改潜水艦他が与那国島を経て東シナ海へ/8月17日統合幕僚監部発表 同潜水艦隊は8月16日対馬海峡を経て日本海へ

8月13日午後、ロシア海軍キロ級改潜水艦とイゴリ・ペロウソフ級潜水艦救難艦が与那国島と西表島の海峡を経て太平洋から東シナ海に入った。これらは7月1日、2日に対馬海峡を経て東シナ海に入り7月19日に与那国島―西表島海峡を抜け太平洋に出た艦である。

その後8月16日これらは対馬海峡を経て日本海に向け航行した。

図16:(統合幕僚監部)「キロ」級877型の改良型で「636号計画艦」。エンジンは出力向上したターボデイーゼルになり、充電時間を短縮。推進プロペラを6翅から7翅にして回転数を半減し騒音を抑えている。排水量は水上2,350 ton、水中3,950 ton、長さ74 m、水中速力25 kts。兵装は533 mm魚雷発射管6門、艦橋に対空ミサイル発射筒があり、浮上して発射する。

図17:(統合幕僚監部)

  • 8月14日早朝 統合幕僚監部発表 ロシア海軍タランタルIII級ミサイル護衛哨戒艇4隻宗谷岬を経て日本海へ

ロシア海軍タランタルIII級ミサイル護衛哨戒艇4隻(916)(946)(971)(978)が宗谷岬を経てオホーツク海から日本海へ向け航行した。

図18:(統合幕僚監部)8月14日早朝宗谷岬を経て日本海に入ったタランタルIII級ミサイル護衛哨戒艇4隻のうちの一隻(916)

  • 8月17日 統合幕僚監部発表 ロシア海軍ウダロイI級駆逐艦宗谷海峡を経て日本海へ

8月15日早朝、ロシア海軍ウダロイI級駆逐艦(548)は宗谷海峡を経て日本海に入った。この艦は8月4日宗谷海峡を経てオホーツク海に入り演習に参加した。

図19:(統合幕僚監部)8月15日宗谷海峡を経て日本海へ航行したウダロイI級駆逐艦。

  • 8月17日 統合幕僚監部発表 ロシア海軍バルサム級情報収集艦(80)、宗谷海峡を経て日本海へ

8月15日夜間、ロシア海軍バルサム級情報収集艦(80)が宗谷海峡を経て日本海へ入った。この艦は7月22日宗谷海峡を経てオホーツク海に入り、演習に参加した、

図20:(統合幕僚監部)バルサム級情報収集艦[SSV-80] Plibaltika(プリバルチカ)は、1984年就役、太平洋艦隊に所属。

  • 8月18日 統合幕僚監部発表 中国軍Y-9情報収集機およびTB 001偵察/攻撃型無人機東シナ海で飛行

8月18日昼間、Y-9情報収集機が中国本土浙江省方面から沖縄本島沖に飛来、東北へ変針鹿児島沖へ、再度変針して大陸方面へ向かった。

同日午後に、TB 001偵察/攻撃型無人機が中国本土から東シナ海中部に飛来、鹿児島県沖で南に変針、奄美大島沖で西に向かい立ち去った。

図21:(統合幕僚監部)8月18日、Y-9情報収集機とTB 001偵察・攻撃型無人機の

航跡。

図22:(統合幕僚監部)Y-9情報収集機。[Y-9DZ]型で機首先端と下面のレドームを大きくしたELINT(electronic intelligence)機。胴体下部にSAR(合成開口レーダー)アンテナがある。最近飛来するのはこの型が多い。

図23:(統合幕僚監部)[TB-001] は四川盾科技が開発した偵察・攻撃型無人機。双胴型で前端にエンジン/プロペラを計2基を装備する。翼幅20 m、全長 10 m、航続距離は6,000 km、飛行高度は8,000 m、離陸重量は2.8 ton、搭載量は1 tonで翼下面のハード・ポイント8箇所にFT-9誘導爆弾・ミサイルなどを搭載できる。612日にも沖縄本島付近に飛来している。

