
サンフランシスコ空港で7月、起きたアシアナ航空のB777型機着陸失敗事故で航空旅客の間で一時、”空の安全”に疑念が過ったが、2013年の世界の空はいつになく安全な年だと言う。”空の安全の番人”『FSF(フライト・セイフティ・ファウンデーション)』等の分析で重大事故発生件数、犠牲者数は平均値を大きく下回っていると指摘された。LCC(格安運賃航空会社)の内外路線での参入が極く当たり前で、コスト重視で『安全性が疎かになるのでは?』との不安もこのところ払拭されつつある。
ボーイング社は9月12日、米空軍向け大型輸送機、C-17『グローブマスターⅢ』の最終号機を引き渡したと発表した。同型機の製造を担当した南カリフォルニア・ロングビーチ工場の生産ラインは海外からの受注残があり2014年迄、生産活動は継続する。同社はC-17型機の優れた短距離発着性能と60トンの戦略輸送能力にかなうライバル機が存在しないため、原油マネーで潤う中東市場等で改めてセールス攻勢をかける。米議会内には、日米同盟進化の具体的シンボルとして航空自衛隊へ20機程度の導入を打診する動きも出てきた。生産ラインの閉鎖となれば、4,000人の直接雇用が失われ、関連企業を含めると全米44州、3万人強の労働者が職場を失いかねない。ポストC-17問題は今後ワシントンでも政治問題化は必至だ。