カテゴリー: 医学

「新型肺炎の流行 背後に社会の歪みが見えてくる」

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本稿は木村良一氏の寄稿です。中国湖北省武漢市の病院が正体不明の肺炎を初めて確認したのが昨年12月8日。年が明けると、中国政府は1月9日に「新種のコロナウイルスを検出した」と公表し、19日からは国家衛生健康委員会が感染者数の発表を開始した。その時点で確認できた感染者はわずか計62人だった。それがいまや、武漢を中心にうなぎ上りに増え続けている。

救急隊の「蘇生中止」「搬送取り止め」を問う

本稿は木村良一氏の寄稿です。この寒さで高齢の男性が持病を悪化させ、風呂場で倒れて意識を失った。救急車が駆け付け、救急隊員が心臓マッサージを実施し、AED(自動体外式除細動器)を使って電気ショックを加える。心肺蘇生だ。その様子を見ていた男性の妻が「気が動転して救急車を呼んでしまいました。手当はもういりません。このまま死なせてやってくれませんか」と話し出した。

気功や手かざしは効くの?―「補完代替医療」を考えた―

本稿は木村良一氏の寄稿です。いまから26年前に宜保(ぎぼ)愛子さんを取材したことがあった。透視・霊視能力が評判となって日本中に心霊ブームを巻き起こしたあの女性だ。宜保さんは1932(昭和7)年1月5日に横浜で出生。幼いころから透視・霊能力があったが、21歳のときに大病を患って17年間、その能力を失った。その間に結婚し、子供3人を産んで育てた。その後透視・霊視能力が戻ると、テレビ番組に出演活躍した。

「エボラ・ウイルス輸入」、五輪便乗は本来の危機管理から外れていないか

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本稿は木村良一氏の投稿です。厚生労働省は、感染症法に基づきエボラ出血熱など致死率の高い「1類感染症」の病原体5種類の輸入を正式に指定した。これで国立感染症研究所村山庁舎で受け入れる手続きが整い、同時に地元武蔵村山市との受け入れ協議も成立した。

続・透析中止問題「福生病院」は心のケアを行っていたのか

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本稿は木村良一氏の寄稿です。前回人工透析を中止して患者を死に至らしめた公立福生病院(東京都福生市)を追及したが、今回はその続報。前回後半でこう指摘した。「透析治療は精神的にも肉体的にも負担が大きい。だが透析を止めると、死が訪れる。透析患者は精神的に追い詰められる。判断が二転三転することは珍しくない。(公立福生病院で亡くなった)44歳の女性患者も、精神的に不安定になっていたという」

「透析中止」福生病院の判断に間違いはなかったのか

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本稿は木村良一氏の寄稿です。公立福生病院で昨年8月、腎臓病を患っていた44歳の女性患者の人工透析治療が中止され、1週間後に死亡した。病院側は「医師が女性の話を聞いたうえで中止を決めた」と説明しているが、東京都が医療法に基づいて立ち入り検査に乗り出し、日本透析医学会も調査に入った。

「三浦雄一郎さんの登頂断念」主治医の勇気ある決断を讃えたい

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本稿は木村良一氏の寄稿です。三浦雄一郎さんがアコンカグア登頂を目指したが、同行の医師、山岳医療の専門家の大城和恵さんの助言に従い、登頂を断念した。大城さんのその著書が『三浦雄一郎の肉体と心―80歳でエベレストに登る7つの秘密』(講談社+α新書)=写真=だ。ズバリ、冒険家の秘密に迫っている。筆使いが軽妙で読みやすい。一読を勧めたい。

「病腎移植」をどう考えればいいのか

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 本稿は木村良一氏の寄稿です。その是非が大きく問われた「病腎移植」が今年7月、公的医療保険の使える先進医療として正式に認可された。腎がんや尿にタンパクが漏れ出るネフローゼ症候群などの病人の腎臓を摘出し、別の患者に移植するのが病腎移植である。今回はこの移植医療について考えてみたい。

医療事故に倒れた夫婦を弔う

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 本稿は木村良一氏の寄稿です。この夏、東京医科大学(東京・新宿)=写真=で、理事長(起訴前に辞職)と学長(同)が文科省汚職事件の贈賄罪で在宅起訴され、さらに女子と浪人生の合格者数が抑えられていた不正入試も明らかになった。東京医大というと、傘下の東京医大病院(東京・西新宿)=写真=で15年前に起きた医療事故を思い出す。その第一報は、2003(平成15)年11月11日付の産経新聞(東京本社発行)の1面に書いた。特ダネだった。

「新型インフルエンザ」発生の周期に警戒怠るな

新型インフルエンザがひとたび発生すると、人が免疫(抵抗力)を持っていないため、次々と感染してあっという間にパンデミック(地球規模の大流行)を引き起こす。WHO(世界保健機関)や厚生労働省の予測によれば、ウイルスの毒性が強いと、世界で7400万人が感染死し、日本国内でも最悪64万人が命を落とす。