  • 8月19日 統合幕僚監部発表 中国軍Y-9情報収集機東シナ海・鹿児島県沖・沖縄本島沖へ飛行、反転元に戻る

Y-9情報収集機が大陸から飛来、鹿児島県沖、沖縄本島沖に接近、反転して同じコースで立ち去った。

図24:(統合幕僚監部)8月19日鹿児島県沖・沖縄本島沖に飛来した[Y-9]情報収集機の航跡。

図25:(統合幕僚監部)8月19日鹿児島県沖・沖縄本島沖に飛来した[Y-9]情報収集機

  • 8月20日 統合幕僚監部発表 ロシア海軍スラバ級ミサイル巡洋艦宗谷海峡を経て日本海へ

8月20日昼間、ロシア海軍スラバ級ミサイル巡洋艦(011)が宗谷海峡を経て日本海へ入った。この艦は8月4日宗谷海峡を経てオホーツク海に入り演習に参加した。

図26:(統合幕僚監部)スラバ級ミサイル巡洋艦(011)「バリヤーク」。1万トンの大型艦でロシア太平洋艦隊の旗艦。

  • 8月20日 防衛省発表、ロイター通信報道 北朝鮮短距離弾道ミサイル10発を発射

防衛省は20日午後、北朝鮮から弾道ミサイルが発射され、我が国EEZから離れた日本海東北部に落下、と発表した。これは8月6日、12日、に続く3回目の発射となる。

韓国軍合同参謀本部は、平壌付近から短距離弾道ミサイル10発以上が発射され、300 km飛行して日本海北部に落下した、いずれも600 mm多連装ロケット砲[KN-25]と見られる、と発表した。

北朝鮮は[KN-25]について戦術核弾頭を搭載可能と主張している。韓国政府は、北朝鮮は100発程度の核弾頭を保有と推定している。

北朝鮮軍は、今年1月下旬にも[KN-25]多連装ロケット砲システムの実弾射撃演習を実施、4発の実弾が約350 kmを飛翔、標的に着弾させている。

[KN-25]は、直径60 cm、全長8.2 m、重量3,000 kg、射程380 km、命中精度(CEF)は80-90 m、衛星誘導を併用した慣性誘導装置、8 x 8輪トラックに架装された4連装発射機と6連装発射機がある。

  • 8月21日 統合幕僚監部発表 ロシア海軍フリゲート3隻宗谷海峡を経て日本海へ

8月21日早朝、ロシア海軍・ステレグシチー級フリゲート3隻(333) (335) (339)が宗谷海峡を経て日本海へ航行した。これらは8月4日〜5日に宗谷海峡を経てオホーツク海へ向かい演習に参加したもの。

図27:(統合幕僚監部)ステレグシチー級フリゲート(333)「ソベルシェンヌイ」は2017年の就役。

  • 8月21日 統合幕僚監部発表 ロシアIL-20情報収集機、日本海石川県沖に飛来、

8月21日昼間、ロシアIL-20情報収集機が日本海能登半島石川県沖に飛来、反転して立ち去った。

図28:(統合幕僚監部)8月21日飛来した[IL-20]情報収集機の航跡。

図:(統合幕僚監部)8月21日飛来した[IL-20]情報収集機・

  • 8月24日 統合幕僚監部発表 中国海軍ルーヤンIII級ミサイル駆逐艦など4隻、宮古海峡を経て太平洋へ

8月22日早朝、中国海軍ルーヤンIII級ミサイル駆逐艦159)(133)およびジャンカイII級フリゲート(537)(535)が二手に分かれて宮古海峡を通過太平洋へ向け航行した。(写真なし)

