投稿者: 松尾 芳郎

今年4-6月の緊急発進と南西諸島の防空態勢

緊急発進回数

防衛省統合幕僚監部は「平成27年度第一四半期の緊急発進実施状況について」と題する報道資料を発表した(27-07-15)。内容は一部マスコミが紹介済みだが、ここに整理してみる。

発表は、中国軍機への緊急発進が増加している事実を述べるに止まっているが、中国の軍事的台頭はこれだけではない。

すなわち、連日のように海警局公船が尖閣諸島近辺の領海へ侵犯を繰り返し、さらに東シナ海日中中間線付近のガス田での軍事転用可能な大型プラットフォームの建設を急ぐ、などが行われており、地域の安全保障環境を著しく悪化させている。

ロシア海軍の艦艇多数が宗谷海峡を通過

11ロプチャー戦車揚陸艦055

衆議院での安保法制を巡る騒ぎの最中、7月10日から翌11日にかけてロシア海軍艦艇多数が北海道宗谷岬沖を通過、日本海に入った。

防衛省統合幕僚監部の7月13日発表によれば、10日(金)午前2時半から11日(土)午前7時半ごろにかけて、宗谷岬北東60 kmの海域を西進するロシア海軍艦艇合計12隻を発見、その後宗谷海峡を通過したことを確認した。

ニュー・ホライゾンズ、冥王星とカイパー・ベルト探査を実施

New Horizins冥王星へ接近

探査機「ニュー・ホライゾンズ」は2006年1月に発射され、2007年2月に木星近傍に到着し木星とその衛星群の探査を行い、木星の重力を利用して速度を上げて冥王星に向かい、米国東海岸夏時間の2015年7月14日午前7時50分(日本時間では14日夜8時50分)に冥王星に最も接近する。そのまま冥王星と衛星カロンの間、冥王星の12,500 km上空を高速で通過し、さらに遠方のカイパー・ベルトを目指し、そこで古代の姿を残す氷の小さな天体1~2個を観測する。

我が国北部の沿岸でロシア軍の活動が活発化

07-09ソブレメンヌイI級715

このところ北海道および本州東北部の沿岸空域と海上でロシア軍の動きが活発になっている。

統合幕僚監部によると((27-07-10),7月9日 (木)午前5時半から同11時にかけて、北海道宗谷岬の北東約60 kmの海域を西に航行し日本海に入るロシア海軍艦艇5隻を発見した。

ロシア空軍の電子情報収集機Il-20、今度は本州の日本海沿岸を飛行

07-07 Il-20の航跡

統合幕僚監部は7月7日に、ロシア空軍の電子情報収集機Il-20型機が本州日本海沿岸に沿い南下してから反転北上し、我が国の電子情報を収集した模様、と発表した。これは7月3日に起こった三陸海岸沖合の飛行に続く飛行である。

海自の最新鋭哨戒機「P−1」英国軍事航空ショウ「RIAT」に初参加

main_p-1

政府は新型哨戒機「P-1」2機を近く英国に派遣、英国が導入を検討している新型対潜哨戒機の候補として売り込みを図る。厚木基地所属の「P-1」は、7月17-19日に英国空軍の「フェアフォード(RAF Fairford)基地(Gloucestershire)」で開催される世界最大の軍用機ショウ「王立国際航空ショウ( RIAT)に2機で参加し、地上展示とデモ飛行を行う予定。

ロシア空軍電子情報収集機Il-20が本州三陸沖に飛来、電子情報偵察を行う

07-03ロシアIL-20航跡

防衛省統合幕僚監部は去る平成27年7月3日に、「同日ロシア空軍の電子情報収集機Il-20型機1機が、我が国北方領土択捉–国後間を通過し、本州三陸沖に飛来、同じ航路を引き返した。」と発表した。航空自衛隊戦闘機が緊急発進、本州領空への侵入を阻止したのは言うまでもない。

近くの星を飲み込むブラックホール「V404 Cygni」、26年ぶりに爆発

白鳥座V404Cygni

白鳥座(Cygnus)に「V404 Cygni」と云う連星があるが、これが世界の天文学者の注目を集めている。「V404 Cygni」は「ブラックホール」と普通の恒星(伴星)との連星で、普段は弱い発光を繰り返しているので”変光星(Variable Star)”と呼ばれている。この「ブラックホール」が6月に爆発した。この発見には我が国JAXAのX線望遠鏡が大きな貢献をした。

ロールスロイス、トレント系列エンジンの開発を加速

TrentXWB図

RR) が作る大型エンジンTrent (トレント)系列は3軸構成の高バイパス比ターボファンで、RB211エンジンの後継である。1990年8月に運転を始めたTrent 700の成功以来、Trent 900、Trent 1000 、Trent XWBが次々に完成、それぞれA380型機、787型機、A350型機用として採用されている。これらに続いて、Trent 1000TEN、Trent 7000が間もなく実用化される。ウルトラファンについても開発が始まった。

北海道宗谷岬付近でロシア海軍艦艇の動きが活発化

キロ級06-18

ここ数日、北海道北端の宗谷海峡でのロシア海軍艦艇の動きが再び活発化している。統合幕僚監部の発表によれば次の通り。これら4件の発表のうち3件は「キロ級」潜水艦1隻ずつが宗谷海峡をオホーツク海から日本海に向け通過したとの報告である。