  • 8月25日 統合幕僚監部発表 中国軍Y-9情報収集機、東シナ海、奄美大島・沖縄本島に沿い往復飛行

8月25日Y-9情報収集機が奄美大島沖・沖縄本島沖を往復飛行して立ち去った。

図29:(統合幕僚監部)8月25日Y-9情報収集機の航跡。

図30:(統合幕僚監部)8月25日に奄美大島・沖縄本島沖に飛来した[Y-9]情報収集機[Y-9DZ]型のようだ。

  • 8月27日 統合幕僚幹部発表 ロシア海軍ミサイル護衛哨戒艇など3隻宗谷海峡を経て日本海へ

8月27日早朝ロシア海軍タランタルIII級ミサイル護衛哨戒艇2隻(921) (924)およびアムガ級ミサイル補給艦の3隻が宗谷海峡を経て日本海に入った。これらは8月10日宗谷海峡を経てオホーツク海に入り、演習に参加した艦艇である。

図31:(統合幕僚監部)

図32:(統合幕僚監部)

  • 8月31日 統合幕僚監部発表 ロシア海軍ステレグシチー級フリゲート1隻が宗谷海峡を経てオホーツク海へ

8月31日朝、ロシア海軍ステレグシチー級フリゲート(343)が宗谷海峡を経てオホーツク海へ向け航行した。

図33:(統合幕僚監部)ステレグシチー級フリゲート(343)「レーズキイ」は2023年就役の新造艦。

我が国同盟諸国の対応

  • 8月4日 陸上幕僚監部発表 北海道静内対空射撃場で地対艦ミサイル射撃訓練を実施

8月16日〜25日の間、陸自北部方面隊第1特科団(北海道千歳)、西部方面隊第2特科団(大分県湯布院)は、北海道・日高町の静内対空射撃場で88式地対艦ミサイルの実弾射撃訓練を実施した。偶然にも8月にはロシア軍が北方領土で地対艦ミサイル発射訓練を行っており、同時期に両国が類似訓練を行う形となった。

今回の訓練では北部方面システム通信群が加わり「ネットワーク電子戦システム(NEWS)」を展開、「電子戦装置IV型」で敵艦隊のレーダー波などを捕捉、目標位置を特定し、ミサイル射撃を援助する。

静内射撃場は、北海道南岸。苫小牧市と襟裳岬の中間で太平洋に面した場所にある。

図34:(統合幕僚監部)88式地対艦ミサイル「SSM-1」。今回の演習には北海道第1特科団のみならず大分県第2特科団からも参加した。88式地対艦ミサイルは、全長5 m、重量660 kg、射程150~200 km、固体燃料ブースターで発進、ターボジェットで巡航・時速1,150 km/hrで飛翔する。

  • 8月6日 陸上幕僚監部発表 陸自部隊は、米、インドネシア主催の実働訓練(スーパー・ガルーダ・シールド26)に参加

8月26日〜9月11日の間、「スーパー・ガルーダ・シールド (Super Garuda Shield) 26」実働演習が、スマトラ島南部のバトラジャ演習場、南カリマンタン島のマルタプラ、東カリマンタン島ドンパー空軍基地、北カリマンタン島ヌヌカン、パレンバンのスルタン・パダルデイン空軍基地、セブク島、北カリマンタン島タラカン訓練施設で行われている。指揮所演習は。西ジャワ州バンドンのインドネシア軍幹部学校およびセルボンのインドネシア軍教範・教育・訓練開発司令部で行われている。

演習は、島嶼奪回に関わる空挺作戦・水陸両用戦闘訓練を行い、各国軍の協力と技量向上を行うために実施する。今回の特徴はインドネシアでは最初となるドローン/UAV対処訓練を実施することである。

参加は、インドネシア、アメリカ、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、インド、ニュージランド、オランダ。日本からは、陸自第一空挺団(習志野)、水陸機動団第2連隊(長崎県相浦)等が参加している。「スーパー・ガルーダ・シールド2026」は、インドネシア最大の多国間演習で、6,000名の兵員が広大な群島各地で野外訓練を実施している。

本訓練は、2007年にインドネシアとアメリカが中心となって開催、日本の自衛隊は2022年に初参加、今回で5回目になる。

図35:(Wikipedia) インドネシア共和国の地図。

図36:(Facebool.com)「スーパー・ガルーダ・シールド2025」で実施された陸自第1空挺団のパラシュート降下の写真。今年もこれと同じ演習がパトラジャで実施される。

  • 8月3日 海上幕僚監部発表 日本・キリバスの共同訓練

7月27日〜30日の間、海自「インド太平洋方面派遣 [ IPD 26 ]は、太平洋上の島嶼国「キリバス」を訪問、タラワ島近海でキリバス警察と共同訓練を実施した。キリバスは英連邦の一員だが、ソロモンなどと同じく親中国の姿勢が目立つ国である。豪州、ニュージランドなどは、警戒を強め引き戻しを図っている。

図37:(海上幕僚監部)海自IPD 26の隊員がキリバス警察と共同訓練をした記念写真。

図38:(外務省)キリバス共和国の位置。赤道直下の島嶼国で、ドイツ領・イギリス領・そして大東亜戦争開戦で1941年12月に日本が占領したが、敗戦後再びイギリス領となり1979年に独立、英連邦の一員となった。首都はタラワ(Tarawa)。

図39:(Wikipedia)キリバス共和国の首都「タラワ(Tarawa)」、大東亜戦争開戦とともに日本が占領した。しかしミッドウエー海戦を契機に米側が体勢を盛り返し、1943年11月21日にアメリカ軍第2海兵師団18,000名がタラワに上陸を開始、守備の日本軍4,500名は勇戦奮闘したが4日間の戦闘で最後の突撃を敢行、生存者17名を残し全員戦死した。戦闘が行われたのは主にタラワ環礁の南端「ベテイオ(Betio)」島である。日本人の脳裏には「タラワ・マキンの玉砕」として深く刻まれている戦いであった。

  • 8月5日 読売新聞報道 台湾で中国が企むグレーゾーン戦術に対抗する大規模演習「漢光」を実施

8月5日〜14日の10日間、台湾で年に一度の大規模軍事演習「漢光」が行われた。中国軍が演習を装って台湾侵攻を図る事態を想定し、即応・継戦能力を検証する。一部の都市ではスマホの通信速度を低下させる市民訓練も行った。

図40:(読売新聞記者竹内誠一氏)台北郊外で小銃の指導を受ける予備役召集兵士の様子。今回の演習では予備役兵士20,000名が召集され、参加した。

台湾では、中国軍は侵攻の前段階に、演習を装って台湾周囲を封鎖する「グレーゾーン」戦術を採ると観ている。「漢光」演習では、台湾東海岸の太平洋上で、台湾海軍と海巡署(海上保安庁に相当)が連携してシーレーンを確保、重要物資を運ぶ輸送船を護衛する「反封鎖」訓練を行う。

「漢光」演習のもう一つの柱は、サイバー攻撃への対応策である。中国軍が侵攻開始前に防衛産業の拠点などの機能停止を図る事態を想定、軍需工場の生産設備の移転や民間工場の軍事転用などを行う訓練をした。

軍事演習と並行して防空・救助演習も行う。台湾全土を5地域に分け、順次30分間の避難訓練を行う。特に人口が多い北部と中部では、スマホ・パソコンの通信速度を落とし動画のダウンロードが困難になるまでにする。これでスマホに頼り過ぎる姿勢を改めて貰う。

  • 8月10日 海上幕僚監部発表 日本・インドネシア海軍共同訓練「ガルサメックス」について

8月8日、相模湾で海自護衛艦「おおなみ(DD-111)」と哨戒ヘリコプターSH-60Kはインドネシア海軍フリゲート「イ・グステイ・ングラ・ライ(332)」と共同訓練、戦術運動、などを実施した。

図41:(U.S. Navy Photo by Mass Comm. Spec. 1st class Arthurgwain L. Marquez)2018年7月26日、RIMPACに参加したインドネシア海軍フリゲート「マルタデイナタ(KRI Martadinata )(331)級。「イ・グステイ・ングラ・ライ(332)」と同級艦。2隻はオランダ海軍の造船所で建造、2017年に就役。満載排水量3,000 ton、全長105 m、速力28 kts、兵装はオート・メラーラ76 mm単装砲、ラインメタル・エリコン35 mm CIWS 1基、VLS 12セル1基、エグゾセ対艦ミサイル4連装発射筒 2基など。

図42:(海上自衛隊)海自護衛艦「おおなみ(DD-111)」は「たかなみ(DD-110)」級の2番艦。2003年就役。満載排水量6,300 ton、全長151 m、速力30 kts、兵装は127 mm 速射砲1門、20 mm CIWS 2基、Mk.41 VLS 32セル1基、90式/ハープーン対艦ミサイル4連装発射筒2基、など。SH-60J/K哨戒ヘリコプター1機搭載する。同型は5隻ある。

  • 8月18日 海上幕僚監部発表 米海軍主催・多国間ミサイル警戒演習「パシフィック・ドラゴン26」に参加

8月1日〜17日の間、海自インド太平洋方面派遣(IPD 26)部隊は、ハワイ周辺海空域で行われる「多国間ミサイル警戒演習 [パシフィック・ドラゴン26(PD26=Pacific Dragon 26)]に参加した。[PD26]は、米第3艦隊(U.S. Navy 3rd Fleet)が主催する隔年実施の多国間の弾道ミサイル防衛演習(BMD=Ballistic Missile Defense)と戦術データ・リンク(TDL=Tactical Data Link)情報共有の訓練である。米軍からは第3艦隊に加えてミサイル防衛局(MDA=Missile Defense Agency)が参加する。

参加部隊は次の通り;―

日本:[IPD 26 第3水上部隊]所属の護衛艦(イージス艦)「こんごう(DDG-173)」9,400 ton、

米国:ミサイル駆逐艦「ジャック・H・ルーカス(DDG-125)」 9,900 ton・アーレイバーク級フライトIIIの1番艦、航空機ではP-8A Poseidon哨戒機。F/A-18 E/F戦闘攻撃機、E/A-18G電子戦機、MQ-9Reaper無人機、Kratos BQM 177A 亜音速目標無人機(SSAT=Subsonic Aerial Target)。

イタリア:多目的洋上哨戒艦「ジョバンニ・デレ・バンデ・ネーレ(P434)」6,000 ton、

オーストラリア:ミサイル駆逐艦「シドニー(DDG-42)」6,350 ton、E-7A Wedgetails早期警戒監視機(AWACS)、

韓国:ミサイル駆逐艦「チョンジョ・デワン(正祖大王)(DDG-995)」8,200 ton、

スペイン:フリゲート「アルバロ・デ・バサン(F-101)」5,800 ton、

チリ:フリゲート「アルミランテ・コクレーン(FF-05) (旧英海軍23型Frigate [HMS Norfolk]) 4,300 ton、

図43:(海上幕僚監部)多国間ミサイル警戒演習 [パシフィック・ドラゴン26(PD26)に参加した多国籍艦隊。

図44:(U.S. Navy) Kratos BQM 177A 亜音速目標無人機(SSAT=Subsonic Aerial Target)の試験。米海軍は2019年以降数回に分けて発注、100機以上を保有している。我が海上自衛隊、サウジアラビアが7機-8機ずつ購入。全長5.2 m、重量680 kg、エンジンはMicro Turbo製推力1,000 lbsターボジェット1基。速度マッハ0.95。

  • 8月25日 航空幕僚監部発表 空自戦闘機をインドに派遣、インド空軍と共同訓練

9月1日〜39日、空自第8航空団・築城基地の「F-2A」戦闘機3機をインド・ラジャスターン州ジョードブル空軍基地に派遣、9月9日から21日までの間インド空軍戦闘機と戦闘訓練を実施する。

第8航空団は福岡県築城基地にあり、隷下に第6飛行隊と第8飛行隊がある、いずれもF-2戦闘機約20機で構成されている。

インド空軍はラジャスターン州ジョードブル空軍基地に「Si-30MK1」戦闘機を配備している。

空自「F-2A」戦闘機は、米空軍の空中給油機の支援を受けながら沖縄・タイを経由して5,600 kmの長距離飛行の後インド北西部のジョードブル空軍基地に到着した。

日印空軍共同訓練に対し、中国政府は早速「地域の平和を乱し緊張を高める」と抗議声明を出した。

図45:(空自第8飛行隊)2020年10月、築城基地で第8飛行隊創隊60周年記念で実施されたF-2戦闘機による多数機発進準備訓練(Elephant Walk)。

図46:(Indian Air Force)インド空軍Su-30MKI戦闘機(右)と9月初めに5,600

Kmを飛びジョードブル空軍基地に到着した航空自衛隊「F-2A」戦闘機。ジョードブル[Jodhpur]はインド北西部にある都市。

  • 8月25日 陸上幕僚監部発表 陸自は米・豪軍と実働訓練「オリエント・シールド26」を実施

「オリエント・シールド26 (Orient Shield 26)」は陸上自衛隊・アメリカ陸軍・オーストラリア陸軍の3カ国から約3,700人が参加して、9月8日〜24日の間、北海道から鹿児島県の各地で行われる。実施場所は、矢臼別演習場、北海道大演習場、丘珠駐屯地、東千歳駐屯地、苫小牧西港、朝霞駐屯地、入間基地、米軍横田基地、横浜ノースドック、習志野駐屯地、米軍広弾薬庫、呉基地、鹿屋航空基地、等である。

参加部隊は;―

陸上自衛隊:陸上総隊、北部方面隊、東部方面隊、中部方面隊、陸自・海自共同の海上輸送群、等

米陸軍  :在日米軍司令部、第11空挺師団3-509大隊、第3マルチ・ドメイン・タスクフォース(多領域作戦軍/MDTF)、第593軍団支援コマンド、第38防空砲兵旅団、等

豪陸軍  :第10旅団、第17旅団、第2衛星旅団、等

訓練項目は、共同戦闘訓練、共同実射訓練、共同輸送訓練、等。

参加兵員は3カ国合計で約3,700名。米軍からは鹿屋航空基地に展開するタイフォン(Typhon)とハイマース(HIMARS)ミサイル・システムが対艦戦闘訓練に参加する(実弾射撃はしない)。

「多領域作戦軍/MDTF=Multi Domain Task Force」とは、東シナ海の第1列島線防衛を目的に編成された部隊で、各軍種500名規模で、火力大隊と防空大隊が基幹となり「HIMARS」や「Typhon」を装備している。米陸軍ではインド太平洋に2つ、欧州に1つ、北極圏に1つ、全世界対応に1つ、のMDTF配備を進行中。

中距離ミサイル・システム「タイフォン (Typhon)」は、陸上や海上の目標に向けてトマホーク(射程1800 kmの対艦・対地)及び、SM-6(射程370 kmの対空・対弾道ミサイル)ミサイルを発射する車載型装置である。Mk.41垂直発射システムのセル4本を入れた40 ft型 ISOコンテナをトレーラーに搭載したシステムである。2025年9月「レゾリュート・ドラゴン25」で岩国基地に配備されている。

ロシア外務省は、「ロシア極東に近い日本国内での訓練はロシアの安全保障への脅威だ」と主張した。

図47:(U.S. Army)中距離ミサイル・システム「タイフォン(Typhon)」の構成。手前のトレーラーが指揮統制車両、奥のトレーラー・ランチャー4両で1システムとなる。各ランチャーは、40 ft ISOコンテナにMk.41 VLS(垂直発射装置)4セルを内蔵、これを垂直にしてミサイルを発射する(白色のタワーがミサイル・セル)。

  • 8月25日 陸上幕僚監部発表 令和8年度中SAM実射訓練を米国で実施

9月1日〜11月3日の間、米国ニューメキシコ州マクレガー射場(McGregor Range, New Mexico)で、陸自令和8年度中SAM発射訓練を実施する。実施部隊は;―

東北方面隊 第5高射特科群 第351高射中隊

東部方面隊 第2高射特科群

中部方面隊 第8高射特科群

西部方面隊 第2高射特科団(沖縄県) 第3高射特科群、第7高射特科群

高射学校(千葉県)。第15高射特科連隊(沖縄県)、及び高射教導隊

訓練の特徴は、良好な訓練場で航空自衛隊の高射部隊(SM-3)と協力して実弾射撃を実施する。

図48:(陸上自衛隊)[中SAM]は、「03式中距離地対空誘導弾」、2003年に正式化された。その後「中SAM改善型」、そして「中SAM能力向上型」へと改良が続いている。三菱電機、東芝、三菱重工が担当生産中。ミサイルは。長さ4.9m、直径28 cm、重さ454kg、固体燃料ロケットで射高10 km、射程60 kmと言われている。

  • 8月28日 統合幕僚監部発表 東シナ海で日米韓共同訓練「フリーダム・エッジ26」を実施

陸海空自衛隊は9月7日〜11日の間、東シナ海北部の海空域で米韓両国軍と共同訓練「フリーダム・エッジ36 (Freedom Edge 26)」を実施する。参加組織/部隊は;―

日本:統合幕僚監部、統合作戦司令部、自衛艦隊、航空総隊、航空支援集団、自衛隊サイバー防衛隊、の人員560名、それに加えて、護衛艦「あさひ(DD-119)」6,800 ton、イージス艦「あたご(DDG-177)」10,000 ton、[P-1]哨戒機、[SH-60K]哨戒ヘリコプター、[F-15]戦闘機、[F-2]戦闘機、[E-767]早期警戒管制機、[E-2D]警戒管制機、[KC-46A]給油輸送機、[KC-767]給油輸送機。

米国・韓国からの参加部隊の詳細を把握していないが、我が自衛隊の参加規模から見て、相当な戦力を投入していることに間違いはない。

図49:(U.S. Navy 7th Fleet)「」フリーダム・エッジ26」には米空母「ジョージ・ワシントン(CVN-73)」10万トンが参加、最近の北朝鮮、中国の威圧的行動に対し睨みを利かす。

  • 8月28日 統合幕僚監部発表 中東海域での日本関係船舶の安全確保のための行動

中東地域での日本関係船舶に安全確保に必要な情報収集には、海自水上部隊及び航空部隊が活動している。

活動区域はオーマン湾とアラビア海北部の公海で今年7月に、水上艦が確認した航行船舶数は123隻、航空部隊が確認した船舶数は641隻に達する。

いずれも紛争が起きているペルシャ湾・ホルムズ海峡ではなく離れたたオーマン湾・アラビア海での監視活動である。海自の活動は夛とするが、残念なことにホルムズ海峡での機雷除去・船舶護衛には全く関わっていない。

図50:(読売新聞)オーマン湾、アラビア湾の位置。

図51:(統合幕僚監部)船舶の監視活動の従事する[P-3C]哨戒機の乗員。

  • 8月29日 海上幕僚監部発表 日本・カナダ共同訓練[KADEX 26]の実施

海上自衛隊は8月24日〜28日の間、西太平洋上の海空域で、カナダ海軍と共同訓練[KADEX 26]を実施した。参加したのは;―

海自 :護衛艦「ふゆづき(DD-118)」6,800 ton、全長150 m、速力30 kts,、同級は2012年から就航開始、4隻ある。

カナダ:フリゲート「レジーナ(HMCS Regina / FFH 334)」5,000 ton、全長134m、速力30 kts、同型艦は12席ある。

図52:(海上幕僚監部)護衛艦「ふゆづき(DD-118)」(左)とカナダ海軍フリゲート「レジーナ(HMCS Regina / FFH 334)」

  • 8月29日 海上幕僚監部発表 日本・シンガポール共同訓練「SINGAPAN」を実施

8月27日、28日の両日、関東地方南方の太平洋上の海域で海自護衛艦「てるづき(DD-116)」6,800 tonと「はまぎり(DD-155)」5.000 tonは、シンガポール海軍フリゲート「ステッドファスト(70 RSS Steadfast)」と対水上射撃を含む戦術訓練、通信訓練を実施した。

シンガポール海軍フリゲート「ステッドファスト(70 RSS Steadfast)」は、シンガポール海軍が運用する「フォーミダブル(Formidable)旧フリゲートの6隻のうちの3番艦。フランス海軍の[La Fayette]級フリゲートの派生型で、ステルス形状、ヘラクレス多機能レーダーを中核とした防空システムを備える。1番艦「フォーミダブル(68)」はフランス海軍「DCNロリアン工廠」で建造されたが、2番艦以降はシンガポール「ST Engineering」で建造された。満載排水量3,200 ton、全長114 m、速力27 kts、兵装は76 mm速射砲1門、アスター15短SAM 8基。ハープーン対艦ミサイル4連装発射筒2基などを備える。東京港に今年8月に来航一般公開された。

図53:(海上幕僚監部)シンガポール海軍フリゲート「ステッドファス(70 RSS Steadfast)」を先頭に「はまぎり(DD-155)」、「てるづき(DD-116)」が続く。

8月30日 海上幕僚監部発表 /米第7艦隊発表 海上自衛隊は、米海軍主催の「Pacific Vanguard 2026」(太平洋の先陣)訓練に参加

8月29日〜9月10日の間、海自艦艇はグアム島周辺の海空域で米海軍が主催する多国間共同訓練「パシフィック・バンガード2026」に参加する。8月30日に6カ国海軍が集まり開会式を開催した。

訓練項目は、ミサイル射撃、対水上射撃、対空戦闘、対潜水艦戦、ドローン対処訓練、弾薬搭載訓練、応急修理訓練など。

参加部隊は次の通り。

海上自衛隊:護衛艦「ふゆづき(DD-118)」、潜水艦

米海軍  :貨物弾薬補給艦「チャールズ・ドリュー (USNS Charles Drew (T-AKE 10)」、潜水艦、[P-8A]Poseidon哨戒機、

オーストラリア海軍:駆逐艦「シドニー(HMAS Sydney (DDG 42))」

カナダ海軍:フリゲート「レジーナ(HMCS Regina (FFH 334))」

韓国海軍 :駆逐艦「カン・ガムチャン(姜邯賛 /DDH-979」

ニュージランド空軍:[P-8A] Poseidon哨戒機

[Pacific Vanguard 26]は、先に実施された「Resolute Dragon 26」、「Valiant Shield 26」に続く重要な訓練に位置付けられている。

図54:(You Tube)貨物弾薬補給艦(AKE-10) 「チャールズ・ドリュー (USNS Charles Drew)」は、満載排水量43,500 ton、全長210 m、MH-60Sヘリコプター2機を搭載する。標準搭載は、艦艇燃料3,300 ton、弾薬等ドライ貨物2,100 ton、真水200 ton。

図55:(U.S. Navy)韓国海軍 「李舜臣」級 駆逐艦の5番艦「カン・ガムチャン(姜邯賛 /DDH-979」は満載排水量5,500 ton、全長154 m、兵装は127 mm単装砲、Mk.41 VLS 32セル、SSM 4連装発射筒2基など。

―以上―